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 1月26日(日)

メルフォレスです。

>『積んでいる本があるのにおすすめ募集していいんですか(笑)』の方

そ、それはちょっと思いましたけど、そんなに沢山は来ないだろうし、今更1冊や10冊先に読む本が増えても変わらないと思いまして! 先週もKindle70%引きセールに釣られて、Gosick残り全巻など20冊くらい買いましたからね。10冊なんて誤差です。
お勧めありがとうございます、「ベリーカルテットの事件簿」は気になりつつ手にとれてなかったので、早速買って読んでみます。
お祝いメッセージもありがとうございました!



<最近読んだ本>

東京レイヴンズ9 to The DarkSky  (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)amazon
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さっすがあざのさん、面白かった!

2巻以来全く感想書いてなかったレイヴンズですが、水面下で読み進めてまして、一部完まで辿り着きました。感想書いてなかったのは、夏目の性格があまり好みじゃないのと(特にラブコメモードのとき)、陰陽師苦手のためにバトルに完全燃焼できないのとで、中盤の巻が期待値ほど楽しめず、「じゃあ電子書籍で全部購入済みだし、まとめて書こうかな」となった次第です。

そうしたらさすがあざのさんですね、後半の巻、特に8巻9巻と凄かった! これまで張られてきた伏線でガツンガツンと読者を驚かし、登場人物全てを有機的に動かして物語の熱を高めていくのが見事という他なく。ちょっと9巻は色んな人に滾った場面が多くてとても挙げきれないです。1個だけ挙げるならコンの弁舌かな、あの場面での盲点を突きつける快刀乱麻っぷりに痺れました。ずっとコンがヒロインズの中では一番気に入ってたのでなおさら。後半のコンの伏線にももちろん気づいてなかったですし、はー面白かった。

9巻最後の流れも完璧ですよ、なんてワクワクさせてくれる第二部への繋ぎ。呪術に絡めた描写が美しい。二部読むの楽しみです。

評価 ☆☆☆☆★(9)



りんご畑の樹の下で (香山 暁子/コバルト文庫)amazon
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長いこと積んでたコバルトの1冊。これは香山さんだからと買っておいたものだったはず。先日のTwitterでの少女小説紹介TLで名前が挙がっていたので、今が機だ、と手にとりました。

りんごにまつわる3つの短編を収録した短篇集。3つとも時代が異なっていて結構毛色が違うんですが、どれも素敵なお話でした。以下はそれぞれの感想。

『楽園の二人』
近世のイギリスが舞台、男に騙されて行き場がなくなった女の子が幼い頃の結婚の約束を頼りに田舎にいったら、そこには別人の堅物男が住んでいて……、というお話。橘香さんとかが書かれていた時代のコバルトだなあと思える、コメディ寄りのラブロマンスでした。いけ好かない相手と生活するうちに別の一面も見えて――というコミカルな甘酸っぱさもあったし、希望を失ってもまた進んでいくんだという力強さを感じられる一面も良かった。家族が訪ねてきて何とか関係をごまかそうとするときのスラップスティックな展開も楽しかったです。

『りんご畑の樹の下で』
表題作で、香山さんのデビュー作のようです。昭和初期の田舎の女学生たちのお話。生意気なお嬢様を見返すためにお茶会を成功させてやるぞー、とお嬢さん方が苦闘する様子がとっても楽しい。「すとろんぐ おあ うぃーく?」の台詞がこの作品を半分くらい象徴していると思います。
そしてもう1つの軸としてあるのが、元気な主人公と東京からきている一匹狼気味な子の百合テイスト。一緒にいるときの喜びや切なさ、大人や時代に振り回されるやるせなさ、そんなものには負けまいと戦う心、色んなものが詰まっていました。それに加えて上で挙げたキラキラした学生生活も描かれてましたし、少女時代をギュッと濃縮した話に感じられて、3作の中でこれが一番気に入りました。

『雨の日はブラームスを』
高校生の女の子がりんごの精にとり憑かれて、その精の目的はある人物への復讐で、というお話。りんごの精がかなり無茶苦茶な振る舞いをするので、最初は主人公かわいそうな面が強くて少し苦手でしたが、うまく雨降って地固まるな展開にもっていったなあ、と。りんごの精がいなかったら主人公の恋はうまくいってなかったと思えますし。音楽が恋する真っ直ぐさを思い起こさせる描写がまぶしかったです。

評価 ☆☆☆☆(8)




 
 1月20日(月)

本日でみりおんぐらむは10歳となりました。よく10年続いたものです。
サイト開設時に何書いてたんだろうとログを見てみたら、「未読が0になるまでは続けたいなぁ」という世迷い言を書いてました。それは無理だ。若いって無謀ですね。

10年を振り返ってみると、

 2005年くらいまで:少年向けライトノベル中心の感想サイト
 2008年くらいまで:少年向け少女向け混ざった感想サイト
 それ以降:少女小説中心の感想サイト

といった感じ。少女小説寄りになって5年経つんですねえ……。
まあいずれにしろ読書感想であり、ほとんど変わりないスタイルで続いてきました。レイアウトもほとんど変わらず、今では時代遅れなサイトとなりましたが、そんな中、日頃閲覧していただいている皆様、メッセージくださる皆様には、ただただ感謝。
ここ何年かは以前より更新頻度落ちてますが、本を読んでる限りはゆるゆると続けていきたいと思ってるので、よろしければ引き続きよろしくお願いします!

10周年企画で何かやろうかとも思ったのですが、感想書くだけのサイトなのでなかなか案が浮かばず。リニューアルも今更すぎですし。せめてもの新しい試みとして、サイト内検索をつけてみました、トップ絵の少し下に置いてあります。これも今更。
あと、今何かオススメいただけたらすぐに読むキャンペーンを開こうかと思います。ちょっとオススメ品を寝かすことが常日頃多くて申し訳なかったので……。もし何かありましたらこちらからお願いします。


<最近読んだ本>

(仮)花嫁のやんごとなき事情 円満離婚に新たな試練!? (夕鷺 かのう/ビーズログ文庫)amazon
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今一番好きなシリーズな仮花嫁第6巻、今回も楽しかった!

まず5巻に引き続き今回も、最初の2人のやりとりが楽しすぎました。悪女チャレンジなんてどうみても無謀なことしようとするフェルに笑い、はじまってみるとあっさりクロウの香りに安心している様子に笑い&ときめき、フェルの異様な可愛さに警戒しつつも堕とされるクロウにまたときめき。最初20ページだけでお腹いっぱいになりました。その後の予算攻防戦も楽しくて、もったいなくて1日1章ペースで読みました。

ストーリーは、作者の方がワンクッションと書かれているように大きな動きはなかったですけど、ユアンは真っ当な意地の張り方が好感もてたし、ジルフォード兄様も相変わらずハチャメチャな人で楽しい。
その中で伏線らしきものが色々と。他の方の感想読んで気づいたんですけど、兄様が裸(ラ)の行動を取らないのは、何らかの影響受けてる兆しかもしれないんですよね。弟が誰を指しているのか誤解させているのも怪しい感じだし。どこまで侵食がきているのか怖くなります。

そして最後がハイライト。旦那様いったー! フェルが酔ってるからとはいえよく言った! 台詞かっこよかった、特に一行空けのところが! お互いが秘密を抱えて痛みを覚える、絶妙な気持ちの交わらなさ加減が苦しくてキュンとなる。旦那様が望みを抱いて、フェルが最悪なところだけ覚えてて、さあどう転ぶのか、続きも正座して待ちます。

評価 ☆☆☆☆(8)



おこぼれ姫と円卓の騎士 伯爵の切札 (石田 リンネ/ビーズログ文庫)amazon
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騎士集めが本格化してきたおこぼれ姫第8巻。新キャラが何人か出てきた中で、ついに待望の侍女候補が! しかもかわいいだけじゃなく、芯がしっかりしていて度胸あって、こういう子好きです。レティの傍らとしても申し分なし。これでいて情熱的な恋する面もあるっていうんだから、再登場する未来が楽しみ。

新たな騎士2人はまた癖のある人たちですね。ウィラードはこんなに有能だとは、アイリーチェについてのスープの比喩が心に残りました。マリアンヌは過去に囚われすぎて最初はあまりいい印象なかったですが、救われてよかったなあと。レティを恋愛面で導ける人になってほしい。しかし、この世界の少年たちはヤンチャですねえ。自分は家出なんて頭にも浮かびませんでしたよ。
事件解決していく過程も面白かったです。このシリーズのストーリーは、毎回普通とは一味違う展開になっているのが好きです。今回だとナパニア国との関係構築を混ぜてるあたりでしょうか、お約束感を全然感じないんですよね。

で、最後に爆弾。なんでそういう望みの叶え方しますかねー! いやレティらしくはありますけども、好き勝手がそれって……! デュークもなあ、レティがそうするっていったら諦めそうだからなあ。周囲次第ですかね、でも何人かには今回意見求めちゃってるし、マリアンヌになりますかねえ。
伏線も最後に色々と。ルートガー発言があったし、マリアンヌの知ってた発言も冗談じゃなくて知識のようにも見えてくるから余計分からなくなる。この辺りは予想しても外れるの見えてるので、続き待っておとなしく驚きます。

評価 ☆☆☆★(7)




 
 1月19日(日)

最近Twitterの方で好きな少女小説を挙げるタグがあって、その流れで色々再読してました。で、昔大好きだった作品の面白さは、何年たっても色褪せないなと実感した次第です。ハーツや金色の明日あたりは、はじめて読んだのサイト開設前ですけどもずっと大好き。


<最近読んだ本>

双界幻幽伝 再会は一蓮托生! (木村 千世/ビーズログ文庫)amazon
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このヒーローがおかしい!

最近読み進めている「双界幻幽伝」の第6巻は、蒼刻さんの印象がガラリと変わる巻でした。珍獣の朧月に惚れているのは分かってましたけども、こんな朧月色に染まってるとは思ってませんでした。真面目に「桃まんもって迎えに」と言って周囲に引かれるのに爆笑。ただ、ここは読み手的にもそんなに違和感なかったんですよね。つまりは自分もかなりの少女小説脳ということですか。はい自覚はしてます……。

その後も蒼刻さんは全開でした、「あいつの美化が進み過ぎる」ってどんな禁断症状ですか。何がどうしてこうなった感満載ですが、甘さにニヤニヤできてごちそうさまです。
で、朧月も結構たくましくしているのにホッとして、無事再会でめでたしめでたしかと思ったら、まさかの娶る発言に「おおっ」と。このタイミングは禁断症状の反動もあるんでしょうけど、想い自体もそこまで高まってる印象を受けました。甘いのはオトキュンだけじゃなかったんですか話が違う! と思いましたけど、まだまだ紆余曲折あるんですよね、とりあえずはお兄様ですか敵は。

ストーリー的にも張さんの過去が明かされたり黄巾賊の背景もはっきりしたりと色々進展あったんですけど、今回は蒼刻さんのインパクトに完全にかき消されました。次で黄巾賊編は決着するようですが、どうなるのか。そして甘さはどこまでいくのか。最新刊がやばいという情報が入ってきたので、そこまで早めに辿り着きたいです。

評価 ☆☆☆★(7)



音狩り魔女の綺想曲 (斉藤 百伽/ルルル文庫)amazon
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かわいらしい甘さが特徴の斉藤さんの新刊、今回は最近の斉藤さん作品の中で一番好きでした。「音狩り」という音を箱にこめる力をもった女の子と、音楽馬鹿の変人王子のお話。最初は音楽しか見ていなかったのが……、というお約束パターンですが、一緒にいるうちに相手を信頼して好きになっていく過程が凄く自然で、気持ち良く恋模様を読めました。特に王子側の、自分の非を自覚した後の真摯さ、想い方が好きだったなあ。気持ちを自覚したリュリが、寝ぼけてユトの音を箱にこめたりするのも、この作品ならではの想いの表現でかわいらしかったです。

音狩りの力が政治に利用されかかったりと、設定がストーリーと綺麗に繋がっていたのも面白かったポイント、他作品よりもほのぼのな事件真相も良かった。あとは脇カップルも気に入りました、王女様の意地の張り方がかわいいし、目標のために動くヴィークも素敵な愛情行動。また次回作も楽しみです。

評価 ☆☆☆★(7)