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 7月5日(火)

もう7月……開店休業状態ですね。ちびちびと本読んではいますが、もう少し冊数読めるようになりたい。


<最近読んだ本>


おこぼれ姫と円卓の騎士 王女の休日 (石田 リンネ/ビーズログ文庫)amazon
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続きーーーーーーー!!

おこぼれ姫シリーズの最新刊、レティの休日編。このシリーズ、息抜き話もしっかり面白くて、今回もその通りでした。騎士たち勢揃い編と言い換えてもいいくらい、騎士1人1人にレティ楽しませようという思いがあって、見せ場もあって、シリーズファンにはなんとも嬉しいお話。ノーザルツ公、この企画にも付き合ってくれるのは懐が深いツンデレですね。レティも楽しそうで素敵な休日でした。

騎士の中で好きだなあと思うのはやっぱりメルディ。軍師としては素晴らしいのに色恋は何故こんなに残念なのか……軍師たるもの、そちらの知識も必要なのでは? と思ったりも。でも、アイリーチェとの会話の残念さ、アストリッドとの凸凹さ、たまらなく好き。このままで成長してほしい。

ちょっと驚いたのが、レティの気持ちが割と周りにバレていること。もうちょっと隠せているのかと思ってました。でも色恋沙汰不得手なレティと考えると納得かも。アイリーチェが感づいてないあたりは、年の功が必要ってことでしょうか。見守る目が暖かくていいですね。

その見守られているデュークとの恋は、レティがまた見事に斜め上にいきましたね。これで解決したつもりになっているのがレティらしい思考というか。逆にデュークに火がついて。お互いに祈るのは相手の幸せ、それを目指して、さあここから。楽しみですね!

で終わるかと思ったら、最後ですよ最後。だーかーらーフリートヘルム兄上駄目って言ったじゃないですかー! と皆叫んだでしょう。しかしこんな早く動くとは。メルディよく対抗した。さあここからどう展開するのか。あちこちにバラけた全員が活躍したら、傑作となる気がします。不吉な予言を覆すことを信じて。

評価 ☆☆☆☆(8)



シンデレラ伯爵家の靴箱館 乙女は新たな靴を履く (仲村 つばき/ビーズログ文庫)amazon
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歴史に残る少女小説でした、良かった!

靴箱館シリーズの最終巻。読んだの1ヶ月以上前なのですが、とても良いシリーズだったので今更ながら感想を。

前巻までで魔術師関係の決着はついていて、あとは結婚問題だけだったわけですが、この解決に至る道が本当に良かった。エデルとアランそれぞれが、真っ直ぐに自身の課題に向き合って答えを出していく。エデルは強くなったなあと改めて思いますし、アランも夢見るだけではなく、地に足着けて未来を見定めていました。祝福されるゴールに辿り着いた2人は実に幸せそうで、読んでいるこちらも幸せな気持ちになれて、この最終巻とても気に入りました。

一方で、このシリーズ魅力の1つである、アラン様による狂った恋愛アプローチも最後まで健在で笑わせてもらいました。ヒロインに対して「換毛期を迎えろ」ですよ。何でしょうこの言語センス、本当に凄い。本筋では真っ当なロマンスしてるのに、このぶっ飛び具合も同居していて、どちらの面も面白いという。また別の意味でも記憶に残る少女小説です。

悲しい存在感があったのが、指南本作者のレオンさん。何故あの指南本からアラン様というモンスターが産まれてしまったのか。何故アラン様と出会ってしまったのか。彼の自信はズタズタとなり、また挑んでは跳ね返され、という日々をおくるのでしょう。強く生きてください。

1巻から彼ららしいペースで気持ちを育みながら成長していく様子が甘くて暖かくて、靴を絡めた各巻の物語も心に響いていいなと思わせてくれるものが多く、近年になかなかないくらいに良い少女小説だったなあと思います。読んでいる長期シリーズが減ってしまうのは寂しいですが、次回作もお待ちしてます。

評価 ☆☆☆☆★(9)



シグザール警察特命官 まるで愛おしくない君とふたり (御永 真幸/コバルト文庫)amazon
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続きが読みたい!!

「ハーフ・クラウン」など書かれている御永さんの新シリーズは、警察官のバディ物。まずサブタイトルがいいですよね萌えますよね。この意見に賛同する方は是非読めばいいと思います。
左遷されたエリートと、閑職に1人きりだった少女が、少しずつ認め合っていくお話で、その距離感がいいんですよ。2人とも口が悪かったり意地っ張りだったりで不器用なんですけど、そんな中で見せる優しさや本音にお互い情が移っていって。そうして築かれた関係は、恋人には程遠く、相棒というにはちょっと甘いもの。コンビの対等さの中に、時折甘さが入り交じる。そういうのって萌えますよね(2回目)。イリスが敵と会話している最中に、ポロリとジークに対する気持ちが出るところとか好きだなあ。

そしてラストのやりとりがとてもときめき。ジークの優しさ、懐の深さに対するイリスの返答。この「約束」は良いです、甘くなくともロマンスですよこれは。イリスの事情もこれからが本番といった感じですし、恋愛もこれからですし、続きが是非出ますように。

評価 ☆☆☆★(7)