___10月15日(土) |
ジェノサイドになったかと見せかけて肝心のところでやらかしてくれるコバマサ様はやっぱり凄い人だなとおもいました。これで明日からの展開が全く読めなくなったなぁ。今日も打てなかった松中次第ですかね。 【今日読んだ本】 ◆ 法廷士グラウベン (彩穂 ひかる/講談社X文庫ホワイトハート) 【amazon】 《あらすじ》 法は力である 法は正義である 法は真理である ──3つの憲章を掲げ、公正・公明な裁判都市として誉れ高い街・エッラ。そこへ突然現れた美貌の法廷士グラウベン。市長の息子殺しの犯人として窮地に追い込まれた若者を救うことができるのか!?中世ヨーロッパを舞台にしたファンタジック法廷サスペンス。第6回ホワイトハート大賞《期待賞》受賞作!! 今日も元気に積読崩し、数年前のホワイトハートの期待賞受賞作は、なかなか珍しい法廷物。 法廷物のライトノベルといえば他にエルウィン・タクジャがありますが、純粋に裁判をメインとしたという意味ではこれが法廷物の代表作となるかな。なにせページの約2/3が法廷シーンです。でも、依頼人がきたのが裁判の前日なので地味な証拠集めなどはすっ飛ばすし、法廷には数千人が見物にくるというように、設定は完全に裁判を魅せるためのもの。半ば恫喝の形で証人から情報聞き出したり、裁判の途中で証拠探しに抜け出したりとかなりハチャメチャで司法にこだわりがある人にとっては受け入れられないかも。でもそれを気にしなければ、二転三転する裁判の行方に振り回されてなかなか面白かったです。真相が明らかになった時は「おおっ」と思わず唸りました。主人公グラウベンが超美形・法廷に出れば負けなし・変装も歌もお手の物、でも無名という超人設定なのはご愛嬌。 ただ、エピローグがかなり邪魔に感じました。本編で綺麗に終わっている余韻をわざわざ崩しているし、法廷ではとにかく罪を引き上げようとする極悪検察官にしか見えなかったフランチェスカが正義の万人ぶってるのがとても気に入らない。このせいで読後感が最悪で、本編と差し引いてもマイナスなのが残念でした。 あと、中世の街並みや時代背景の描写が裁判の舞台を整える以上に力はいっていて、著者の人はきっと中世大好きなんだろうなーと思ったり。ホワイトハートには中世好きな人が集まりですね。 評価 ☆☆★(5) ◆ 海馬が耳から駆けてゆく3 (菅野 彰/新書館ウィングス文庫) 【amazon】 《あらすじ》 「交際許可届け」を知っていますか? 菅野 彰のペンネームの由来は……? 「あなたが胸だと思っているこれ……、これは」――――「本当は天使なの」。菅野 彰の秘密がいっぱい……? そしてやって来た1999年、運命の年……。でも、恐怖の大王はやって来ませんでした――。笑いと笑いに満ち溢れる菅野 彰の愛すべき日常!! 「屋上の暇人ども」の菅野さんの爆笑エッセイ第三弾。 さすがに三冊目になってネタが切れてきたのか、既刊の二冊に比べるとネタの爆笑度は大分落ちるものの、それでも普通に楽しいエッセイでした。こういう楽しい旅行や食べ物の話を読むと、自分も体験したくなってしまうのが少々困り物ですが。スペインの食べ物おいしそう、アングラース(ウナギの稚魚)とか食べてみたいなぁ。 評価 ☆☆☆(6) |
___10月14日(金) |
報告受けたので、毎度お馴染みの昨日のリンク切れ修正。 2、3日前から体調崩してるんですが、毎年季節の変わり目に体調崩している気がして去年のログ見たら、きっかり1年前に風邪引いてました。少しは学んで体調管理くらいしろ自分。 で、ついでにログ眺めていて今カウンタいくつくらいなのかなと久々に確認したら、 またとんでる_| ̄|○ だから少しは学んで(略 というわけで数値修正&カウンタ変更。9だけ色が違う仕様ともこれでおさらばです。 【今日読んだ本】 ◆ 塩の街 wish on my precious (有川 浩/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。 塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。 男の名は秋庭、少女の名は真奈。 静かに暮らす二人の前を、さまざまな人々が行き過ぎる。あるときは穏やかに、あるときは烈しく、あるときは浅ましく。 それを見送りながら、二人の中で何かが変わり始めていた。そして――「世界とか、救ってみたいと思わない?」。 そそのかすように囁く男が、二人に運命を連れてくる……。圧倒的な筆力で贈るSFラブ・ファンタジー! 「空の中」「海の底」とハードカバーで頑張っている有川さんのデビュー作。これ読み始めてから「海の底」積みっぱなしなことに気づいて、宝島のアンケート出す前に崩しとくべきだったかなぁと思ったりしましたがそれはさておき。 あれれ普通に面白い、なんでこれ発売日に買わなかったんだろう。「人が塩になって死ぬ」ようになった世界の静かな終末の雰囲気が抜群によく、ちょっとした事件を通しつつ秋庭と真奈2人の暮らしを描いた前半部が素晴らしい。後半自衛隊の描写に力入れすぎて前半とのバランス崩れちゃってるのは著者の好みなんだろうなぁと苦笑しつつも、そこでのぬるめのラブストーリーも嫌いじゃないです。恋自覚して頑張る女の子というのはやっぱりいいものだなぁ。秋庭は典型的な言葉足らずで自己犠牲に突っ走るタイプの男であまり好きじゃないけれど、悪役の言いくるめのおかげで思いとどまったのでよし。締めがあっさりしすぎだったのが残念ですが、好き嫌いで言えば「空の中」よりこっちの方が上かも。さっさと海の底も読もう。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 寒椿の少女 (紗々 亜璃須/講談社X文庫ホワイトハート) 【amazon】 《あらすじ》 初冬、墨色に沈む寒村は、1つの話題で沸き立っていた。村一番の美少女で、村一番の商家の養い児・暁春の婚礼。しかも相手が都の豪商で、50も年上の男の後添いとあっては!!──しかし、悲嘆にくれているはずの暁春の様子はいつもと変わりなく、相変わらず生意気な姫育ちぶりを発揮していた。(生きている限り、幸せになってみせる!!)驕慢(きょうまん)にさえ見える少女の微笑みの意味は!? 新世代中華ファンタジーの白眉!! 結構昔のホワイトハートの仙人なんかも出てくる中華ファンタジー、紗々さんの作品読むのは今回で2冊目。 これは拾い物。とにかく主人公の暁春が大層気に入りました。「駆け落ちして貧乏暮らしするなんて無理、それなら60過ぎた男と結婚した方が幸せになれる」と本心で言い放つ変わり者、嫌味を言ってきたり諭そうとする周囲の人間をバッサリと言い負かす才知を持ち、心の奥には強く家族を想う気持ちがありながらも普段はそれを見せることない芯の通った娘で、かわいいしかっこいいし最高。ぶっちゃけストーリーラインは甘い所も結構あって、伏線分かりやすすぎたり最後バリバリにご都合主義だったりするのだけれど、そんなもの全て吹き飛ばすくらいにラストのハッピーエンドが気持ちいい。うん、少女が強く真っ直ぐ生きる話は「幸せに暮らしました、めでたしめでたし」で終わるべきですよね。いい話でした、満足満足。 評価 ☆☆☆★(7) |
___10月13日(木) |
各所より書評右翼・書評左翼。☆使ってるけど左翼のつもりなのでチェック(長いので別ページ)してみたら、ちゃんと左翼寄りになって安心。自ら地雷踏みにいったりはしないのです。 【今日読んだ本】 ◆ 吉永さん家のガーゴイル4 (田口 仙年堂/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 目覚めると、落下していた!? 和己は、謎のアイテム「記憶発掘装置」で3日間も眠ったまんま、そろそろ起きないと死んじゃいそうなイヨを起こすことに。装置を使い、ガーくん・双葉と彼女の意識内に潜り込むが、気づくとそこは昭和2年の日本!? 着くなり、一同は錬金術師の東宮によく似た青年に出会って驚き、その親友というフンドシ一丁の男に面食らう。更に彼らの仕事部屋にはガーゴイルと瓜二つの石像が――これ一体どういうこと!? 今月は買う新刊少ないので気合いれて未読崩し。まずはホームコメディ「ガーゴイル」第4巻。 読み始めた時は「えええこのご町内シリーズでタイムスリップなんかして大丈夫なの?」と不安に思ったりしたものの全くの杞憂、今回も安定して楽しめました。過去にいっても双葉は豪快で、ガー君は吉永家の守護者で、和己は女の子に間違えられる、つまりいつもと変わらないってことです。……和己ってかわいそう。ここまで間違えられるなら、兎轉舎の道具で女体化か双葉との入れ替わりが見てみたいなぁ。女らしくなった双葉と豪快な和己、入れ替わりがここまで映える設定はそうそうないんだけれど、既刊にはないみたいです、残念。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 王の眠る丘 (牧野 修/ハヤカワ文庫JA) 【amazon】 《あらすじ》 少年戌児が住む流民の町"灰かぶり市"は一夜にして壊滅した。強大な権力を持つ黄武神皇が支配する帝国"霊ノ国(ひのくに)"の軍隊が町を襲ったのだ。復讐を誓う戌児たちだが、神秘の力に守られている神皇を倒す手段はたったひとつ。馬奴と呼ばれる獣を操って超長距離を走り抜く大陸横断レース「大耐久馬奴走」を完走しないと、神皇のいる天府に入ることができないのだ。少年の成長と戦いを瑞々しい筆致で描いた異世界ロマネスク。 積まれている中から適当に手にとった、牧野さんのデビュー作の文庫化されたもの。 うーん、これはもったいない。町を滅ぼされたことへの復讐と、馬や甲虫に乗っての大規模ラリーとを絡めた王道ストーリーで、一部の脇役、特に兎女が影薄すぎでもっと活躍させてほしい、など不満だった点もあるんですが、前半の町の暮らし〜滅ぼされるまでの描写が丁寧で復讐したいという戌児たちの気持ちに素直に共感できるし、砂漠超えなど耐久レースの過酷な様子、レースを通じての戌児たちの成長、ともにしっかり書かれていて終盤までは面白かったです。これで天国から地獄へと叩き落すラストの超展開がなければ……。普通に終わって何が悪いんだー。せめてこれやるならページもっとかけてほしかったですね、戌児の変貌っぷりが説得力0で納得いきませんでした。 評価 ☆☆★(5) |
___10月12日(水) |
昨日の更新アップし忘れてた_| ̄|○ 【今日読んだ本】 ◆ ブルースカイ (桜庭 一樹/ハヤカワ文庫JA) 【amazon】 《あらすじ》 西暦1627年、ドイツ――魔女狩りの苛烈な嵐が吹き荒れるレンスの町で、10歳の少女マリーは〈アンチ・キリスト〉に出会った……。西暦2022年、シンガポール――3Dアーティストの青年ディッキーは、ゴシックワールドの昏い眠りの中、絶滅したはずの“少女”というクリーチャーに出会う……。そして、西暦2007年4月の日本。死にたくなるほどにきれいな空の下で……。3つの箱庭と3つの青空、そして少女についての物語。 大ブレイク中の桜庭さんの最新刊は、「つながり」を描いた物語。 中世の魔術めいた世界を濃密に描写し、SF的な謎もほのめかした第一部を読み終わった時は、これは傑作かもしれないと思った。舞台を未来にうつした第二部、少女観よりAIとか別方向に重き置いてほしいなと思いつつ、まだまだ面白かった。そして第三部で……絶望した。どうやら桜庭さんの書く現代少女は自分にはとことん合わないみたいです。ソラの思考が全くもって分からなくて、その視点から語られるテーマもやっぱり分からない。「砂糖菓子」「荒野の恋」そしてこれと巻を経るごとにどんどん洗練されていって、でも自分の波長からはどんどんずれていく、そんな感じ。「赤×ピンク」の頃の不安定さが好きだったなぁ。 最近の既作が好きな人は楽しめ、そうでない人はアウトという意味で分かりやすい作品ではありますね。前半部は楽しめたのでよかったけれど、もうしばらくは桜庭さんの作品は買わないと思います。 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 天に高く地に深く (nuko) |
___10月11日(火) |
【今日読んだ本】 ◆ 世界の中心、針山さん (成田 良悟/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 埼玉県所沢市を舞台に巻き起こる様々な出来事。斧男が巻き起こすベッドの下の都市伝説、いきなり天井を破って舞い降りた魔法少女、自らを勇者と名乗る住人たちが忽然と消えた孤島、そして、様々な人々が絡み合う悲劇の結末──。それら全ての事件には必ず一人の人物が絡んでいた。その人の名は針山真吉。憎めない顔をしていて、眼鏡以外にほとんど特徴のない普通の人。四人家族の主。そんな彼が何故に毎回事件に巻き込まれるのか? 果たして針山さんとは何者なのか? そして、世界の中心には何があるのか──!? 人気イラストレーターコンビで贈る短編連作、文庫化決定! 群像劇ばかり書いてきた成田さん初の短編集。 これまでの作品は登場人物多いほど面白かったので短編集はどうかなと思っていたんですが、意外なほどよかったです。都市伝説の怖さを出しつつ二部構成で綺麗にまとめた「としれじぇ」は普通にうまい短編だし、「魔法少女893号」は一言で言うと「銀島さん強すぎ!」で終わるんだけど、通常の魔法少女物とのかけ離れ方が面白く、サマーの可愛さと話の勢いが魅力的。成田作品初のバッドエンドの「拝啓、光の勇者様」も、確かに悲しい話なんだけれどタイトルの部分などなかなか味があってよかったです。 ただ、書き下ろしの短編はこの作品にはいらなかったんじゃないかなぁ。それまでの3つの短編のキャラ勢揃いの群像劇で面白いことは面白いんだけれど、3つの短編全てきちんと終わっているので、正直蛇足感がぬぐえませんでした。それでもこの作品で成田さんの新境地が見えた気がするので、今後の作品も楽しみです。 評価 ☆☆☆★(7) |
___10月10日(月) |
今日はこれに行ってきました。こういったオーケストラに行くのは数年ぶりな上、管楽器や弦楽器の種類すらよくわからない素人なんですが、このような場で本来流れるわけのない好きな曲が弦や管で生で演奏されるというのはいいものですね。「☆☆☆☆☆☆」サイコー。序盤「あれっ?」と思うところもあったけれど中盤からはクオリティ高かったし、第2回があるなら行こう。 【今日読んだ本】 ◆ 鏡のお城のミミ 乙女はゆりかごを揺らして (倉世 春/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 エリックと引き裂かれ、カンタン王国に戻ったミミ。失意のミミを見守るソフィー王妃と昔馴染みの少女クー。ミミは王妃の生んだ王子をめぐる陰謀に巻き込まれるが、王妃を守る騎士も現れて…。 ミミ第11巻は、王妃の産んだ、王の子かどうか分からない黒髪の王子をめぐる物語。 原点である王城に戻ってきたミミ、もはや最初の頃とは全然違う話になってきたけれど、これはこれでやっぱり面白いですね。クーやフィディルといった久々の面々を交えつつ起こる王子真贋&誘拐騒動、そしてカンタン・カルノー・マルグリット・クロティルドの関係は静かに変化する。その変化の中心近くにいるのに、ミミは頭がよくない上に行動力もどことなく中途半端でかっこよさ等はないんですが、ミミのおかげでシリアス一辺倒にはなっていないし、自分なりに頑張ってるミミを見るのは楽しいですよ。今後はリヒャルトがキーマンになってくるのかな。馬鹿なエリックはどうやらまた馬鹿なことをしているようですが、今後もどうなるか楽しみ。 評価 ☆☆☆(6) 【今日購入したもの】 悪魔の皇子 ブラインド・ソーサリー (深草 小夜子/角川ビーンズ文庫) |
___10月9日(日) |
昨日の痛手を癒すために銀盤1、2巻を再読。やっていることはほとんど同じなのに、受ける印象がこんなに違うとは。アニメ向きじゃないからコメディ調にするのはしょうがないとして、作画とかもうちょっとなんとかならなかったのかなぁ。 【今日読んだ本】 ◆ 空ノ鐘の響く惑星で8 (渡瀬 草一郎/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 タートム侵攻の報を受け、国境に先行したベルナルフォン。兵力で勝るタートムの軍勢を相手に、善戦するアルセイフ軍だったが、その裏にはある“特殊な部隊”の活躍があった。遅々として進まぬ戦況に、タートムの将軍カルバイの要請を受けたシズヤ率いる裏切りの暗殺者達がついに動き出す! 突如現れた“空からの刺客”に撤退を余儀なくされるアルセイフ軍。さらにベルナルフォンはその責を問われるが、その時、援軍として現れたのは──!? 数奇な運命に翻弄される少年・少女達。その裏で、国を守る男達のもう一つの戦いが始まる──! 人気シリーズ第8弾!! 刊行ペース優良ファンタジー「空鐘」第8巻は対タートムの国境防衛戦。 今巻は完全に別メンバーなのかと思っていたら、フェリオ達も普通に登場してました。冒頭は前巻の続きからはじまるもののメインはタートム戦。新キャラの老将や敵将が渋くてかっこよく、純粋に戦記として面白かったですね。しかし新再含めてまた随分キャラ多くなったものだなぁ……。 でも、リセリナ派としては今回の話はあまり歓迎できないです。フェリオ鈍感すぎだろてめー、っていうのもあるんですが、話の流れがリセリナにとってのバッドエンドに向いているようにしか思えない。フェリオとリセリナが結ばれる図が想像できませんよ_| ̄|○ 三人の関係がこれからどうなるかまだまだ見えないけれど、三人ともに幸せな未来が待っていますように。 評価 ☆☆☆★(7) |
___10月8日(土) |
銀盤……_| ̄|○ 【今日読んだ本】 ◆ 裏庭で影がまどろむ昼下がり (縞田 理理/新書館ウィングス文庫) 【amazon】 《あらすじ》 ロンドンの下町シェパーズブッシュ。チンピラ美少年テルが追われて逃げ込んだ店の主は奇天烈な人外『ブロラハン』だったのです――。吃驚仰天な『ハートフル・アメージングストーリー』。怪奇ほのぼのクライムファンタジー・ノベル。 「ラノン」の縞田さんの新刊は、妖怪(妖精)の青年と両親失って裏社会で暮らしていた少年とのふれあいファンタジー。 あれ、ラノンでは皆無だったのに今回は少しBL要素が入ってる。ハーパーは妖怪だけあってかなりずれたキャラなので、BLといってもそれほどではないのだけれど、テルのハーパーへの行動や他にあるきついシーンを考えると、苦手な人は注意した方がいいかも。 で、自分はというとさほど気にはならなかったものの、テルとハーパーの交流書いた部分はラノンと比べるといまいち。でも、三話目から登場した魔女志望お嬢様のリズがかわいくて○。最後の短編のテルに対する感情とかすごく好き。アグネスといいシールシャといい、縞田さんの書く女の子はみんなほんと魅力的だなぁ。リズが混じるとBLな雰囲気も消え去り、三話目はほのぼのあり笑いありで面白かったです。 あと、食べ物の描写がよかったですね。ウズラの目玉焼きには笑ったし、出てくるお菓子はどれも甘党の自分にとって凄くおいしそうに見えました。野菜のくせに甘いルバーブなんか今まで名前聞いたこともなかったので食べてみたいです。 これ一作で終わってもおかしくないけれど、ハーパー・テル・リズの三人が作る日常をもっと見たいので、できたら続いてほしいです。 評価 ☆☆☆(6) ◆ インサイド・ワールド (周防 ツカサ/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 エスケープ×エスケープ。僕は、悪意に満ちたその世界から、彼女の内なる世界へと迷い込んだ。夢と希望で形作られた欺瞞の世界を破滅に追いやるために。言ってやるんだ。ざまあみろ、そしてごめんなさいって──。冬のプレハブ小屋で出会った女の子。黒髪ロングの、とても薄着な女の子。此処にはいない、向こう側の女の子。もうすぐ、世界が終わってしまうかも。そんなときに、ふたりは出会い、ことばを交した。これからの世界。それはきっと、きみとぼくのインサイド・ワールド。 電撃の短編賞受賞の新人さんのデビュー作は宇宙産業がちょっと盛んな町が舞台、不登校の子や家族とうまくいっていない子、アイデンティティを失っている子など問題を抱えた思春期の少年少女たちを描いた3つの短編。 最近新人特攻で外すことが多くなって特攻やめようかなと思うことも時々あるんですが、その分先月の「琥珀の心臓」のような当たりと出会った時の喜びは一塩なんですよね。で、作中に「普段は辛くてもそれが快感にかわる瞬間がある長距離走は、マゾの資質がある人にお勧めだ」みたいな記述があって、これって新人特攻にも思いっきりはてはまるよなぁと。つまり、我々新人特攻者は皆マゾだったんですよ! や、そんなことは昔から自覚してるんですが。 でもそんなマゾな自分も、書店で見かけた六とん2に手を出すのは思いとどまりました。正直見た時は目が壊れたかと思った、あの迷作の2を今さら出すなんて、講談社は何をとち狂ったのかと。あとがきでは著者が自虐しまくってるし、誰がどう見ても純度100%の危険物。買え買えオーラが出てるだけにほんと危険。特攻は蘇部スキーな人にまかせようかと思いますが、もしかしたら数日後の購入物にちゃっかりあるかもしれません。そしたら笑ってやってください。 全くこの本の感想書いてませんが、自分には登場人物達の思考回路がさっぱり理解できなかったので書くことがないのです。わけの分からない展開を読んでいると、なんだか異世界の道化の喜劇を見せられているような気分になりました。まあ新人特攻してればこういうこともありますよね……。 評価 ☆★(3) 【今日購入したもの】 空ノ鐘の響く惑星で8 (渡瀬 草一郎/電撃文庫) |
___10月7日(金) | ||||||||||||
群青コンプ。傑作に後一歩届かない超良作、ボリュームたっぷりで期待通り楽しませてもらいました。詳しい感想は後日。 そのかわりに今季今まで見た新アニメ一言雑感。
今のところ前期より不作気味。明日は本命の銀盤です、さてはてどうなるか。 【今日購入したもの】 世界の中心、針山さん (成田 良悟/電撃文庫) インサイド・ワールド (周防 ツカサ/電撃文庫) 裏庭で影がまどろむ昼下がり (縞田 理理/新書館ウィングス文庫) ブルースカイ (桜庭 一樹/ハヤカワ文庫JA) あああああああ空鐘買い忘れてるううぅぅぅぅ!_| ̄|○ あとがきから読む派の人は桜庭さんの新刊には要注意。あとがきの右ページに、かなり重要そうでネタバレっぽい文が目に止まりやすい形であります。ああ見ちゃったさ_| ̄|○ ネット見渡す限り、あとがき一派もマイノリティではあっても極少数ではない気がするので、正直こういう重度の奴の時は1ページ空白作るくらいの配慮欲しいなと思います。記憶によるイメージだと、電撃は結構こういう点配慮していて、逆に富士見なんかは無頓着な感じ。常に右ページからあとがきはじめるレーベルはさすがにないみたいですが、右ページぎっちりの時なんかも左ページあけてくれると嬉しいなぁ。 |
___10月6日(木) |
なぜか9月30日の日記が2個あったので1個削除。いつものことなので特にコメントなし。 【今日読んだ本】 ◆ トワイライト・トパァズ かくて災厄の旅ははじまる (佐々原 史緒/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 フェリオス大陸の西の外れにあるルシティニア共和国。その首都であり、七つの丘の都の別名を持つ古都ルシティニシーを見下ろす丘の上に、魔宝士見習いのトパァズは、性格最悪、生活力ゼロの師匠、美貌の天才魔宝士ルキウス・ディタリアに手を焼きながらも楽しく暮らしていた。ある日生活費の工面のため町に出かけた彼女は、すさまじい火柱を目撃する。街の中心部、ルシティニシー大橋に駆けつけたトパァズは、燃え上がる炎、雪崩をうつ人波、阿鼻叫喚の修羅場のなか、禁忌の属性魔導を使うテロリストと対峙するのだった! 完結記念に1巻を買ってみた、「バトル・オブ・CA」などを書いている佐々原さんのコミカルファンタジー。 これはなかなか。前シリーズの「サウザンドメイジ」は確か主人公の一人称の語り口が合わなくて切ったんですが、このシリーズの主人公のトパァズは魔法に関しては無能でも、いい子という表現がピッタリくる真面目さと快活さと行動力持っていて好印象。口も態度も悪い師匠を強く敬愛している様子がかわいらしかったです。師匠がトパァズを大事に思っているのはあの行動以外にはあまり描写なかったけれど、これは今後に期待かな。話も導入ながら締めは盛り上がったし、二人と二匹の旅がこの先どうなるか楽しみです。 評価 ☆☆☆★(7) |
___10月5日(水) |
締め切り近いのでそろそろ宝島の2005年度ライトノベルBESTランキングアンケート出しとこうと思って作品リスト眺めてたんですが、ウィングス文庫を完全無視している狼藉はまあマイナーだから許すとして、「ノベライズ除外」なのにジャンプノベライズや電撃ゲーム文庫がリストにあったり、「BL除外」なのにあさぎり作品がリストにあったり、リスト作成者の怠慢が目立って萎え。特にゲーム文庫は何考えてるのかと。「リスト以外の作品においては除外」と取れなくもないけど、それはそれで意味不明ですし。本ではこんなことがないようにしてもらいたいものです。 【今日読んだ本】 ◆ エルヴァインの末裔 (雨川 恵/角川ビーンズ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 反逆者の名のもとに、兄王の待つ王都へ、隣国とともに攻め上るアレクシード。アレクシードは、王都で待つユティと再び会えるのか!?そして兄王との絆の行方は!?ドキドキが止まらない、グラーレン編クライマックス! 幼姫小説に見せかけた兄弟小説のアダルシャンシリーズ第4巻は、グラーレン編の後編。 はいはいまたまた兄弟、表紙のユティにちょっとだけ期待した自分が馬鹿でした。前巻でぼろくそにけなした兄は行動の裏事情分かって持ち直したんですが、今度は弟にイライラ。兄第一主義なくせにちょっとエリアスにに比重傾きすぎ。アレクシードはアホな子なんだから陰謀なんて見抜かないで兄を馬鹿正直に信じてればいいのに。まあ言いたいのは、二人でぐちゃぐちゃするなら周り巻き込まないで勝手にやっててくださいってことです。前巻同様ユティとファーナの絡みだけは楽しめたので、兄と弟完全に切り離すか別シリーズスタートかどちらかを希望。 評価 ☆☆★(5) |
___10月4日(火) |
群青漬けで更新放置してました。男性もフルボイスでボリュームあるのでまだコンプしてませんが、メイン3人終わったので一旦中断して9月のまとめ。 読了――25冊 購入――28冊 減らない、どうしたものか。とにかく2桁だけは死守で。 浅木原さん経由で第1回エンタ検定をやってみました。 あなたの総合得点は50点 全国平均 60点 全国順位(10月4日 23時現在) 7808位(9013人中) −−ジャンル別得点表 −−−−−−−−−−−−−−− 0_________10__________20点 映画 ■■■■■■■■■ テレビ■■■■■■■■■■■ 音楽 ■■■■■■■ 書籍 ■■■■■■■■■■■■ 芸能 ■■■■■■■■■■■ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− うん、無理。 【今日読んだ本】 ◆ ポケロリ りぼんの章 (竹井 10日/角川スニーカー文庫) 【amazon】 《あらすじ》 死神によって破壊された世界。山風忍はスク水、メイド、弓道着を着た不思議な能力をもつ少女たち〈ポケロリ〉を使って世界を取り戻す旅に出るーーー エロゲライター竹井10日のオリジナル小説処女作は、……ポケットモンスターではなくてポケットロリキャラ。 なんだかすごくバランス悪い作品だなぁ。スク水ポケロリやメイドポケロリというおちゃらけた設定にそれにふさわしいエロめのノリテキストで進むのに、なぜか後半は組織だの絆だのシリアスな話になって、前後半が完全に分離しちゃってますよ。ていうかぶっちゃけシリアス部分は面白くないからいらないよねーって話。アホなボケツッコミで構成されるギャグはそれなりに楽しかったので、コメディだけになりそうな2巻に改めて期待かな。シリアス入ってるようなら見送りですが。 評価 ☆☆(4) 【今日購入したもの】 savon (みとせのりこ) ナルニア国物語 ライオンと魔女 (C.S.ルイス/岩波少年文庫) |