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 3月8日(日)

あれ、一ヶ月空いてる……? ちょっと読書に割くリソースが落ちてて、1ヶ月で2〜3冊しか読めてないです。今回はオンノベもそんな手出してないです、せいぜいUnnamed Memory再読と本好き再読くらい……あれ、これが悪いんでは。再読禁止令!
あ、あと「黒蝶のサイケデリカ」という乙女ゲーに手を出してました。サスペンス色が凄い強く、小説読みにもお勧めの面白いゲームでした。主人公フルボイスは物語として読みたい人には最高ですよね。乙女ゲーでこういうのが遊べるとはいい時代。


<最近読んだ本>

螺旋時空のラビリンス (辻村 七子/集英社オレンジ文庫)amazon
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ロマンチックで凄く良かった!!

オレンジ文庫から先月デビューした新人さん作品。一言で紹介すると、仕事で過去に飛んだ青年が出会ったのは、椿姫となった幼馴染で……、というお話。時間物で幼馴染、これだけでワクワクして楽しみにしていました。

そうしたら期待通り、いや期待以上の面白さでした。まず挙げたいのが、物語の完成度の高さ。はじめのうちは幼馴染のフォースが何故過去にいるのか、そして仕事の対象となる商品を何故彼女が盗んだのか、謎が散りばめられててグイグイと惹き込まれ。そして話が進むにつれて、フォースが背負った悲しい運命と向き合うことになり、彼女を知るドキドキと切なさにまたグイグイと惹きこまれ。そこからも盛り上がりたくさん、設定もきっちりと活かされていて、構成もお見事。読んだ方の多くが「新人さんらしからぬ」と書くのも納得の出来でした。

で、一番好きなポイントは、冒頭に述べたようにロマンチックさ。時を越えて再会した二人が、運命に苦しむのが切なくて切なくて。これ以上は何語ってもネタバレなので語りませんが、本当に良かった。以下少しだけ反転です。
もう名前が分かったあたりからずっと素晴らしいんですけど、中でも終盤の二人の会話がもう。時をかけた指輪にときめき、アンヌマリーが頑なに拒否していた理由が分かったときにはうわあああああと叫びました。

いやー、時間物という贔屓目を抜きにしても良い作品でした。次回作も大変楽しみ。
しかし、オレンジ文庫は昔のコバルト世代が狙い撃たれてる感がやはりありますね、10年前にはコバルトで時間SFもたまに出てましたし。須賀さんあたりも書かれないかなとちょっと期待。

評価 ☆☆☆☆★(9)