7月15日(月) |
7月初更新……。旅行に行ったり、ちょっと家での時間があまり取れなくて間隔空いちゃいました。そろそろ通常化します。 <最近読んだ本> ◆ 英国マザーグース物語 花咲けるきみと永久の歌 (久賀 理世/コバルト文庫) 【amazon】 前回とんでもないところで引いていた、「英国マザーグース物語」の最終巻。 素晴らしい最終巻でした。気になっていた前巻の引きは、クリストファーの発作予想は当たり、ただしレナードの援護は見抜けず。絵のアシストといい、レナードはできる人でしたねえ。 2人仲直りする場面では、卵の比喩が素敵でした。壊れるものからの「もっとすてきなもの」で雛鳥っていうのがうまい。他にもこのシリーズ、言葉選びがいいなというところが随所にありました。 凄かったのがロンドンに戻ってから。2人の様子が甘すぎてごろごろと転がりました。ジュリアンは自重しないでセシルに迫るし、セシルはセシルで直球発言するし。そりゃセシルも困るしジュリアンも困りますよ! 思わせぶりを「難しそう」というセシルがかわいすぎました。 事件はマザーグースを絡めたミステリ仕立てで、最後の方まで解決が見えなくてハラハラさせられました。このシリーズはミステリとしても面白かったなと面白かったと思います、8つってところが怪しいと思ったのに気づけなかったあたり、ちょうどいい難易度のライトミステリでした。 最後はアッシュフォード一族が最強でしたね。そして、締め方がロマンチックでした、とてもロマンチックでした! マザーグースの知識は全然もってないし、詩にときめくことってあまりないんですけど、イラスト効果もプラスされてときめき一杯でした。ジュリアンかっこいい。 男装設定に釣られて読みだしたシリーズですが、とても良い少女小説でした、この巻数で終わるのは寂しいですが満足。来月のコバルトに中編が載るらしくて楽しみです、増えたアッシュフォード一族は是非見たかったので! 評価 ☆☆☆☆★(9) ◆ 七回死んだ男 (西澤 保彦/講談社文庫) 【amazon】 ずっと前からタイトルは知っていて気になっていた本。空港の本屋にて機内で読む本物色してて、目に留まったので読むことにしました。 やられた感たっぷりで面白かったです! 「1日を9回繰り返す」事態に時々陥る、という不思議な能力をもった少年が、祖父の殺人事件が起こる日を繰り返すお話。ループ物大好きなので、この設定だけで面白さを割と確信。最初の章タイトルからして「主人公は設定を説明する」で、ループのロジックがメインなんですよアピールがされていたのも確信を増幅してくれました。 で、実際面白かったわけですが、その要因の1つは主人公の語り口・性格。ループ何度も経験しているだけあって、どこか厭世的な落ち着きの持ち主で、でも高校生だけあって時々歳相応の幼さも見せてくれるのが面白い。失恋にショック受ける姿あたりかわいかったですし、事件を解決しようと奔走する姿は庶民的で共感しやすくて、主人公目線で事件追うのが楽しかったです。 もちろん事件の構成も面白かったです。殺人事件が起こって、それを主人公が止めようとするんですが、1つ原因を止めると何故か別方向から殺人事件がまた起こる。この謎の修正力がどうなっているのかという謎の見せ方が上手かったなあ、と。 繰り返しが終わった後の種明かしは、やられた感一杯・悔しさ一杯。いくら私にミステリ読みの力が足りてないといっても、ループ物好きであれこれ読んでるんだからもう少し見抜けてもいいと思うんです。でも宗像さんのこと気づけてない時点でもう駄目駄目。違和感あっても、ループしている人が2人以上いるというとんでも理論を考えてました。理詰めで納得できる種明かしだっただけにほんと悔しい。 西澤さんは初読みでしたが、読了報告をしたら色々とお勧めをいただきました。まずは「人格転移の殺人」と「タック&タカチシリーズ」を読もうと思います。な、なるべく早く。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 身代わり伯爵の花嫁修業1 消えた結婚契約書 (清家 未森/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 身代わり新章の1巻目は、あっまーーーーーーーい!!!! 想いが通じ合ってミレーユの抵抗がなくなったら、そりゃこうなるのは自然なんですけど、それにしても甘い。ミレーユも天然ですし。子作りとかもうどうしようかと。出先で読むの辛いですよ! パパストップがかかって、ようやく落ち着いて読めるようになりました。我慢するリヒャルトはかわいそうではありますけど、パパありがとうの気持ちの方が強いです。 ストーリー的にはコミカルに戻ってミレーユ成長編、でしょうか。結ばれるまでは行き当たりばったりすぎると思ったことも一度や二度ではなかったですけども、少しだけ落ち着いたかなという印象を今回受けました。結婚までにどうなるかを見守ることにします。 キリルはやっぱり勘違いっぽいので諦めましょう。フレッドはやっぱりセシリア様なんですね、前巻でそういう描写なかったのがやっぱり引っかかるんですけども、セシリア様ルートいってくれるなら楽しみに待ってます。 評価 ☆☆☆★(7) |