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 2月25日(火)


<最近読んだ本>

ウィザーズ・ブレイン VIII 落日の都 〈下〉 (三枝 零一/電撃文庫)amazon
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はあああああああああああああああああああ!

3年待ったことについてまず書こうと思ってた気持ちを吹き飛ばしてくれるウィザブレ最新刊でした。読む前に高速で全巻再読して、真昼の行く末については想定できていたんですよ。でもそこに至る流れについては深く考えてませんでした、こうも打ちのめされる展開だとは。事態が錯綜する中で、各人が自らの信じる道に全力を尽くして、その結果どうしようもない流れが生まれて。止められない流れに、読み終わった後は虚脱感で一杯でした。
とにかくあと一歩が噛み合わず、理想に手が届かないのがただひたすらに悲しい。真昼らしくない細かい失策が多かったのは疲れだったんでしょう、ウィッテンは本当に大変なものを残しましたね、有効活用できる人間はもういないのかな……。
夢物語になってしまったけれど、真昼が質問をしたら沙耶がどう回答するかは見たかった。本当に夢物語になってしまったのが、振り返るだけでも悲しい。それと読み終わった後だと冒頭の回想も辛い。月夜のダメージもでかいよなあ、ずっと真昼を行動原理にしていたし。イルも立場がどんどん微妙になるだろうし、モスクワ組しんどい。

きつい展開の中でファンメイには癒やされました、あれはカイル君倒れた時点で読めてた。いつもは倒れ役でハラハラさせてくれるんですけどね。しかしファンメイはペンウッド教室の支援なしには辛いだけに今後が不安です。あとソフィーさんも。
祐一さんは、ついに来ちゃいましたかねこれは……。マリアの発言見てから、いつか来るとは思ってましたが。こればかりはファンメイにも治せないんでしょうし。生きてください。
相対的に何事もないのは飛空艇組ですか、ヘイズは戦闘における便利屋になってますね。組むとチートすぎるからですけど。クレアは真昼のメッセージを読んだんでしょうか、私的メッセージは読まないかな?

最後のサクラの宣言は何か裏の考えがあるんでしょうけど読めない。真昼のメッセージに一体何が書かれてたのか。ディーとセラが支えて欲しい。
あと2エピソード、次は南極で、その次はどこでしょう。悪魔使いに収束ってことで、最後は1巻に回帰していくのかなあという朧げな推測。破滅への流れは止まらなそうですが、願わくば最後はパーフェクトワールドに歌われている青い空の世界に、人と魔法士が揃って行き着いてほしいです。

評価 ☆☆☆☆★(9)




 
 2月22日(土)


<最近読んだ本>

ハーフ・クラウン 秘め公爵といばらの輪舞 (御永 真幸/コバルト文庫)amazon
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御永さんの新作ファンタジー。前作が大変好みで、雑誌掲載時の評判も良かったので楽しみにしてました。

これまた大変ツボなお話で面白かったー!
男子として育てられてきた王候補のユフィが、もう一人の王候補の青年ヴィンセントと仲良くなっていくストーリー。いやもう、男装っていうだけでも好きな設定なのに、ヒーローは王の対立候補で結ばれる運命にないという、これまた好きな設定。おまけにそのヒーローにだけに正体バレ、までついてきて、好き設定多すぎで序盤から小躍りしてました。大変良いものをありがとうございます。

で、設定だけではなく、しっかりお話も面白かったです。この手の設定だとその弱みにつけこまれて、な展開が割りかし多い気がしますが、この作品はそれとは真逆。知ったヴィンセントはユフィにべた惚れで紳士で、脅すどころか助けようとするし、一方でユフィは男前で恋愛脳が皆無でヴィンセントと友情を築こうとするし。その結果として生まれるヴィンセント不憫な状況が大変楽しかったです。ヴィンセントはずっと病弱で閉じこもってたせいか、それともべた惚れのせいか、ユフィに対する一挙一動が少年みたいに初々しいんですよね、これがかわいかった。

ユフィの性格が変わっているのも面白かったところ。竹を割ったような男前で、なのに女の子の服好きな面も持ってるのがかわいい。惜しむらくは恋愛脳が本当に欠けていて、最後まであまり甘くならなかったことですけど、その分不憫がたっぷり楽しめましたし、これはこれで良いものでした。全然意識されずに抱きつかれるヴィンセントほんと不憫。 全編に渡って楽しかったですけど、一番好きなのは最後の攻防かな。ユフィを必死に説得しようとするヴィンセントに手に汗握りました。失言しちゃったヴィンセントは誰も責められないですよ、超頑張ったよ……。

ユフィに仕える人々も、お嬢様大好きでみんな一癖あって良かったなあ、もっと出番欲しかったです。エリカの恋見たかったし、ジルノーラも裏に色んなエピソードがありそう。その辺含めて結婚後の2人が読みたいので続き出て欲しいです。

以下余談気味。評判良かった雑誌掲載版は全然違うと聞いて、古本で買って読んでみました。結婚後のケンカップルで本当に大違いでした、ヴィンセントが惚れてるのは同じですけど、こっちはそんな不憫じゃないですね。雑誌版も楽しかったですけど、文庫版の方が好みだったので変わって良かったです。

評価 ☆☆☆☆(8)



童話物語(上) 大きなお話の始まり (向山 貴彦/幻冬舎文庫)amazon
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10周年時にお勧めいただいたファンタジー。すぐ読むと言いつつ少し遅くなってすいません、私基準では早いということで……。

虐げられて育った女の子が、厄災を招くと言われている妖精と出会うところからはじまる物語。王道な開幕ではありましたが、ペチカのいじめられ方が半端なくて、序盤は読むのがなかなかしんどかった。誰も味方がいなくて日常的に殴られて、お母さんの写真だけが心のよすが、というのは辛い。特に働く礼拝堂の守頭が理不尽の固まりで、こういうキャラは存在すら苦手なので、早く出番消えてくれと思いながら読んでました。下巻でも出てくるんだろうなあ……。

そんな環境で育ったせいでペチカもかなり性格悪い子になってるんですが、この環境で育てばこうもなるよなあということがよく分かるし、読んでて嫌な気持ちにならなかったです。優しさを頑なに信じようとせず、でも騙されやすい姿にハラハラし、少しずつ心が解れていく様子にホッとしました。おばあちゃんとは再開してほしいです、守頭との再開はいらないんで。

お話の核であろう妖精のフィツは、最初は間の悪さ・空気読めなさで少し好感度低かったです。なかなかペチカを理解できないあたりは、フィツも幼いってことなんでしょうねえ。ペチカが逃げたと思ってしまったあたりは悲しかったけれど、虹を見て少しでも分かり合えたのが良かった。あとフィツについては死を感じるあたりの描写が真に迫ってるなあと感じました。下巻は妖精の存在の謎に踏み込むんでしょうね。全容はまだまだ見えてこないです、巻末歴史にある空白は妖精の仕業なんでしょうけども。

好きな場面はペチカが1人で森で暮らすシーン。動植物が満ちている中で伸びやかに暮らす姿に嬉しくなりました。動植物の描写が細かくて森の様子が伝わってくるのも良かったところです。
設定細かいのはそこだけではなく、巻末には世界設定の資料や歴史が数十ページも書かれていて、その緻密さに驚きました。歴史部分が結構な読み応えで面白かったです。ただ設定が緻密なためか、本文だけだと世界の様子が掴みきれなかったのが少し引っかかりました。ペチカのような子が産まれてしまい、移動は割と楽で、森がかなり肥沃で、どんな世界なのか全体像が掴めず。ペチカ視点だから仕方ないんですけど、外で描かれた世界が作りこまれてるからこそ、気になってしまいました。妖精とディーベの存在が大きそうですし、下巻でもう少し掴めるでしょうか、下巻もすぐに。

評価 ☆☆☆★(7)