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 4月25日(土)



<最近読んだ本>


好感度が上がらない (かなん/レジーナブックス)amazon
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ジルトかわいい! かわいい!

評判見て気になったので積んでおいた、Web小説書籍化ファンタジー。これも乙女ゲー転生系の一種で、義弟の好感度と好き・苦手な物だけが見える女の子が主役のお話です。タイトルの通り、義弟の好感度が0から上がらなくて、それでも仲良くしようと奮闘する物語なんですが、この物語、乙女ゲー設定はあくまで味付けです。メインは、お人好しの鈍感お姉ちゃんと、姉のこと大好きだけど素直じゃない義弟の、ほのぼのすれ違いニヤニヤです。

ツンデレな弟との恋愛話ってツボの一つなので、この設定だけでも一押しコースなんですけど、この義弟のジルトは今まで見てきた弟キャラの中でも特にかわいかった。心を閉ざしていた幼いころに受け取った優しさ、姉がお人好しすぎて目を離せなくて、そんな自分に苛立って素直になれないところ、好感度が0だと勘違いしている姉に全く気持ちが届かなくて苦労するところ、全部好きです。読者目線だとジルトが姉のこと好きなのバレバレなのに、リッカの方はひたすら勘違いしてて「姉と思ってない」を真に受けたりとか、もうニヤニヤ転がりながら読むしかない。シリアス展開も少しだけありますけど、基本的に家族や脇役含めて良い人ばかりなので、暖かい空気の中でほのぼのなすれ違いを堪能出来ました、ごちそうさまでした。

脇役のモモカも面白い存在でしたね、登場で驚かされた後は、ジルトのいいライバルキャラ。最後の色々ネタばらしで納得しつつ、姉妹それぞれが願った内容に心がホッコリして、いい読後感でした。リッカの料理運はモモカに吸い取られたんでしょうね……。

作者さんの別作品も読んでみようと調べたら、かなり昔に何作か読んだことあったという。お話増えてるので、そこから手つけてみます。

評価 ☆☆☆☆(8)




 
 4月19日(日)



<最近読んだ本>


アルバート家の令嬢は没落をご所望です (さき/角川ビーンズ文庫)amazon
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今月のビーンズ新刊、なろう発のweb小説書籍化作品。なろうで完結した頃に出会って凄い好きになったので、刊行予定に出たときには歓喜しました。

本で読んでもやっぱり楽しかったです! なろうで時々見かける乙女ゲーの世界に転生して〜という設定ですが、この作品の特徴の一つは主人公のメアリが嫌われお嬢様キャラを演じて没落を目指す点、そしてメアリがお人好しゆえにその行動が空回りする点。嫌われようという意気は凄い伝わってくるんですが、つい助けてしまったり、嫌味な台詞も全然相手に響かなかったり、とにかく上手く行かないのが笑えて楽しいんです。従者のアディからのツッコミが入り、それにメアリが怒り、といった気の置けないやりとりのテンポの良さも◯。

その楽しさを作り出すもう一人が、乙女ゲー世界でのヒロインであるアリシア。「元気一杯!前向き!天然!」を地で行く女の子で、メアリの嫌味が通じないどころか、好意的に受け止めるのが凄い。どんどんメアリに懐いていくのにはほんと笑いました。アリシアあってのこの作品だと思います、メアリよりも存在感あります。

ヒーローのアディは苦労性なイメージだったので、表紙見て「誰だこのイケメン!?」となりました。中身はそのままでしたが、「どこにでも着いていきます」発言はイラスト効果もあって倍かっこよかったです。身近すぎて伝わらない恋はやはり良いものですね、メアリにとってのアディの大切さも伝わってきますし。(にしても鈍すぎですけど)

パトリックもいい親友キャラ。メアリと認め合う関係や、メアリとアディの関係を応援する姿など、見所多いです。アリシアも合わせて4人でいる関係が大好き。そういう意味で書き下ろしは4人の関係もあり、暴走するアリシアあり、伝わらない甘さあり、と実に素晴らしかったと思います。

本筋のお話は1巻でひとまず終わってますが、恋愛ルートはまだこれから。恋するメアリと幸せそうなエディを見たいので2巻出てくださいお願いします。

評価 ☆☆☆☆(8)



仮面婚約のたしなみ 騎士と淑女のかけもち生活 (麻木 琴加/角川ビーンズ文庫)amazon
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男装と女装、両方楽しめて二倍おいしかったです!

設定だけで買うことを決めた、先々月のビーンズの作品。だって、「男装して性別を隠している騎士の女の子が、女装して国王陛下に近づくお話」ですよ。男装好きとしては読むしかないじゃないですか。
そして期待通りに楽しかったです。主人公のルディアは男装生活が板につきすぎて、女性としてはあれこれボロが出てやらかす姿がまず楽しい。一人二役しなければならず、あっちへこっちへと慌てふためく様はこの設定ならではですね、男装生活にもボロが出てくるのに笑えました。
そして国王のヴァイスに接するうちに惹かれていくのにニヤニヤ。本人はなかなかのレベルの鈍感ですけど、まあこれくらいはよく居ますね。ヴァイス確かに立派なので、尊敬と勘違いするのも分かりますし。

で、ヴァイスがまた良いヒーローでして。表紙イラストは俺様風ですけど、実態は孤独で1人で奮闘している王様で、真っ直ぐなルディアに惹かれるのがよく分かる。はじめて見せた笑顔のイラストが素敵。意外に純情なのも面白いですね、まさかの交換日記。ルディアがあんななので、じっくり心を伝えるといいと思います。ルディアなら過去も全部受け止めるでしょうし。

触れなきゃいけないのが同僚のラッツ。見事なまでの不憫枠です。女装したルディアに見とれるところとかお約束です。負け戦は決定してるので、あとはどんな風にこれから不憫を見せてくれるのか。ヴァイスより先に性別知ったりするとおいしそうですが。

終わりの引きがまた見事。どう誤魔化すのか気になっちゃうじゃないですか。続き楽しみです。

評価 ☆☆☆★(7)