3月31日(日) |
また随分と間が開きましたが、乙女ゲーが原因7割、多忙が3割くらいです。まず、そろそろ買っとくかと「うたプリmusic」に手を出したら、アホみたいにハマりました。Repeatやってるときにも書きましたけども、少しずつ上手くなっているのが分かる音ゲーパート楽しいです。曲も嫌いじゃないですし。唆されてシネマライブにも行ってきましたよ。下野さんって凄い。 で、直近は「夏空のモノローグ」を遊んでました。感想は下に書いてますが、過去遊んだ乙女ゲーで五指には余裕で入る、大変いいゲームでした。日常の楽しさ、切なさが感じられるループゲーで、甘さ薄めなので、乙女ゲーマーだけでなく、設定に惹かれるノベルゲー好きやラノベ読みの人にもお薦め。シナリオライターさんも電撃で書かれてる方ですしね。 <最近遊んだゲーム> ◆ 夏空のモノローグ Portable (アイディアファクトリー) 【amazon】 ループ設定と切なそうな雰囲気に惹かれて購入した、ほんのりSFな現代青春恋愛ストーリー。ネタバレな部分は反転してます。 物語 7月29日に起きた「ツリー」と呼ばれる謎の巨大建造物の発光現象。その日以来、7月29日を繰り返すことになった、少女と科学部の面々は――、といったあらすじ。 ループ物といっても話の展開自体は他のゲームとそれほど変わらなくて、日常を過ごすうちに誰かと仲良くなってという作りなのですが、このゲームの最大の魅力だと思うのがこの日常描写部分。 ループによって生まれた終わらない夏休み。本当なら明日廃部だった科学部に生まれた偶然の猶予期間に、みんなで騒いで馬鹿をやって、時には語り合ったりもして。そんな日常が、もう本当に本当に楽しそうで、キラキラに輝いてました。主人公をはじめ「このループが終わらなければいいのに」という気持ちを抱いているのが感じられるから、余計にキラキラ見えて、ちょっぴり切なくて。 日常のドタバタのバリエーションが選択式で選びきれないくらい豊かで、周回プレイが全然苦にならないのも良かったポイントの一つです。こういう全員でのドタバタな日常って大好きなんですけど、ギャルゲではあっても乙女ゲーだとあまり見ない気がするので、このボリュームと面白さで読めたのが嬉しかったです。 そして、日常の愛しさが伝わってくるからこそ、それが後のシナリオの葛藤に存分にきいてくる。終わるかもしれないループへの恐怖に、攻略キャラ個別の事情が加わって、個別ルートがすごく切ない。涙腺にくるルートもいくつかありました。 それでもって、切ないだけじゃなくて青春の爽やかさもちゃんと描かれていて。特に、全ルートが終わった後の余韻は最高でした。90%の満足感と、10%の終わってしまう寂しさ。良かったです。 キャラ みんなみんな愛しかった科学部の面々、その中でもまず一人挙げるなら部長でしょう。科学部といえば一人はいそうな奇人変人枠、そのぶっ飛びっぷりがとにかく凄かった。量子テレポーテーション装置作ろうとしたり、ロケット打ち上げたり、その無茶苦茶さが楽しい。部長が振り回すだけじゃなくて、部員も結構うまくあしらって部長が泣いたりする関係も良くて、変人キャラがたまに持つうざったさが皆無でした。部長の「しょっくーん!」が大好きです。 乙女ゲーで大事なのが主人公ですが、主人公もいい子でした。記憶喪失で科学部が全てなゆえに明日がこないでほしいという気持ちにはとても共感できてスッと話に入り込めたし、一見普通の女の子のようで、時々変な性格を見せて個性強いのも楽しかった。特に甘いものが絡んだときに馬鹿になるのがかわいくて好きです。おいもイベント大好き。 他のキャラもみんな大好き、一人挙げるなら篠原くんかな、素直じゃない子かわいいです。OPのイヤホン共有赤面で最初の攻略キャラが決まりました。 ここからはシナリオについてネタバレ全開で書くので反転します。 まずメインのループ設定について。1周目あたりではループは舞台装置的な役割なのかなと思ったりもしましたが、ちゃんと話の軸でしたね。単純なようでところどころに読めない部分があって面白かったです。ツリーピース4つ目の下の名前で「あっ」とか声出た時点で完全にライターさんに負けてる(篠原→木野瀬→先生→カガハル→部長 の順で攻略でした)。二重ループにも気づけてませんでしたしねー、抜け出せてないのはわかってたんだから気づくべきですよね。 最終ルートは、個別ルートの積み重ねが最後に効いてくるっていうのは途中で察せてはいたし、家族との和解みたいに読める展開もありましたけども、分かっていてもこんなの泣きますって! 葵が成長していく様子やこれまでの周回が各人に与えた影響を感じられる描写を見てると、胸や目頭が熱くなりました。 個別ルートは、ループを抜け出せないために後日談が描けないのがハードルで、そこが仕方ないとはいえこの作品唯一の弱点かなと思います。後日談ないのでループ抜け出せてないんだろうなと気づけましたし。とはいえ、ループ設定を活かしたシナリオはどれも切なくて十分よいものではありました。単に日常が素晴らしすぎるだけです。 一番好きなのは部長のお話かな。全てのルートで葛藤の末に科学部のために諦めていたってのが切なすぎる。ツリーピースβでの弱さも涙腺にがんがんきました。先生いい人や……。 あとはカガハルのお話もかなり好きです、優しさが循環するお話に弱いみたいです私。明るさが葵から与えられたものなのがはっきり感じられたのも、普段の軽い姿と真剣さのギャップも良かった。葵が一番恋していてゴロゴロ転がったのもカガハルルートでした。 篠原くんシナリオの思い出作りやラストシーンもかなり好きなんですけれど、前向性健忘設定は大好きな某ゲームシナリオで使われていて、それとかぶって楽しみきれなかったのが無念でした。かぶらなかったら一、二を争ってたと思います。 (反転ここまで) 総評 終わってしまうのが寂しい、日常の楽しさが際立ったゲームでした。そして青春物語としてもループ物としても面白く、名作と言っていいゲームだと思います。PSP発売を機に広まってほしいなーと思います。 しかしオトメイトに対しては長らく「大半は絵だけゲーなんじゃないか」という不信感があったんですが、Clock Zeroを遊んで、このゲームを遊んで、そんな思いは払拭されました。同ライターさんの「神なる君と」も気になってきてます。 評価 ☆☆☆☆★(9) |
3月17日(日) |
<最近読んだ本> ◆ (仮)花嫁のやんごとなき事情 離婚できずに新婚旅行!? (夕鷺 かのう/ビーズログ文庫) 【amazon】 主人公も旦那さまもかっこいい、離婚を狙って空回りシリーズ「(仮)花嫁のやんごとなき事情」第3巻。 ついに! ついに! 何といっても最後ですよ。こんな甘くて楽しい自覚シーンを見せられたら転がるしかないじゃないですか。育ってきていた意志の揺らぎがついに弾けて、身代わりゆえの切なさまでついてきて、最後の一文では叫びましたとも。最初の愉快な攻防なんかも大好きなんですけど、甘いのもいいですね。信頼されてると知って気持ちが高まるのもフェルらしくて良かったです。 旦那さまがかっこいいのもこのシリーズのいいところ。俺様すぎず、残念すぎず、しっかりフェル落としたのはさすが(今回の作戦、一歩間違えたらフェル死んでましたけどそれはさておき)。鈍いところだけが玉に瑕ですね。気づかないまま、フェル守るために離婚言い出すとかやりかねない。いやシレイネがくるならそちらとのチェンジの方がありえるかな。 最後のためにすっかり他が霞んじゃいましたが、兄様もインパクトあるキャラでした。変人な悪役が型にはまりすぎてて本当に悪役じゃないかと勘ぐりましたが、さすがになかった。クロウとのヒネくれた兄弟仲もいいし、嫁呼ばわりの喋り方が楽しくて好きです。 フェルの能力が見え、シレイネが動き、次はお話が大きく動きそう。シレイネがラスボスですかね、セタンタの方だと思ってたので少し意外でした。シレイネは間違いなく恐ろしいキャラなのでビクビクしながら次巻待ちます。 評価 ☆☆☆☆★(9) ◆ バンダル・アード=ケナード 裏切りの杯を干して(上)(下) (駒崎 優/C★NOVELSファンタジア) 【amazon】 おっさん傭兵隊の活躍を描くファンタジー「バンダル・アード=ケナード」シリーズの最新刊。 このシリーズの魅力って、あちこちで展開している話をうまい具合にまとめあげたり、しんみり切なくさせてくれたりするところだと思ってるんですが、このうち前者の面がとても強かったです。頭に?マークが飛び交う状況をよくもこうもまとめあげるものだと。それも、一つの糸に綺麗に収束していくというよりは、いつの間にか綺麗に糸がほどけている作りになっていて、それが面白いです。驚きだらけでしたけど、一番驚いたのはバンダルの任務ですかね、肝の部分なのに全く気づいてなかった。アランデイルはそんな気がしてたし、スターグにも何かあるのは予想できていたんですが、それくらいしか分からなかったという。 あと印象的だったのは敵サイド。敵サイドに死者が出て、そのことを最後で利用するのは、杯のシーンの見せ方も含めてなかなか感傷的でした。ガルヴォ側もいつも苦労してるのが分かるから、より一層シーンが引き立ってるなと感じます。 安定して楽しめるので次巻も楽しみです。あと扇舞うの3巻も。俺、3巻発売情報が出たら2巻読むんだ…… 評価 ☆☆☆★(7) |