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___2月28日(火)


【今日読んだ本】

永遠のフローズンチョコレート (扇 智史/ファミ通文庫)amazon

《あらすじ》
 「あたしは人殺しなの。いままで、三人殺した」不死の少女と出会った、殺人者の少女理保とその恋人基樹。彼らの奇妙な三角関係は、永遠に続く「日常」を、静かに変質させていく。「あたしたちが何を望んでも、世界は世界の都合でしか動かない。あたしたちのささやかな永遠も、血も涙もない時間に踏みにじられる」えんため大賞受賞者、扇智史先生の新境地。儚く、移ろいやすく、頑な青春の「リアル」。ワダアルコ先生のエッジの効いたイラスト、デザインで登場!!


 ファミ通文庫の新刊、冷めた男と殺人女と人外女の三角関係青春小説。扇さんの作品読むのははじめて、デビュー作のペンチ小説は1年以上積んでるんですが。いつ読もう……閑話休題。
 パ・ロ・る・な。いや、こういう真面目路線の青春小説でパロディやるのは雰囲気壊して駄目駄目だと思うのですよ。月姫・ブギーを露骨にパロってるし、章タイトルで舞城パロってるし、他にも分かっただけで、しにバラ・バッカーノ・キーリ・ドクロちゃん・父顔に触れてます、多すぎ。まあ、パロディがなかったとしてもいまいち。理保と基樹、2人の視点交互に話が進んでいくんですが、こいつらの気持ちがさっぱり理解できず。殺人衝動を「説明できない」ものとしてはっきり説明しておらず、その衝動が理保の心理描写から全然伝わってきませんでした。不死少女と基樹との繋がりは三角関係というには弱いし、そもそも不死人の性格が人間らしさ残りすぎで不死人っぽくない。青春小説は人によって合う合わないが激しいジャンルですが、これは自分には合いませんでした。


評価 ☆☆(4)



コッペとBB団 その2 (田口 仙年堂/ファミ通文庫)amazon

《あらすじ》
 悪の組織BB団支部、謎の美少女ヒーロー“薔薇の騎士”に襲撃される! 真紅の鎧の冷酷な騎士と馬車アルタイルにブチのめされた基地は、瞬時に壊滅! 一方、支部の安否を気遣うQ三郎達だったが、作戦で屋台のアイス売りをしていたところ気弱な女子高生キリオと出会う。彼女の言葉がきっかけで、コッペは幼稚園へ通うことに。だが、薔薇の騎士に大事なお弁当を狙われ、園はパニック。危うしコッペ! 無茶苦茶なヒーローと悪漢と少女の熱血コメディ第2弾。


 先月のファミ通の新刊、人造人間幼女のコッペと周りの愉快な仲間たちによる悪の組織小説第2弾はコッペの幼稚園編。
 薔薇の騎士を見て思わず練馬大根のカラクリを連想してしまった。あんなのと一緒にしてキリオごめんなさいごめんなさいごめんなさい! でも薔薇の騎士モードがはじけすぎなのがいけないんですよ。というわけで、1巻同様、時に心暖まり、時に心を熱く満たしてくれるお話で、今巻も面白かったです。魅力的なレギュラー陣に加え薔薇の騎士と馬も加わったわけですが今巻のMVPは幼稚園の先生、コッペを悪の組織で暮らす人造人間だと知り、それでも受け入れて薔薇の騎士相手に敢然と対峙する姿が無茶苦茶かっこよかった! 脇キャラが魅せてくれると物語に厚みが出ますね。デイストーンの謎が新たに分かって、シリーズ物としてもいい感じ。P子はすっかりネタキャラ扱いだけれど、いつか大活躍する日がくるといいな。


評価 ☆☆☆★(7)



___2月27日(月)

 流行り物、ラノベ365日さんのラノベラー診断テストに回答。

t-snowさんの総合得点は 48 点です。
ランク:C
偏差値:58.7
順位:24位 (114人中)


 そういやライトノベル原作の漫画って一作も読んだことないや……。


【今日読んだ本】

スイートホームスイート1 世界で一番いらない遺産 (佐々原 史緒/ファミ通文庫)amazon

《あらすじ》
 来る薔薇色の大学生活に胸躍らせ、卒業式を終えた戸丸一彦を待ち受けていたのは、黒塗りのベンツとありえない展開だった!「えっ、俺の曾祖父が外国人? で、とある小国の大領主さま!?」呆然とする彼をよそに、危篤の曾祖父に会うための旅立ちの手はずは、あっという間に整えられ、一彦は機上の人に――そして降り立った異国の地では、さらに驚愕の現実が彼を待ち構えていた!! 曾祖父の死、広島弁を喋る一つ違いの「曾祖母」、遺産相続、そして……。人気作家の新シリーズ、波瀾万丈ファンタジック・ホームコメディ開幕!


 「トワイライト・トパァズ」の佐々原さんの新シリーズは、突然見知らぬ小国の城へと連れてこられた少年と、そこに住む後妻と妖精たちによる現代ハートフル(?)コメディ。
 男主人公なのがちょっと不安でしたが、非常に佐々原さんらしい作品で今作も面白かったです。既作の例にもれず今回も主人公はツッコミ気質で、主人公が受難体質なのもいつも通り。前作がややシリアス寄りだった反動かコメディ分が増量されてますね。ヒロイン(?)のアデルは百歳老人と結婚して未亡人となったがめつい広島弁使い、となかなか斬新でいいキャラ、城主を慕う妖精や異形たちがアットホームな雰囲気を作り出していて楽しく読めました。続きではラブ寄せもされそう、順調に出てくれることを祈ります。


評価 ☆☆☆★(7)



___2月25日(土)

 I/Oのサントラを求めて1時間ほど秋葉を彷徨うはめに。探している間、お前らそんなに鍵の音楽好きか、と言いたくなりました。いや自分も好きですが。しかしサントラ昨日発売なのに全然売ってなかったのは、ソフト本体相当売れなかったのかなぁ……。

 I/O本体の方は最後に開いたルートを終了ってなんじゃこりゃあああああ!! こういう風に締めるのなら構成ガタガタのような、うーん。


【今日読んだ本】

ホワイトデー上等。 (三浦 勇雄/MF文庫J)amazon

《あらすじ》
 バレンタインの一件で正式にお付き合いすることになった鉄平とゆかりだったが、さっそく些細なすれ違いから大ゲンカをしてしまう。そのままホワイトデーを迎えてしまった鉄平は、プレゼントで仲直りを考えていた。が、唐突に大目玉が現れ、羽原羽の生徒に「百合百合学園にお礼返しに行こう!!」とけしかけだす。どうせまた「番組」だ。それに俺には関係ねぇ!とばかりにガン無視。「でもゆかりさん、今日は百合百合学園にいらっしゃいますよ?」……なんだって!?突撃ハイスピード青春エンタテインメント、今度は死ぬ気で全力疾走編!!


 熱さ全開で突っ走る「上等。」シリーズ、2ヶ月連続刊行の第3巻。
 むー、1巻の頃からじわじわと面白さが薄れていってるなあ。婿候補本格登場かとわくわくしてたのに、すれ違いだけで1巻使っちゃうとは。1、2巻の過程考えれば、このすれ違いはサクッと流しちゃってもいいと思うのだけれど。その空回りのすれ違い展開のため、鉄平VS戦車の場面など部分ではいいところもあったんですが、全体通してみるといまいちでした。それと、大目玉がなんで悪いことしてるかが伝わってこないからうざったいですね、そもそも大目玉という名前からドラクエの(略 あと、前巻から継続の百合要素も余分。ただ、文七は今回大きく株上げましたね、先生とのやりとりでの台詞は主人公食うくらいに熱くてよかったです。次巻の婿候補に期待といきたいところですが、また実に可愛げなさそうな奴でちょっと不安。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】
 スイートホームスイート1 世界で一番いらない遺産 (佐々原 史緒/ファミ通文庫)
 ランブリング・カレイド <星穹の女帝>戦 (高瀬 彼方、黒鉄 アクセル/ファミ通文庫)
 永遠のフローズンチョコレート (扇 智史/ファミ通文庫)
 I/O perfect Audiotracks (ジェネオン エンタテインメント)

 佐々原さんの新刊キター! 高瀬さんは原案だけで本文は新人さんですか……。



___2月24日(金)

 2005年ライトノベル系新人作家読書調査に回答。結果はこちら、126冊中64冊でした。半分いったからまあよしとします。

 I/Oは既読95%でそろそろ終了。構成やロジックの美しさ、ネタの斬新さではEver17やRemember11に劣るけれど、物語は既作で一番好きかも。詳しい感想はコンプ後に。


【今日読んだ本】

ノエイン もうひとりの君へ1 (淺川 美也/MF文庫J)amazon

《あらすじ》
 館に暮らす少女ハルカの夏休み。ある日、ハルカは教会の尖塔の上に青く光る雪に包まれた男を目撃する。その男は、『龍のトルク』という謎の言葉を残し、消えていった。男の正体は15年後の世界のひとつ、“ラクリマ時空界”からやってきた竜騎兵「カラス」。彼はハルカの幼馴染のユウの成人した姿だった。絶望の未来を救う“鍵”を持つ少女ハルカは未来を変えられるのか? ユウとカラスの選択は?時空を超えた運命が、今動き出す――。


 原作好きなので買ってみた同名アニメのノベライズ作品。
 うわー、アニメのノベライズって12話を1冊に詰め込んじゃえるんだすごいなー。(棒読み)
 原作をどうアレンジするのかなと期待1割不安9割で望んだら、ほとんど原作のハルカ視点の部分をそのまま抽出しただけでした。アイとの友情話などの傍流の話まで丸々いれたものだから、当然ページ数不足に陥り原作の魅力の一つである戦闘描写を超省略。人物説明もカットしまくりでアトリの怖さとか全然伝わってこない。文章はそんなひどくないけど人称が変わっている部分が一部あるし、ファンアイテムですねこれは……。


評価 ☆☆(4)


【今日購入したもの】
 ノエイン もうひとりの君へ1 (淺川 美也/MF文庫J)
 ホワイトデー上等。 (三浦 勇雄/MF文庫J)
 魔法鍵師カルナの冒険4 世界で一番好きなあなたへ (月見 草平/MF文庫J)



___2月21日(火)

 10万Hit到達、いつもありがとうございます。これからも当分は今のスタイルのままマイペースで更新続けていきます。といえば聞こえはいいけれどスタイル変えるのがめんど

 がんがん本読むつもりが、I/O始めたらハマってしまいあまり読めてません。開始直後はそれほどでもなかったのに、読み進むにつれ、過去と未来、リアルとシャドウ、絡み合った糸がどうほぐされていくのか先が気になってたまらなくなり、一気に進めてます。スタッフにはRemember11の前科があるので最後まで気抜けませんが、このままいけばかなりの良作になりそう。


【先日読んだ本】

BLACK JOKER ―少女たちの方程式―  (あくた ゆい/富士見ミステリー文庫)amazon

《あらすじ》
 カリフォルニアの私大に通う日本人留学生・真純の支えは、柔らかな銀髪に深い青の瞳をもつ美少女・ミシェル。二人は大学の「秘密の場所」で勉強会を開いていた。それは二人にとってかけがえのないものだったが――。<死のカード>を受け取った知人の変死により、平穏は破られた。そして、数学者連続殺人事件を追ううち、真純はミシェルの本質が単なる聡明な美少女ではないことに気付いていく。繊細な筆致で骨太に描く、第5回富士見ヤングミステリー大賞奨励賞受賞作!


 先月の富士ミス新人の読み残し、少女二人が主役の奨励賞受賞作。
 なんとも不思議な作品。主人公が個性あまりなく見事な空気っぷり、相方は無駄に超人、文章がとっても淡白、冒頭に出てくる謎解きは忘れた頃に唐突に解き明かし、名前ちょっと出るだけの端役キャラが後半がんがん出てくる、などなど欠点がたくさんあって、話も特段見るところはなく誉める点が見当たらないのに、なぜかそんなつまらなくはなかったんですよね。まあ楽しいといえる程でもなかったんですが、地雷とも思えないのが実にミステリー。突っかからず無難に読めたからかなぁ。


評価 ☆☆★(5)


【先日購入したもの】
 スキップ・ビート!12 (仲村 佳樹/花とゆめコミックス)
 しゃにむにGO22 (羅川 真理茂/花とゆめコミックス)

 2冊とも鉄板の面白さ。恋にうろたえる蓮が最高。



___2月19日(日)

ライトノベルマニア度チェックにチャレンジ!

t-snowさんのラノベマニア度は、 75 点です。
ランク:A
偏差値:60.7
順位:17位 (107人中)


カードやらhpやらアニメやら分からない……。


【先日読んだ本】

RE:凪野アオイ 超高速機動粒子炉船 春一番 (原口 美奈子/ファミ通文庫)amazon

《あらすじ》
 遠い未来――。13歳にして、記憶を消された敗残兵「RE(アールイー)」となった凪野(ナギノ)アオイは、超小型戦闘船「春一番(はるいちばん)」に配属された。乗組員は、呑気で飄々とした船長イッタ、厳格な副船長リンタロウ、無愛想なオペレーターのレイジ。それから、戦闘機規格型ロボットのNAC。個性的な乗組員たちの中でアオイは、超絶的な戦闘能力を発揮しながらも、記憶がない故の自信のなさから、自分の居場所を見つけられない。そんな折、アオイが乗船してからはじめて「春一番」は戦闘に入る。その戦闘で、アオイのミスから被弾したNACだったが、壊れたNACの中からは機械ではなく、美しい女性ナナが現れる。次第に明かされてゆくアオイの過去と、ナナとの関わり。その中でアオイは、自分の存在理由を見出してゆく……。第6回えんため大賞「佳作」受賞作は、僕である君におくる、ハートフルストーリー。


 今日はファミ通新人の積み崩し、佳作受賞のハートフル宇宙SF。
 みりおんぐらむは男だと思っていたら実は女だった設定の濫用に断固として反対します。ばれた時の動揺と恥じらい、その後の関係性の変化、といったものにドキドキできるのがいいのであって、そういうものが楽しめないこの設定に価値なんかないんですよ。本人に自覚がないなんてもってのほか。この時点で自分にとってはかなり評価ダウン。
 そして物語は茶番の連続。全ての事象が伏線なしに唐突に語られるので感情移入のしようがなかったです。書こうとされているテーマは悪くないんだけれど……。一番面白かったのはあとがきでしたね。おばちゃん頑張れ。


評価 ☆☆(4)



ワンダフル・ワンダリング・サーガ (矢治 哲典/ファミ通文庫)amazon

《あらすじ》
 「Why! なぜにッ?」20歳の食品会社営業マンの鈴木正晴(マサハル)は、大事な出張を明日に控えて早々に帰宅していたはずが、なぜかジャングルに迷い込んでしまった! そこで出会ったのは、マサハルを「勇者なのです」と決めつける、なぜかランドセルを背負った少女ピヨリと、空手胴着を着たクマのスパルタカス。ピヨリの話では、この世界を崩壊させんとするバクスゥを倒さない限り、マサハルはもとの世界に戻れないという。逃げても追いかけてくる、怒ると泣いてしまうピヨリにしぶしぶ従うマサハルは、不可思議だけれどどこかで見たような世界を旅するうちに、この世界の真実を知る。この風景ってどこかで……。はたしてマサハルは、明日の出張に間に合うのか!? 第7回えんため大賞「佳作」受賞作の、コミカルヒーリングファンタジー!!


 こちらも佳作受賞作、異世界に突然連れてこられたサラリーマンとその幼なじみの世界を救うファンタジー。
 うーんバランスの悪い作品だなぁ。後半の世界が崩壊し始めてからの流れは、現実と異世界との関係を童話風にうまく明かしていて、これだけ見るとスクエニで落ちるレベルには到底思えない出来でした。ただ、問題だったのが前半。変なテンションについていけず、主人公のサラリーマンとしての描写がさっぱり理解できなかったです。意欲的だとは思うけれど、サラリーマンと異世界コメディはやっぱり噛みあわないでFA。


評価 ☆☆★(5)



___2月18日(土)


【先日読んだ本】

灼眼のシャナ11 (高橋 弥七郎/電撃文庫)amazon
灼眼のシャナ12 (高橋 弥七郎/電撃文庫)amazon

《あらすじ》
 坂井悠二の許に“日常”が帰ってきた。御崎高校には学園祭の季節が訪れ、クラスメイトたちは期待を胸に抱き日々を過ごしていた。シャナも、その“日常の中の非日常”を楽しもうとするが、吉田一美と仲良くする悠二を見て、どうしようもなく気持ちが不安定になるのだった。この気持ちはいったい何なのか……シャナの中で再び葛藤がはじまったとき、ついに彼女は理解する。”好き”の本当の意味を。字面のみの把握ではない。身体全体で感じて、知った。そして、彼女が起こした行動とは……! 高橋弥七郎が描く奇妙な学園ストーリー!


 再び一時の休息の時を迎え、ついにフィレスが来襲するシャナ11巻と12巻。
 相変わらず面白いことは面白いんだけれど、少し飽きてきたなぁ。仮装舞踏会がこの2冊で全く出てこないし進行がちょっとゆったりすぎ。シャナと吉田さんの関係性がほぼ決着ついている以上、問題なのは悠二の決意なわけですが、この2巻でヘタレの考えが示されないのがたるさの原因かも。文化祭にも日常以上の楽しさは見出せませんでしたし。銀と遭遇したマージョリー姐さんの弱さの発露はよかったし、ヴィルヘルミナ他サブキャラの話は悪くないので、後はメインさえがんがん進んでくれれば……。
 

評価 ☆☆☆(6)



___2月17日(金)

 いちせさんのところからライトノベルのプレミアの話。amazonマーケットプレイスの価格はぼったくり価格のことも時々あるのであまりアテにしない方がいいです。現に、今月「大日本帝国第七艦隊」はヤフオクで3冊セット1800円で落札された模様。ヤフオクは出品に気づかれず落札されることもあるし、やっぱり価格丸飲みにしちゃいけないんですが、まあ10000円超えはぼったくりでしょう。
 ライトノベルは新古書店以外の古本屋では取り扱っていないことが多いし、プレミア物でも相場が定まりにくいのかも。先月プレミア調べた時も結構落札価格まちまちでしたし。あと、10年以上前の古いライトノベルは需要も供給も少なすぎてプレミアが存在するかどうかさっぱり分かりません。


【先日読んだ本】

七人の武器屋 結婚式をプロデュース! (大楽 絢太/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 結婚直前だったノンが式をあげることができない? 大聖堂が謎の御曹司に買収されたから? 七人は再び集い、ある目的のために動き出す! すちゃらか経営ファンタジー第二弾!


 昨年の新人作「七人の武器屋」の続編、ノンの結婚式に関わるお話。
 うわ、時事ネタパロディ使っちゃうのかー。ギャグ作品以外でパロディ使うのはあまり望ましくないことだと思っているし、わざわざパロディにする必要性も感じなかったので、このパロディは自分的にはアウト。
 そもそも、パロディによって生まれたキャラのホリィが人の話全く聞き入れない極度の自己中の厨でむかつくことこの上ない。まあむかつくように作られたキャラなのでしょうがないんだけれど、あまりにも描かれ方がひどすぎて心を入れ替える場面が納得いかなかったんですよね。ほんとひどい糞ガキです。そのため、むかつくキャラを出したことによって後半得られるはずの満足や爽快感がなく、ただむかつくだけで終わってしまいました。主役7人は前巻同様楽しい奴等だけれど、ミニィの出番少ないし前巻以上ではなし。ホリィいなくなればよくなると思うので3巻に期待ってことで。
 

評価 ☆☆(4)



お留守バンシー (小河 正岳/電撃文庫)amazon

《あらすじ》
 むかしむかしといってもそれほど昔ではない、科学が迷信を駆逐しつつあった19世紀中頃。かつては人々に恐れられた闇の眷属も、今ではわずかとなった聖域にこもり、ひっそりと暮らしていました。東欧の片田舎にあるお城もそんな聖域のひとつ。そこの住人たちは、実は人間ではありません。見た目は可愛らしい女の子アリアも実はバンシーという妖精。彼女は気のいい同僚たちと慎ましくも平穏な生活を送っていたのです。そんな時、アリアはご主人様から大事な役目を与えられました、それは……。とっても長くて大騒ぎのお留守番、はじまりはじまり〜。


 電撃の大賞受賞作、お留守番するバンシーと妖精たちのお話。「お留守バンシー」と「お留守番」をかけていることにはじめ気づかなかった……。
 で、大賞らしくかなり完成度が高い作品でしたね。キャラ紹介からはじまる物語はお手本のように丁寧に進んで安心して読めたし、職務に忠実で有能、大切な城を壊されることを何よりも厭うアリアがかわいくて楽しく読めました。ただ、全体的に何となく薄味で物足りなさを感じたのも事実。舞台が限定されているのにお城の雰囲気があまりパッとせず、また登場人物が多くない割にアリア以外のキャラはパンチ不足だったのが残念。これならもっとたくさん妖精出てきてガヤガヤした方が好みでした。


評価 ☆☆☆(6)



___2月16日(木)

 今日からようやく通常更新に戻ります。先月と今月分の積読がんがん崩すぞー。

 私信。メールフォームで「どうもありがとう」の一言だけ送ってくれた方、何のことを言ってるのかさっぱり分かりません。というか、都市伝説みたいで無茶苦茶怖いです。もし見てましたらできれば詳細を……。


【先日読んだ本】

封仙娘娘追宝録・奮闘編5 最後の宝貝 (ろくご まるに/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 これで、宝貝が全部そろったのね――。和穂は涙ぐむ。しかし、いくら待っても仙界への道は現れない? なぜ? 増刊ファンタジアバトルロイヤルに収録された外伝を中心に集めた短編集がついに刊行!


 先日ついに復活をはたしたろくごまるに、あれからたった三ヶ月で刊行される短編集第5巻。とりあえず、帯に「長編も短編も完全復活か!?」なんて煽りいれる編集部は帰ってください。何ですかその「か!?」は。最近露呈した気象関連の話題見てると、間が空いたのが編集部の責任0だとは信じられないんですよ。少なくとも煽りは不快なのでやめてほしいものです。
 まあ文句はこれくらいにして内容。この間まとめて読み返していた時に感じたのが、封仙の短編での上手さ。どの短編も非常に洗練されていてうならされることが多い。正直、佳境に入る前の長編より短編の方が気にいってます。今回もいつもどおり見事な出来栄えで、流麗の話、氷の和穂の話、大饗宴、どれも面白かったですね。一番のお気に入りは仙客万来かな、何せ幼女和穂が(略 書き下ろしは他の話に比べると一段落ちる感じでした。でも書き下ろしが書かれたという事実だけで満足、この調子で長編が出ますように。
 

評価 ☆☆☆☆(8)



ぼくと魔女式アポカリプス (水瀬 葉月/電撃文庫)amazon

《あらすじ》
 これは、ぼくと彼女の前に突然現れた、ひとつの大きな「連鎖」の話だ。クラスの空気でしかない少女の告白という何の変哲もない「普通」から生まれる、無意味な「特別」の連鎖──。滅びた魔術種達。種の復活を賭けて行われる、人間を代役とした争い。それらの存在を知ったぼくの横で、魔女種族の代替魔術師となった彼女は戦う。そして戦うために行い続ける。哀しい微笑で、哀しい自傷を。「普通」と「特別」が混濁し、ぼくたちの眼前に残ったのは、ただ無慈悲な── 第10回電撃ゲーム小説大賞<選考委員奨励賞>受賞者が贈る新作!


 「結界師のフーガ」を書いた人の新シリーズ、「結界師のフーガ」はスルーしたので水瀬さんの本を読むのははじめて。
 うーん、凄く居心地が悪い構成だなぁ。怪しい人物がすぐに見当つくのに主人公達は的外れなこと考えていて、ようやく気づいた頃には読者は別の怪しい人物が分かっているという、読者が主人公の一歩先を常にいっている感じで、こういう「志村、後ろ、後ろー!」な作りはイライラして苦手。主人公がやる気なくひねくれたタイプの人間なのがイライラを加速させてきつかったです。
 でも話と設定は、電撃によくある現代の日常→非日常をうまく鬱風味にアレンジしていてなかなかよかったです。魔術種と人間の、相互依存じゃない微妙な関係が面白い。ただ、女キャラクターがどのキャラもかなりビーンボール気味、ヒロインはまあよかったんですが妹と幼なじみが全く受け付けませんでした。あと、せっかく女性化があるのにさっぱり萌えないのもマイナス、こんな心理描写なら女性化しないほうが期待させられない分よかったです……。色々と文句つけてますが、総じていえば楽しめたので、2巻出たら買うかも。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 七人の武器屋 結婚式をプロデュース! (大楽 絢太/富士見ファンタジア文庫)
 封仙娘娘追宝録・奮闘編5 最後の宝貝 (ろくご まるに/富士見ファンタジア文庫)
 煉獄のエスクード3 RHYTHM RED BEAT BLACK (貴子 潤一郎/富士見ファンタジア文庫)

 BBB買い忘れてる_| ̄|○