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 1月11日(日)

明けましておめでとうございます(遅い)。
いやですね、読み納め・読み初めをしっかり済まして、三が日の間に更新する予定だったんですよ。そしたら面白い超長編オンノベがやってきてですね、以下略。正月のほとんどが潰れました。その長編オンノベは今月書籍化が決まっているので、出た時に感想書きます。

そんなわけでスロースタートになりましたが、本年もよろしくお願い致します。忘れないように、今年の最低限の予定を宣言しておきます。(※全部、去年の目標でした)

・「Gosick」を最後まで
・「クシエル」シリーズを最後まで
・「天冥の標」を最新刊まで



<最近読んだ本>

ゲームセットにはまだ早い (須賀 しのぶ/幻冬舎)amazon
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新年の読み初めはハズレを引かないようにすると決めています。今年は積んでおいた須賀さんの野球物をチョイス。

胸熱な野球ドラマでした!
地方の社会人チームの成長を描きながら、所属1人1人に焦点が当たっていく群像劇チックな物語。焦点が当たるのが、所属チームが廃部になったバッター、半ば強引に加入させられたマネージャー、控え捕手、年齢的に引退が近いキャプテン、ドラ1投手の元プロ、とバリエーション豊か。
この1人1人について、背景や悩み、野球への向き合い方などがリアルに描かれていて、チームの中で時に失敗しつつも何かを得ていく様に、胸が熱くなりました。どの人物の話も外れなく良かった。

印象深いのは、うまくいってると思っていたときの落とし穴の描写。尾崎の「投手をリードできて引っ張れるようになったんだ」となった矢先の痛烈なしっぺ返し、クニさんの『身体に限界がきたところに、さらに家庭も』という追い打ち。特に前者は読んでて盲点だったのでハッとさせられました。
あとは野球に魅せられていく描写も心に残りました。はじめは休日に嫌々だったのに、どんどん熱くなっていくマネージャー素敵。

妻帯者を除くと恋愛要素はなし。マネージャーが最初に出てきたときには「恋愛要素あるかなー」と期待しましたが、読了してみるとなくて良かったと思います。恋愛ありだったら凄くバランス悪くなってただろうと。悩みや夢に焦点を絞ったゆえの面白さだと思います。

総評、須賀さんの野球物なんて面白いに決まってる、ということで。野球興味0だと厳しいですが、世の中の野球ドラマや漫画を楽しめるくらいの知識があれば、これも楽しめると思います。昨年末に出た須賀さん作品も積んでるので、こちらも今年のどこかで。

評価 ☆☆☆☆(8)



災いの魔女と幸いの王 〜初めての暗殺、引き受けました〜 (河上 朔/一迅社文庫アイリス)amazon
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こちらは昨年の読み納めにチョイスした、「wonder wonderful」の河上さんのファンタジー。

しんどいけれど優しい、河上さんらしいお話でした。
不幸体質の魔女の女の子が主人公のお話。不幸体質主人公は河上さんがレガロで出された「楽園のとなり」を思い出しますが、こちらはヒーローの方も不幸体質で、楽しいシーンも多めのアイリスらしい作品に仕上がってました。

印象に残っているのは、アリシアとディカイユが2人揃って遭難しての日々。同じ体質の仲間と出会えて、2人が本当に嬉しそう・楽しそうな様子が伝わってきて、短い期間ながらキラキラ輝いていました。過去の不幸自慢とか、とても凄惨な目にあってきてるんですけど、話す姿が楽しさ満点で、こちらまで楽しい気分になりました。

不幸体質だけあって一筋縄にハッピーエンドとは行かず、えぐい手段で2人を引き裂こうとする悪役に憤りつつハラハラして読みましたが、真っ向勝負で未来を掴みとりにいったのが格好良く爽快でした。欲を言えばもう少し甘いシーンも読みたかったですけど満足。

河上さんの作品、派手さには欠けるところもあるんですが、どの話にも根っこに優しさが感じられるのが好きです。ウィングスの次号に作品が載るみたいなので楽しみ。

評価 ☆☆☆★(7)