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___3月16日(金)

 じっくり読んでたら久々の更新になってしまいました。

 ガガガのラインナップがなんか凄いですね。個人的な印象としては、レーベルカラーが見えないというか節操がない感じであまり好きになれないんですが(同様の理由でホームページの作りも嫌い)。ロミオが少年向けかぁ……。

 あとちょっと前に話題になっていた「りぼん記念日」、TS好きな自分はかなり昔に読了済です。あれはBLの亜種だと思うのでエロいライトノベルとして扱うのは微妙な気もしますが、確かにエロいですね。これの亜種で女→男がメインのTS物でないかなあ。


【今日読んだ本】

王狼たちの戦旗(下) 氷と炎の歌2 (ジョージ・R.R. マーティン/ハヤカワ文庫SF)amazon



《あらすじ》
 七王国全土で、血で血を洗う激しい戦が続いていた。民は飢え、貴族たちは兄弟で殺し合い、黒魔術師が暗躍する混沌の時代。運命に翻弄され散り散りになったスターク家の子どもたちも、それぞれの戦いを続けていた。都で残酷な少年王に虐げられている長女サンサ、故郷を目指し仮の姿で旅する次女アリア。“北の王”となって出兵した兄ロブの留守を守るブランにも、予想だにしない敵が迫る。一家の再会を願う母ケイトリンの思いとは裏腹に、運命はますます彼らを引き離してゆく…。一方、“王の手”として都を守るティリオンは、玉座を奪おうと迫るスタンニスの軍勢と対峙するため奇策をめぐらせていた。勝利は次々に、より冷徹な剣と、より冷酷な心の持ち主の手に渡ってゆく。戦と陰謀に彩られた七王国で、壮大な群像劇がさらなる佳境を迎える。


 5日間じっくりかけて下巻を読了。
 あー濃いなあ。人物入れ替わり立ち代わり、一難去ってまた二難といった感じで勢力図はどんどん複雑化していって、ついていくのにも一苦労ですが、深みある登場人物たちが繰り広げる一寸先すら読めない物語は本当に面白いです。あの人がいきなりそうなるのには驚いたし、あれにはものの見事に騙されましたし、やっぱマーティンはすごい。
 ネタバレになるので突っ込んだ感想は書きづらいですね。なので、展開は予想できませんが、主要登場人物の今後の生死予想っぽい短評でも書いてみます。3巻で一区切りつくようですし。

ロブ 今後の役割考えると死なないでしょう。
ケイトリン 案外死にそうな人。
サンサ 利用されまくるので生きるでしょう。王宮から逃げれないんだろうなあ。
アリア どんどん殺伐としていって、死にそうな予感が……。ナイメリアと再会すると予想。
ブラン&リコン 死んだかと思いました。リコンは今後もやばいかな?
ティリオン どうなるか分かりません。でもシェイは裏切るにきまってる。
他のラニスター 憎まれっ子世にはばかる。
ピーター どうみても腹黒黒幕。
スタンニス 王の中じゃこの人が一番危ない気がします。赤い人が後引き継ぎそう。

 他の人は死ににくそうです。まあ外れるんですがね。


評価 ☆☆☆☆(8)



___3月11日(日)


【今日読んだ本】

王狼たちの戦旗(上) 氷と炎の歌2 (ジョージ・R.R. マーティン/ハヤカワ文庫SF)amazon



《あらすじ》
 七王国の空に輝く、血の色の彗星。それは大戦乱時代の到来を高らかに告げていた。前王の暗殺後、王妃の策略どおり、鉄の玉座は少年王ジョフリーが継いだ。しかし、南部の諸公を率いるレンリー王に、異国の黒魔術師の力を借りるスタンニス王―少年王の出自に疑問を抱く叔父たちが、それぞれ諸公をを率いて挙兵したのだ!さらに父を処刑されたスターク家の長男ロブも、“北の王”として蜂起し、北部の諸公とともに軍を南へと進めている。国内に四人の王が入り乱れ、今や七王国全土は混沌に覆いつくされた。そればかりか海の向こうでは、古代王朝ターガリエン家の末裔が、蘇ったドラゴンたちとともに玉座の奪還に向けて力を蓄えつつあった…。ローカス賞を連続受賞、世界19カ国で絶賛された傑作巨篇、待望の第二部。


 図書館で借りてきた、氷と炎の歌第2部の上巻。
 ハードカバー2段組で400ページ以上、文庫2冊分だけあって非常に内容濃かったですね。まず目が行くのが視点の増加、2巻になってついにスタンニスやグレイジョイ家が動き出して、七王国の行方はますます訳がわからないことに。スタンニスは何で表に出てこないのかと思っていたらそんなことになっていましたか。赤い女が何者なのかまだよく分かりませんが、レンリー公はどうやらカマセになりそうですね。一方グレイジョイ家、シオンはこんな奴だったんだなあ、前々からいけ好かないとは思っていましたが、内心を見てさらに嫌いになりました。まあ周り見渡す限り、彼が王へのメインストリームに乗ることはないでしょう。
 1の解説にもあったとおり、ドラゴン以外にも不可思議な要素が一杯登場してきました。でもほとんどの人はそんなの信じないわけで、刻一刻と事態が悪化していくのがとてももどかしい。特にブランが現実を諭され段々腐っていくのが見てられなくて……。リード家の兄弟頑張って!
 アリアはどんどんきつい境遇になっていってますね……。なんか思考が不穏な方向に進んでしまっているので、もしかしたら死ぬんじゃないかと心配です。ヒロインがしんじゃ駄目なのに。とりあえずホット・パイふざけんな。
 あとティリオン、王都をなんとかしようと頑張ってるんですが、シェイにやられそうな匂いがプンプンします。「愛するものに滅ぼされる」ってセリフがありましたし。ひどいことにならなければいいんですが。
 そういや、人物目次は文庫特有のものだったんですね。もう大分キャラ覚えましたが、たまに脇役振り返りたい時にちょっと不便でした。まあないものねだっても仕様がないし、下巻も借りてあるのでこのまま突入します。


評価 ☆☆☆☆(8)



___3月9日(金)

 氷と炎の歌の2巻上下借りてきました。今月は買う新刊も少ないので、しばらくこちらに専念。再読したい本も色々あるので、更新滞りがちになりそうです。

再読したい本:トパァズ、悪魔のミカタ、女神伝、Dクラ、BBB、復活の地、女王薔薇、運タロetc

 無理だ。


【今日読んだ本】

薔薇のマリア Ver2 この歌よ届けとばかりに僕らは歌っていた (十文字 青/角川スニーカー文庫)amazon



《あらすじ》
 マリアが悩み、カタリが恋し、トマトが苦悩し、ピンプが涙する――様々な冒険を経て、結束を強くしてきたクランZOO。明るい笑顔の裏に隠してきたあの記憶。仲間に囲まれ、いつしか思い出すこともなくなったあのメロディー――ZOOがまだZOOでないころ、自分のためだけに歌っていたあのころ、あのときがあるから、今、僕はここにいるんだ――マリアローズをはじめ、知られざるZOOの過去を描く、書き下ろしを加えた珠玉の短編集。


 先月新刊の読み残し、ZOOのメンバーのうち4人の過去を描いた短編集。
 当たり外れの大きい短編集でした。短編4つのうち、トマトクンとピンフの過去を描いた短編はいまいち。出来悪いとかそういうことではないんですが、書かれている内容に興味が持てないんですよね。トマトクンの正体は理解するの諦めて読んでいるので、過去思わせぶりに書かれても楽しめません。再読して色々把握できれば印象変わりそうですが、現状では他キャラの話の方が気になりますね、アジアンとかアジアンとかアジアンとか。アジアン分が足りないです……。
 でも他の2人の話はなかなか、特にカタリの話がよかったです。本編のほとんどではただの三枚目ですが、この過去短編では間違いなくかっこいい三枚目、見直しました。そりゃ相手も心動きますって。本編ではやばいことになってますが復活してくれるのかな……。
 マリアの短編は、この頃のマリアの頑なに人間を信じまいとする態度見てると、ZOOに入れてよかったなとしみじみ思いますね。あとはアジアンとくっつくだけ、というわけで次巻を待ちましょう。


評価 ☆☆☆(6)



___3月7日(水)


【今日読んだ本】

七王国の玉座5 氷と炎の歌1 (ジョージ・R.R. マーティン/ハヤカワ文庫SF)amazon



《あらすじ》
 国王ロバートは、狩猟のさなか猪に襲われ非業の死を遂げた。王は“王の手”エダードに、後継ぎの王子が成人するまで摂政を務めるよう遺言する。だが王の3人の子らの秘密を知るエダードは、王弟スタンニスに玉座につくよう密使を送った。この計画は暴かれ、エダードは謀叛人として投獄されてしまう…ラニスターとスターク、七王国の2大家間の亀裂はついに表面化し、戦の火蓋が切られた!陰謀と戦火が渦巻く第1部完結篇。


 え?
 いやー、やられた……。正直、章題タイトルになってる人物はそんなことにはならないだろうとタカくくってました。くそー、解説の言葉が胸に刺さります。これ以外も、ラニスターVSスタークの結果やデーナリス方面の展開などで予想を裏切られまくり。やってくれるぜジョージ・R.R. マーティン! 特に前者は意外でしたね、もうちょっとやり手かと思ったんですが。ところでハレンホールって何処でしたっけ、地図にのってない……。
 サンサはやっと目を覚ましてくれましたね、さすがにこんな状況になれば当然ですが。ジョフリーひどいなあと思って読んでたんですが、巻末見たらまだ12歳なんですね。12歳がばりばり王権振るいまくりとは……。サーセイが何考えてるのかよく分からなくなってきました。
 一番気になっているアリアはちょっとしか出番なかったですが、ますます訳がわからないことに。最後のあれは髪切られただけって信じていいですよね?
 各事態に決着つくどころかますます複雑化して、ようやく「氷と炎の歌」のタイトルの意味も分かり(「氷」がどっちを指すかは確信持てないでいますが)、これからが本当のはじまり、ってところでしょうか。2巻は図書館で予約したので近日中に読めそうです、あー楽しみだ。


評価 ☆☆☆☆(8)



___3月6日(火)

メルフォレスー。

>もえぎ文庫ピュアリーですが、「クチコミ&投稿マガジン」の読者向けのレーベルなんです。BL系作 >品と乙女系作品の両方を出版するそうです。ですので、うちではBL分室の方で扱ってます。なお、 >小林さんの作品は巻末に同人用語集が付くそうです。

 情報ありがとうございます、常日頃お世話になってます。
 なるほどそういうレーベルだったんですね、「クチコミ&投稿マガジン」なんてはじめて名前聞きました。B's-LOG文庫を両極端にした感じのレーベル、という認識でいいのかな。しかし同人用語集付きとは、ますます機雷に見えてきました。


【今日読んだ本】

七王国の玉座4 氷と炎の歌1 (ジョージ・R.R. マーティン/ハヤカワ文庫SF)amazon



《あらすじ》
 スターク家のケイトリンは、王妃の弟であるラニスター家のティリオンを捕虜とした。だが妹を頼って訪れた高巣城で、知略に長けるティリオンは策を弄して自由の身となってしまう。そればかりか彼女の行動がラニスター家の怒りを買って、七王国に戦の火種を撒く結果になった。都で“王の手”として国政を司る夫エダードも襲撃を受け瀕死の重傷を負うが、一方で彼は、七王国の未来を揺るがす忌むべき大罪を暴きつつあった。


 新刊読み終わってませんが、読みたい気分になったので氷と炎の歌に再着手。ついにラニスターが表立った動きを見せる第4巻。
 あー、エダードそれはない。いくら名誉を重んじるといっても、明らかな悪党に手の内ばらしちゃうとは……。こういう性格だからこそロバートの親友やってこれたのかもしれませんが、いやでもなあ。せめて権謀術数に長けている味方がいれば全然違う結果になったんでしょうが、このエダードを孤立させた時点でラニスターの勝ちだったわけですね。しかしラニスターはどうしようもなく腹立たしいですね、バリスタンに対する嘲笑は人でなしの一言に尽きます。
 そんなラニスターに対して「恋は盲目」状態のサンサはいつ目を覚ましてくれるのか。いや、盲目というよりは必死に見ないふりをしてるのかな。父親が絡んでいるだけに破綻は近そうですが。それよりもアリアですよアリア、誰の元に辿り着くんでしょうか、頑張れ頑張れ。
 壁外やドラゴンが襲いかかってくるのは2章以降になりそうな感じですね。とうとう壁外の脅威が間近に迫ってきたし、大陸内で争っている場合じゃないのに。七王国はどうなってしまうんでしょうか。とりあえず次巻のロブケイトリンVSラニスターの結果を見届けましょう。……ロブが勝てる気しませんよ?


評価 ☆☆☆★(7)



___3月5日(月)

 少女文庫ニュース様が開設されていました。少女文庫方面は情報が手に入れにくいので、少女小説読みとしては非常にありがたいです。

 そしてこちらのサイトではじめて存在を知ったもえぎ文庫ピュアリー。1冊は女の子主人公みたいなので期待しま
 ……人柱になるかなるまいか。もしかしたら何事もなくスルーするかもしれませんが察してください。

 あとウィングスがマイナーなのを嘆かれていたので、捕捉されるか分かりませんがウィングス文庫レビュー張っておきます。ウィングス面白いですよ! メジャーになったウィングスなんて想像できませんが。トラックバック? 何それ食べれる?


【今日読んだ本】

放課後あやかし姫 ―家出王子がやってきた!― (足塚 鰯/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 高校1年生の日名子は、昔から妖の姿が見える特異体質。そのせいでいつのまにか、妖たちの相談をきく何でも屋状態に。普通の高校生活を送りたいのに、今日もしゃべる鴨の妖がやっかい事を頼みに来て!?


 ここしばらくはファンタジーを書いていた足塚さんの久々の新シリーズ、妖に頼みごとをされまくるお人よし女子高生が主人公のお話。
 これはいいほのぼの、足塚さんの作品はこういうまったり路線の方が好きです。主人公の日名子は妖の頼みを一度聞いてしまったために次々頼られることになってしまった受難体質。遠慮を知らない妖に時には「鴨鍋に……」と殺意を覚えるものの、結局見捨てられないし、なんだかんだで妖のことを気にいっているのが前向きでいいですね。こんな四六時中絡まれている状態、自分なら絶対耐えられなさそうです、日名子すごいなあ。
 日名子の相手(?)のツムギはあまりにも世間知らずの坊ちゃん、だからこそ日名子のほっとけない精神を刺激したんでしょうね。事件を通して大分成長しましたが、日名子のラブの相手にはまだまだ釣り合いがとれない感じで物足りません。次巻があるならもっともっと頑張ってほしいところ。でも、話の展開は、起承転結がはっきりしているし意外性もあって楽しめました。「○○○○○○」の6文字には日名子と一緒にびっくり、長の正体までは何となく予想ついていたんですがそうくるとは。最終章のまとめ方も実に微笑ましくてよかったです。この路線でいってほしいですね。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 鏡のお城のミミ 愛される道のゆくえ (倉世 春/コバルト文庫)
 放課後あやかし姫 ―家出王子がやってきた!― (足塚 鰯/コバルト文庫)



___3月4日(日)


【今日読んだ本】

スイートホームスイート4 世界で一番すてきな遺産 (佐々原 史緒/ファミ通文庫)amazon



《あらすじ》
 衝撃のロンドンから2カ月。ヴァチカンの動きを知ったアデルは、半ば自暴自棄のように妙な行動をくりかえしていた。彼女を少しでも励まそうと、一人クリスマスの準備にとりかかる一彦。そんな一彦の気持ちを知ったアデルは、ついに自分の過去を一彦に打ち明ける。壮絶なアデルの過去を知った一彦に、さらに襲いかかる最大の危機! はたして一彦は、フリューゲルト家を守れるのか!? 波瀾万丈ファンタジック・ホームコメディ、いよいよ感動の最終巻!!


 ヨーロッパの架空小国フリューゲルトのお城を舞台にしたホームコメディの最終巻。
 やっぱり佐々原さんの作品はいいなあ。今シリーズはいつも以上に読後感が素晴らしかったです。前巻最後で最大の危機がやってきて、さらに追い討ちをかけるかのように「そんな人いたなあ」という輩まで出てきて、フリューゲルトは本当に大変なことに。そんな中で、いやそんな中だからこそ実感させられた「ホーム」。危機を前にしてのアデルの選択と一彦の受け答えが無茶苦茶かっこいい。1巻の「いらない」からこの巻の「すてきな」への変化が心の底から納得できました。
 アデルと一彦の関係は、この2人だとまだこんなところでしょうね、ロマンスとバイオレンスの両立が似合ってます。これからもさぞ紆余曲折があるだろうけれど、その先には希望に満ちている、そう確信させてくれる心暖まる終わり方。文句なしにすてきなシリーズでした。
 そうそう、とても驚かされたのが、ひいじいさんことヴェルナーの性格。もっと実直タイプの人間をイメージしていたので落差にびっくりしました。ドラゴンボールって、あーた。この人とアデルがどんな会話をしてどう過ごしていたのか、気になるので是非読んでみたいなあ。あと、ヴェルナーの姿を伝えられたイリーヤの行動が印象的でした。色々問題はあるけれどいい女性だよなあ、彼女ももっともっと姿を見ていたかったです。
 そしてあとがき、フェリオス大陸舞台のお話きたああああああ! 文庫とは言ってないのでweb連載あたりなのかもしれませんが、読めればいいです読めれば、あー楽しみだ。


評価 ☆☆☆☆★(9)


【今日購入したもの】
 スイートホームスイート4 世界で一番すてきな遺産 (佐々原 史緒/ファミ通文庫)



___3月3日(土)


【今日読んだ本】

神語りの玉座 星は導の剣をかかげ (薙野 ゆいら/角川ビーンズ文庫)amazon



《あらすじ》
 突然隣国から宣戦布告されてしまったセレティス王国。世継ぎの王子セフィオは国を救うため、大国エスウェンと密約を結んで対抗しようと、密使として現れた謎めいた美少年アディスと共にエスウェンへと脱出する。だが旅の中、様々な障害が二人に襲いかかってきて――!? 「おれは、おまえの生涯の友たることを誓う!」 かけがえのない絆で結ばれた、少年達のヒロイック・ファンタジー!!


 今月のもう1人のビーンズの新人さん、奨励賞受賞のごった煮ファンタジー。
 うーん、惜しいなあ。書こうとしている内容は好きなんですよ。セフィオとアディスの2人とも、幼い時に誓った絆を信じて生きてきて、再会した後、立場の問題や父親の存在に苦しめられつつも2人の絆は切れることない、いいじゃないですか。神話上だけじゃなくて現実に神の末裔やら半神やら神剣やらが存在している世界観も、策を弄した戦争描写なんかもあって基本的には好み。アディスの父親のこれでもかという徹底した悪役っぷりも気にいりました。
 でも、手放しで面白いというにはちょっと欠点が大きすぎでした。まず、あまりにも言葉に頼りすぎ。「アディスが自己犠牲っぽい行動とるのを止めないと」、これはいいんです。でも、止める時の言葉がとっても長くてくどくて臭い。計1ページ以上も語尾に「!」がつくセリフ続けるのは勘弁してください……。もう1つ、世界観の雰囲気は好きなんですが、いくらなんでも造語が多すぎ。ここまで凝られると、作者脳内だけに壮大なある厨設定と言わざるをえないです。せめて半分くらいに抑えてくれればよかったんですが……。
 というわけで、欠点がもったいない作品でした。続編出るみたいですが、とりあえずセフィオとアディスの関係落ち着いたし様子見、別シリーズ待ちで。


評価 ☆☆☆(6)



___3月1日(木)

 2月のまとめ。

 読了――23冊
 購入――31冊

 買いすぎた。


【今日読んだ本】

身代わり伯爵の冒険 (清家 未森/角川ビーンズ文庫)amazon



《あらすじ》
 事件は、いつもと変わらない昼下がりに起きた。庶民的パン屋の看板娘で、彼氏いない歴16年のミレーユのもとに、突然現れた謎の青年――。彼から告げられたのは、ミレーユの双子の兄の大迷惑な所業と、彼女の運命を激変させる企てだった! 「あなたは身代わりになるんです。ベルンハルト伯爵のね」 かくして『身代わり伯爵』の奇妙で華麗な冒険が幕を開ける!! 第4回ビーンズ小説大賞読者賞受賞の、超王道ファンタジー!


 氷と炎の歌は一旦お休みしてビーンズの新人さんに着手。読者賞受賞の男装ファンタジーです。
 うわーベタだ。双子の兄が失踪→妹が代わりに男装→ハプニング起こったり事件に巻き込まれたりでドッキドキ、ととてもありふれた展開。センスがおかしくて所々ずれた元気少女、という主人公のキャラ造形もビーンズテンプレの一種で、全然目新しさはありません。でもね、

 ベ タ で 何 が 悪 い !

 護衛役のリヒャルト1人だけが秘密を知っていて、天然タラシで甘いセリフくれるし、ピンチの時には守ってくれる、萌えるじゃないですか。親衛隊に襲われたり、美形のホモに迫られたりといったピンチも萌えるじゃないですか。あー、男装少女っていいですね!
 主人公のミレーユが、ダメージ受けてもすぐ回復、やるからには割り切ってとことんやる、とてもバイタリティある女の子で、読んでてとにかく楽しかったです。ダメージ受ける時には思いっきり狼狽してくれてかわいいですし、パン生地を叩きつけて怒りを発散したりといった変なセンスも気にいりました。主人公以外のキャラクターも、出番少ないのに強烈な存在感を放っているナルシス兄貴をはじめとして変な人間が多くて楽しさ倍増。事件の謎も程よい難易度でいい按配ですし、何よりラブが甘くて萌えるのが素晴らしい。傑作とかいう類の物語ではないですが色々とドツボにきました、久々にビーンズで大当たり。
 綺麗に終わってるので続きはなさそうですが、かわいい暴走王女様をはじめ、見足りないキャラが結構いるので、同舞台で別の人を主人公にした作品が出るといいなあ。(ていうか、出ないと第二王子が不憫すぎます)


評価 ☆☆☆☆(8)