5月26日(日) |
<最近読んだ本> ◆ 身代わり伯爵の誓約 (清家 未森/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 焦れ焦れを抜けてようやく辿り着いたシアラン編ラスト、最後はリヒャルトかっこよかった! いやーリヒャルト立派なヒーローでしたね、再会していきなり王子様のキスですし。記憶喪失をそれで解決しちゃうのはずるい気もするんですけど、このシリーズならそれもありかと思えちゃいます。大体、フレッド&ミレーユを相手にして勝ち目がある敵なんていないんですよ。そう思わせてくれるくらいこの兄妹強い。 その後もリヒャルトの甘い言動たっぷりでしたが、素晴らしかったのが四阿のシーン。ここのリヒャルトが本当にいい男で。花畑をこんな風に用意して、誓いが完璧すぎる。ミレーユの方も大公への啖呵が素敵だったし、気持ちが追いついていいカップルになりましたねー。満足満足。 フレッドのミレーユ溺愛っぷりも今回目立ってましたね。ミレーユに見栄を張るお兄ちゃんと寂しそうなお兄ちゃんがお気に入り。ただ、最後の場面でセシリアを全く思い出さないのがちょっと引っ掛かりました。セシリアへの感情がその程度だとは思っていなかったんですが、自分に嘘ついている風でもないしなあ。少なくとも花嫁修業の間は舞台はシアランでセシリアの出番もないだろうし、うーん? まあ先読んで判断しますか。 そして最後に登場のキリル、やっぱりシアラン編では終わりませんでしたか。スルーされる噛ませ犬っぽさが露骨に出ていて、このままだとヴィルフリート2世にしかならない気がするんですけども、どういうキャラになるんでしょう。ミレーユとリヒャルトは昔の約束ごときで太刀打ちできるレベルを超えてるでしょうし、ミレーユは対リヒャルト以外は鈍いままでしょうし。まあこの先も購入済なのでさくさく読んでいきます。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ とある飛空士への恋歌 (犬村 小六/ガガガ文庫) 【amazon】 「とある飛空士への追憶」が素晴らしい王道だったので、これはこちらも読まねばと買っておいた作品。アニメ化発表を機に読むことにしました。ちなみに、ガガガ文庫はこれが初読み。創刊時の広告が嫌悪感抱くくらい全然肌に合わなかったため、「絶対読みたい」と思う作品が出るまでは買わない方針を貫いてました。 で、物語の方は、全5巻の1巻とあってかスロースタート、メインキャラ紹介と背景描写だけで終わるとは。今のところは追憶に比べると色んな意味で物足りなさを感じます。主人公への好感度は今のところ低いし、空に出ないと風景描写もあまり響かないですし。 ただ、これからの物語にはかなり期待、敵同士の恋愛物って大好きなんですよ。回想でのニナへの恨み見て愛憎展開あるかなと期待していたらドンピシャ。「正体隠して恋する→正体知って憎む→でも好き→でも双方の陣営に担ぎ上げられて敵対」まで夢想完了。さあ王道どんと来い。 1つだけ気がかりは義妹不憫フラグ。ここの見せ方次第では、壁放り投げとはいかないまでもガクッときそう。ニナとの友情築く路線が穏便そうなのでその辺だといいです。 評価 ☆☆☆(6) |
5月22日(水) |
不定期オンノベ読みモードになっています。というわけで久々にオンノベ感想1つ。 ・しにこん〜死と婚活の巫女は理想の勇者とゴールインしたい〜 @ぶんが秀徳様 「小説家になろう」で連載中の作品、nanakikaeさんにお勧めいただいて読んでみました。なろうさんの作品の感想書くのははじめてですね。 まず目を引くのがタイトル。見るからに漂う、混ぜるな危険臭。さすがにちょっと尻込みしました。 で、読み始めたらこれが無茶苦茶面白いんですよ。タイトルの通り、死の巫女マリアベルがゴールイン目指して婚活戦士として勇者と旅するお話。この主役マリアベルのキャラクターがとにかく強烈。脳内で妄想を繰り広げる、たまに見かけるタイプの女の子なんですが、この妄想が年中桃色で、なかなか見ない突き抜け方。「はううううううん!」だの「ぺろぺろしたい」だのが恒常的に飛び交ってます。女性向け(一応少女小説寄りなカテゴリだと思います)な作品でこのキャラは異色ですし、次から次へと出てくる妄想発想が面白い。 これだけだと面白い妄想少女止まりですが、マリアベルが凄いのは、妄想を表に出さない外面だけではなく、巫女としての聖性も兼ね備えているところ。巫女らしい慈愛の心もしっかり持っていて、その慈愛の心から出た行動をすかさず婚活に活かす。この二面性がとても面白いです。二面性を強調するような言葉の選び方をしているのも、読んでいて楽しい。 そして、マリアベルのキャラをさらに引き立てているのがキャラ配置。メインキャラクターはマリアベル含めて3人なんですが、 ・マリアベル:婚活戦士。妄想が止まらない。でもちゃんとした巫女。 ・アベルカイン:勇者。マリアベルの妄想世界知らない。かわいいしかっこいい。 ・メメントモリ様:死の神様。マリアベルの内面が見える。ツッコミ役。 という構成で、メメントモリ様がとにかく不憫。「はううううううん!」だのを始終見せられつつ、巫女としてはしっかりしているので叱るに叱れない。しかもマリアベルを見ているうちに語彙がいつの間にか汚染されているホラー。話が進むにつれてどんどん不憫キャラが立ってきていて、どこまで染まるのか楽しみな神様です。 アベルカインが攻略対象として良い男子なのもポイント。素直さ、強さ、死地を求める危うさなどなど兼ね備えていて、登場時からかわいいしかっこいいです。マリアベルが狙っちゃうのも理解できる。マリアベルの婚活戦略が実を結んできて、次第にマリアベルに傾いている様子にはニヤニヤ、アベルカインには最後まで気づかずいてほしいです。 この3人のメインキャラに他の巫女や勇者が絡んでくる旅路が楽しくないわけがなく。旅路はまだまだ道半ばで、今一番楽しみにしている連載です。コミカルなお話好きな人にお勧め、笑えるので出先で読むのは危険。今後シリアス分が増してきても、マリアベルにはこのままでいてほしいです。 <最近読んだ本> ◆ おこぼれ姫と円卓の騎士 君主の責任 (石田 リンネ/ビーズログ文庫) 【amazon】 ノーザルツ公がかわいい! 一押しキャラのノーザルツ公が見せ場たっぷりで個人的においしい巻でした。一番良かったのはやっぱり終盤。レティのこと心配してきてくれるノーザルツ公を見てると、その後の呼び方云々の怒りにも照れ隠し混じりに見えてニヤニヤ。もちろん借りを作ったことに対する反骨心や、本気で呼ばれたくなくてツンツンしてる気持ちもあるんでしょうけどね。かわいいとは程遠い人ですけども、この態度はかわいいと言わざるをえない。関係が一段落して出番減っちゃうのが心配ですが、今後の活躍も期待。 ストーリーも面白かったです、目指すものを決めて進むレティが相変わらずかっこいい。ノーザルツ公捕まったあたりが立ち回り上手くなっているように感じられて好きです。恋愛面はレティが愛人王回避のために頑張ってますが、愛人王を避けるために1人だけ選ぶオチがくるんじゃないですかね。ないか。 王の間の登場が少ない中でフォルカーの発言が意味深。謎たっぷりですが、「彼」がこの時代に出てくることもあるんでしょうか? 黒幕は消去法でアルトールっぽいのは見えてましたが、さてここからどういう展開になるか、続きも楽しみ。アルトールもアナスタシアも騎士候補なんでしょうね。ヴィクトルはさすがに立場的にまずいでしょうが。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 小夜しぐれ みをつくし料理帖 (高田 郁/ハルキ文庫) 【amazon】 7巻で叫んでいる人を多数見かけたので、8巻発売日決まるまで積んでおくチキンプレイをしていました。ようやく決まったので手をつけた、みをつくし第5巻。 小松原様がべた惚れだ! 最後の小松原様視点が新鮮でした、ここまで澪のこと強く想っているとは。お菓子と澪を重ねる想い方が面白いなあ。家族もいい性格していて、2人を後押ししてくれる存在が増えたのは何より。ただ、依然として距離は遠いし、絶対澪にはさらなる過酷が待っているんでしょうし。過酷が恐ろしいものでないことを今は祈るのみ。 残りのお話は切ないものが多め。勘違いや一部キャラの暴走など苦手だなと思う展開もあるんですが、それでも各人が苦しんでる展開は切ないし、食べ物に込められた想いに癒されます。源斎先生はなんだろう、素直に考えると体調の問題ですかねえ。 澪視点の中では野江ちゃんの話が好きです、食べてほしい料理と、野江ちゃんのかっこよさ。そして、いきなり目の前に開かれた道の誘惑が大きすぎて。ふらっと傾いて、罰が当たったと考える澪の心境が辛い。上にも書きましたけど、絶対さらなる叩き落としが待ってるんですよね、雲外蒼天ですものね……。何が起こるか恐れながら6巻へ。 評価 ☆☆☆(6) |
5月20日(月) |
<最近読んだ本> ◆ 身代わり伯爵の告白 (清家 未森/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 最後のリヒャルトかっこいいな! 今まではミレーユの暴走に翻弄されてる面もありましが、プッツンして本気になってミレーユを救いにいくリヒャルトには、これまでより一段も二段も上のかっこ良さを感じました。おまけにミレーユが今度こそピンチだから、ラストの突入描写が映える映える。次がシアラン編のラストということで、これは正統派ヒーローを期待していいんですよね? 楽しみ。記憶失ってもミレーユはミレーユで、偶然でっかい音たてて記憶取り戻しそうな気もするんですけどね。 フレッドさんはやっぱり布石打ってましたか、そりゃそうですよね。逆にウォルター伯爵に小物感が出て来ましたが、こっちにはまだ何か裏ありますかね。妙に不敵な態度な割に情報は出尽くしてて、いまいちどっちに転ぶか分からない。ラスボスは大公として、次がラストってことはキリルについてははシアラン編では決着つかないのかな? 妙に印象的だったのはユーシスの不憫さ。ヴィルフリートあたりはうっかりミレーユに惚れたための不憫で自業自得なので不憫度合いが薄いんですけど、ユーシスは仕える相手と同僚が……。このシリーズで一番不憫なのは暫定でユーシスだと思います。頑張れ。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 昨日まで不思議の校舎 (似鳥 鶏/創元推理文庫) 【amazon】 シリーズの中では珍しく怖さを感じる巻でした。いつもは柳瀬さんかわいいなあと言いながら日常の謎を楽しんで読んでいるんですが、今回はホラーチックなところがあったり、殺人事件とも絡んだり。謎が明かされる終盤はゾクリとくるものがありました。 とはいえ、基本的には柳瀬さんかわいいの一言で終わるんですけどね。積極的にイチャイチャする柳瀬さんや嫉妬する姿勢見せる柳瀬さんかわいい。謎解きストーリーが個人的には今回いまいちだったんですが、柳瀬さんと葉山君だけで楽しめます。 ラストは一味違う葉山くんで、大人びていくのを見るのが青春物として面白い一方で、もっとイチャイチャを見ていたい思いも。流れ的には、葉山君告白で柳瀬さんに振られる展開がありそうな気がしますが、さてどうなるでしょう。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 魔道士の研究日誌 ハチミツよりも甘い恋? (かい とーこ/一迅社文庫アイリス) 【amazon】 落ち着くところに落ち着いた最終巻でした、恋愛面は前巻までで割と勝負ついてた気はしましたが案の定。あっさりだったのは少し残念でしたけども、エヴァルを意識してるリゼットはかわいかったのでよし。 今回、リゼットの内面描写が多かったためか、地の文の理屈っぽさが目立っていた気がします。かいさんの地の文では珍しくちょっと苦手に感じました。いつも独特ではあるんですが、苦手に感じるのは最初期のころ以来かも。 あとはセルティスとマルティナが良い王族カップル。変人女装王子に恋人がいるっていうのがまず意外でしたし、二人とも変わり者で、振り回し振り回されの関係で、お互い好き合っているっていうのが、風変わりかつお似合いで気に入りました。セルティス1巻では好きじゃなかったですけど、まさかの好感度アップでした。 評価 ☆☆☆(6) |