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___6月29日(日)

 色々再読していて新刊があまり読めてないので、ここらでオンライン小説感想。

・硝子の靴は、赤い糸?@水藍の、勝手気ままな小説ホームページ

 ハイテンションな根っからの庶民が王宮に連れてこられて繰り広げられる王宮ラブコメ。無茶苦茶で強引な点も多々あれど、結構な分量を一気に読みきらせるテンションの高さ、主人公のたくましさなどがすごい好み。甘さも後半はそこそこあって、かなりのお気に入りです。
 いつの間にか新連載がはじまっていたので、そちらも楽しみ。

・リンダリング@ロビン

 メルフォのお勧め作品、今度HJ文庫でデビューする方が書いているオンラインRPG物。せっかくオンライン物なのにリアルが全く関わらないのはもったいないなあとか、ちょっと一ミッションの分量多いなあ(特にゴースト屋敷)とか気になるところもあったんですが、 買うものに迷ったり情報集めたりといったいかにもRPGな要素がぎっちり詰まっているのが懐かしく楽しかったです。 とりあえずデビュー作は買ってみます(読む前から買うつもりでしたけど)。




___6月27日(金)


【今日読んだ本】

果南の地(上)暁鐘編 (山下 卓/小学館スーパークエスト文庫)amazon

 

《あらすじ》
 それは、一つの小包から始まった-入っていたものは『地球空洞説』そして、異端の学者・佐伯史朗に関する資料だった-。オカルト雑誌のライター八神亮介は編集部に届いたそれを記事にするべく調査に乗り出すが、自分の身や周囲に次々と異変が起こるようになる。フラッシュバックする記憶にない映像。謎めいた電話。平穏と思われた自分の人生が、非現実的な異常な世界へと変化していく-。新鋭が放つ、オカルティック・サイエンスノベル登場!!


 八神亮介を主人公とする「BLOODLINK」の前日譚「果南の地」に着手。マーケットプレイスではかなりの値がついてますが、ヤフオクでは普通の値がついてるみたいですし、ブクオフでもスーパークエスト文庫扱ってる店では時折見かけるので、入手難度はそれほどでもないはずです(少なくとも「コンビネーション」あたりよりは遥かに楽)。
 で、感想ですが、なるほど「BLOODLINK」の後半のノリが本来の姿で、むしろ最初の学園物なノリが異端だったわけですか。上巻から「箱庭」という単語が出てきたり、地球空洞説の文字があらすじにあったり、オカルトチックな壮大な物語が根底にあるみたいです。BLOODLINKの前日譚というよりは、むしろBLOODLINKが脇道なのかもしれませんね。
 普通の暮らしがだんだん非日常に侵食されていく様はうまいなと思いましたが、果南のかわいさはカンナには及ばず(亮介とどういう関係なのか大体分かっちゃってるせいもあるかも)。3点リーダ多用気味だったりのせいで文章は今と比べると大分読みづらいし、BLOODLINK抜きに単体として評価するとやや魅力に欠けるかなあ。まあ、伏線補完の要素が加わっているので普通に楽しめました。
 というわけで下巻へ。の前に余談。本文の最後に『下巻「業界編」へつづく』とありました。業界と業果、ちょっとの違いなのに別物ですね!


評価 ☆☆☆(6)



果南の地(下)業果編 (山下 卓/小学館スーパークエスト文庫)amazon

 

《あらすじ》
 同僚の突然の自殺、上司の失踪 - そして、異変は娘である果南にも訪れる -。異常なほどの執着心で、佐伯史朗を追い続ける八神亮介は、事件とともに暴かれていく世界規模の陰謀と異端の学者の研究に既視感を覚える - 自分は何者なのか? 亮介と果南を軸にして語られる真実は、全人類を巻き込む進化への序曲であった -。極彩色に奏でられる異色の伝奇SF。堂々の完結!!


 で、下巻。
 あ、あれ、おかしいな。果南の地読んだら大体の謎分かると思ってたのに、そんなことはありませんでした……。色々分かった事実もありましたが、それ以上に分からないことが増えて、ちょっと消化不良気味。あらすじの「堂々の完結!」がダウトすぎだし、「果南の地」→「BLOODLINK」の順に読んだ場合、気になっていた謎が全然明かされなくてイライラしそうな気がしますこれ。地蟲とかどうでもいいから間の空白の期間に何が起こったのかとっとと書けやこの野郎! とか言いたくなりそう。やっぱりこれからが本線なんでしょうか。蜻蛉とかどうなるんでしょう。
 果南の地単体として見ると、うーん超展開気味かなあ。物語が設定に追いついてない気がします(あとがきにこれからが本番ってかいてありますし)。でも、果南を待ち受ける運命も組織間の対立も前提知識があって、驚くべきところで驚けないのが大きかったかもしれません。いずれにせよ、これから読む人は補完メインで読むのがよさそう。BLOODLINKの記述から予想された欝展開も、警戒していたためかさほどでもありませんでしたし。この辺の設定は大体予想した通りで、これ分からないほど目が曇ってはいなかったかと一安心。BLOODLINKの途中で佐伯史朗女性説とか少し考えたのは内緒です。
 とりあえず、ファミ通で出る果南の地待ちですね。改稿されて鴉門あたりがもっと前面に出てきそうです。


評価 ☆☆☆(6)



___6月25日(水)


【今日読んだ本】

BLOODLINK 雪花(上)(下) (山下 卓/ファミ通文庫)amazon

   

《あらすじ》
 天使の手がかりを追い、クラブ「タントラ」に向かった和志と八神が見たものは、伊良部夏美と山科沙由里のあまりに哀しい残滓だった。思ったほどの収穫もなく、八神と別れ独り帰途についた和志だったが、その視界が突如赤く染まる! ついに明らかになる獣と神と人の盟約。和志とカンナは失った明日を取り戻せるのか――? 人気コンビが満を持して贈る青春伝奇ロマン待望の第五弾!!


 今世紀初頭にラ板大賞で人気を博した青春伝奇オカルトロリ小説「BLOODLINK」、ついに第一部完結。思い出すために数年前の自分の感想を読み返してみて「こりゃひどい」と思いつつ、今もあんまり変わってないわけで。続き物を読むときは、ちゃんと以前を思い出してからにしよう。で、分けて書きにくいので上下まとめての感想です。
 あ、あれ、おかしいな。しっかり再読して望んだはずなのに、全貌がさっぱり見えてきませんよ? まだまだ材料が揃ってないせいなのか、はたまた自分の理解力が足りないせいなのか。おぼろげな点の繋がりは見えるし、部分部分では理解できていることもあるんですが……。地球空洞説を物語と結びつけるだけの材料は出揃ってないと思いたいです。まあ、この辺は果南の地を読んでから改めて考えることにします。なんか、果南の地はかなりエグい展開待ってそうで怖いんですが……。
 で、謎はおいといて、シリーズ全体通しての感想。通して読んでみると、最初の頃とは結構方向性が変わったなあと実感。ここまで民俗学やオカルトが前面に出てくるとは。これはこれで面白いんでいいんですけど、一気に情報が降ってくるのがちょっとバランス悪い気はしました。あと、最初の頃は和志とカンナの物語だと思っていたのが、後半はほとんど和志の物語として描かれていたのが残念。雪花の記述を見るに、本質的には2人の物語だと思うんですけど、ここ数巻は「男の戦い」っぽいのが少し好みとは外れていました。
 そんな中で、沙由里と夏美の2人は、外伝の2組とは異なる側面を見せてくれていてよかったなあと。恋が原因でうまくいかなくなって、その辛さを抱えたまま生きている2人の姿は、恋の素晴らしさ・強さを描いた「刹那」とは味わいが違うものの、やっぱり切ないものでした。
 さて、果南の地に突入することにします。「薔薇の剣」読んだばかりだから、ちょっとやそっとの欝展開には負けませんよ!


評価 ☆☆☆★(7)



___6月23日(月)


【今日読んだ本】

プリンセスハーツ 両手の花には棘がある、の巻 (高殿 円/ルルル文庫)amazon

 

《あらすじ》
 ルシードが北へ遠征中、ロ・アンジェリー城の大公妃ジルのもとへ、愛妾(あいしょう)選考会で選ばれた美しい伯爵令嬢オルプリーヌが花嫁行列をなしてやってきた! 突然の事態にジルを除いて城は大混乱。そんななか凱旋してきたルシードは、自分の愛妾の出現に驚愕! ますます大混乱の王宮で、オルプリーヌが意味あり気な行動を…!? マシアスの意外な過去も明かされる! 華の王宮で、恋と野望は止まらない!


 新刊ラッシュも一息ついて積み本&積み感想崩し、一見冷めている王夫妻が中心の恋と陰謀の物語「プリンセスハーツ」第2巻。
 最近「合わない」という言葉を多用していてよくないなぁと思うんですが、これも合いませんでした。とはいえ、これは合わなかった原因が自分でもはっきり分かってます。ジルとルシード両者ともに互いが気になるオーラを出しまくっているんですが、その出しっぷりと彼女らがとっている行動とが、自分の中でうまく繋がらなかったんですよね。いくら無意識に嫉妬したりで目が曇っているといっても、普段の姿から変わりすぎな気がして違和感ありまくりで駄目でした。特にジルはもう少し理知的に描いてほしかったです。
 今後もしばらく変わらない気がするし続きはパスかなあ。パルメニアは若干捨てがたいんですが。


評価 ☆☆(4)


【今日購入したもの】
 BLOODLINK 雪花(下) (山下 卓/ファミ通文庫)

 長らく積んでいた「果南の地」を読む日がとうとう訪れそうです。といっても、BLOODLINKの完結待っていたわけではなく、手に入れただけで満足しちゃって読む気が起こらなかっただけなんですが……。



___6月22日(日)

 今度こそ減らすと言った日にミスをするのが(ry もうだめです。


【今日読んだ本】

放課後トロイメライ1 (壱乗寺 かるた/富士見ファンタジア文庫)amazon

 

《あらすじ》
 私立御城学園で選ばれた生徒のみがなれると噂の<トップ3>。しかし第十三期<トップ3>に選ばれたのは知力体力共にへっぽこ藤倉冬麻17歳。学園中の嫉妬を一身に受ける冬麻には今日も今日とて災難が降りかかり!?


 富士ミスから移行してきた学園ラブコメ「トロイメライ」シリーズ第8巻(だったかな?)。
 オタネタ使いすぎだろうjk……。レーベル移行で新規組の心をつかむためなのか、初期の頃を思い出させるくらいネタが多かった気がします。「ゆっくりしていってね!」みたいな最近の奴まで使ってくるとは。嫌いじゃないんで別にいいですけどね。
 で、新規組獲得のために複雑なお家事情は全然出てこなくて、今巻は1冊丸々ラブコメ。それは歓迎なんですが、なんだか都が正ヒロインみたいな描かれ方をしていて非常によろしくない。正ヒロインはやっちんに決まってます、泉ちゃんや都さまはただのかませ犬です。これだけ著者の贔屓全開で期待持たせといて都ルートなんていった日には、文句書いたアンケートはがき送りつけてやりますよ(本気)。とりあえず今回はやっちんのかわいいところも一杯見れたので満足ですけど、続きが不安です。


評価 ☆☆☆★(7)



BLACK BLOOD BROTHERS 9 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 黒蛇接近― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)amazon

 

《あらすじ》
 赤き血と黒き血、双方の未来を握る鍵となる存在であるミミコを狙い、『九龍の血統』が牙を剥く。一方、ジローはミミコの危機を察知、各地の血族を一つにまとめ『九龍の血統』に立ち向かおうとするが――!


 そろそろ佳境の、現代舞台の吸血鬼ストーリー「BBB」第9巻。
 反撃編の前巻からの正当な続きといった感じで奇をてらう展開はありませんでしたが、当然のごとく鉄板な面白さでした。前半は、作中でも語られているような殉教者のごときミミコの痛々しさが鮮烈。10代の少女が組織のトップを張る姿は誰がどうみても無理をしていて、実際くじけそうになってるんですが、それでも潰れないミミコの精神力が素敵でした。そして、後半の目玉はもちろんクーロンチャイルド襲撃。やっぱりこのシリーズのおっさんは渋かっこよすぎだと思った次第です。ワイン関連は自分としては珍しく登場の時点で予想ついたんですが、そんなの関係なしに燃えました。
 でも、今巻一番印象的だったのは、欧州その他の吸血鬼の面々。アンヌやルイといった長い間生きてきた者たちが、世界の動きに対し何を考えどう動いたかといったあたりに、短編集の書き下ろしで描かれてきた時代の動きをひしひしと感じました。彼らを動かしたジローも、さすがヒーローといえるかっこよさ。ただ、ここでも「クイーンM編邪魔じゃね?」という考えがどうしても浮かんでしまうんですよね。これが正史なのはどうしても納得いかないです。
 さてあと2冊、できるならば傑作の7巻を上回ってくれますように。


評価 ☆☆☆☆(8)



___6月21日(土)

 ミスを減らすといった日にミスをするのがうちのサイト! ごめんなさい今度こそ減らしますきっと。あとミス指摘ありがとうございます……。


【今日読んだ本】

SH@PPLE ―しゃっぷる―2 (竹岡 葉月/富士見ファンタジア文庫)amazon

 

《あらすじ》
 大好きな蜜とソロリティの胡蝶の宮に、温泉へ誘われた雪国(モチロン女装)。お泊まりとか嬉しすぎてOKするが、旅先に双子の姉・舞姫とSEC、雪国のお風呂シーンを見たホテルの娘など次々と現れてもうタイヘン!


 「薔薇の剣」で傷ついた心を癒すにはラブコメだ! ということでツインズラプソ 「SH@PPLE」第2巻。
 うん、癒された。蜜かわいいよ蜜かわいいよ蜜。これで感想の半分くらいは終わっちゃうんですけど、かわいいんだから仕方ない。嫉妬全開の混乱っぷりが素晴らしかったです。胡蝶の宮は正直どうだっていいんですけど、蜜に嫉妬させてくれるだけでいる価値ありますね。ただ、幼馴染ネタを投入するのはずるいです。それは余計だと思うんだけどなあ。
 入れ替わりものお約束の「ばれちゃうかも」で脅される展開も楽しかったです、雪国がいい具合に狼狽してくれました。「いやそれ信じるなよ」とか「つーか気づけ」とかツッコミたくなる点もありますが、まあそれは野暮ですね。双子のもう一人、舞姫の天然淡白っぷりは露骨にやりすぎな気もしますが、こっちもかわいいので別にいいや。SEC会長とくっついたりするのは、微妙に好みじゃないんですが、どうなんだろう。
 いいところで引けて、蜜がますます混乱しそうな3巻が楽しみです。


評価 ☆☆☆★(7)



メグとセロンII 三三〇五年の夏休み<下> (時雨沢 恵一/電撃文庫)amazon

 

《あらすじ》
 ルックスも頭も良くて女子に大人気のセロン。可愛くおとなしそうで実は正義感あふれる天然系(?)のメグ。セロンの親友、熱血漢金髪のラリー。長身でメガネをかけたサバサバ女子のナタリア。美形長髪でちょっと皮肉屋のニック。たった一人の新聞部員、カメラを手放さないジェニー。――6人の個性豊かなメンバーによる、恋あり、友情あり、ミステリーあり、のドキドキハラハラワクワクドタバタ学園物語、第2巻! 夏休み、演劇部の合宿に手伝いで参加した6人は、謎の人物(?)が潜んでいるらしい倉庫へと探検に出かける! 謎の人物の正体は――!? セロンの想いはメグに届くのか――!? “三三〇五年の夏休み”完結編! 巻末には、書き下ろし短編も特別収録。


 読むタイミング逸してしばらく積んでいた、学園のちょっとした冒険を描くファンタジー「メグとセロン」第2巻。
 うーん、物足りない……。いや、学園の少年少女たちのちょっとした冒険物としては、文句のつけどころがないパーフェクトな出来なんですよ。でも、自分にとって、この「メグとセロン」は進展しない初恋に思い悩むセロンのかわいさを愛でるのがメインの作品で、その観点では1巻と比べると見劣りしました。まあ少しは仲良くなってるんですが、もう少し進展してほしかったです。巻末の書き下ろしに出てくる、一目惚れした当時のセロンはよかったんですけどね。
 というわけで、続きはどうするか未定。ページ数とかあらすじ次第で決めます。


評価 ☆☆★(5)



アストフェルの舞姫 (木村 千世/B's-LOG文庫)amazon

 

《あらすじ》
 東領聖撰軍に所属する舞師シュマリアは、義兄アレスや旅団の仲間らと【闘舞】に参加するため帝都アムサールへ向かうことに。そこで印象深い瞳を持つ美貌の自称・宮廷楽師、シフルという青年と出会う。その後も度々彼と遭遇するシュマリアは、知らず知らずのうちに帝国を揺るがす陰謀に巻き込まれていき──!?  第10回えんため大賞ガールズノベルズ部門佳作受賞作、華麗にデビュー!!


 今月のもう一人のビズログ新人さんの作品、アラビアンで魔術な世界が舞台のファンタジー。
 むー、東風に引き続き、これも合いませんでした。といっても合わなさは全然違って、東風が合わなかったのは後半のキャラの描き方でしたが、こちらは最初から「なんか面白くないなあ」という思いが終始つきまとってました。色々書きたくて一つ一つの要素があっさりしてるというか、主人公もヒーローも恋愛描写も世界観も、どれも今一歩。客観的に見て話きっちり作ってあるなあとは思うんですが……。行動的な女の子にいかにもな王子や義兄がついているのに、どうしてこんなに萌えないんだろう、うーん。
 ビズログの新人=大体当たり神話もあっさり崩壊。新人特攻には気をつけましょう。


評価 ☆☆(4)


【今日購入したもの】
 SH@PPLE ―しゃっぷる―2 (竹岡 葉月/富士見ファンタジア文庫)
 BLACK BLOOD BROTHERS 9 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 黒蛇接近― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)
 放課後トロイメライ1 (壱乗寺 かるた/富士見ファンタジア文庫)
 聖剣の刀鍛冶 (三浦 勇雄/MF文庫J)



___6月19日(木)

 再読フェアが一段落ついたので、そろそろ更新ペース通常化の予定。

 画像表示ミス? んなもんいつものことです。ごめんなさい減らします。


【今日読んだ本】

薔薇の剣 2〜5巻 (ゆうき りん/コバルト文庫)amazon

     

《あらすじ》
 スターリングが信頼を寄せる従者ロザリオンは女であった…。密かに企んでいる復讐を成功させるための姿だと、彼女から聞いたスターリングは!? 一方、ラプトシャンとの間には戦争が勃発し…。


 男装少女小説として情報いただいた、10年以上前に発売されたファンタジー「薔薇の剣」。一気読みだーと意気込んで読んでいたのですが、色々と打ちのめされたので、一旦5巻までの感想書くことに。
 1巻の時点では、新たに薔薇の騎士となった前途洋々な2人の青年を描きつつ、あちらこちらに見え隠れする不穏な空気に戦々恐々としていたわけですが、予想以上にダークで欝な話でした。対植民地の戦争でボコボコにされてひどいことになるくらいは想定内だったんですが、王宮の大臣達が気狂いばかりで、普通の人たちを待ち受ける運命がえげつないことこの上ないです。精神破壊やら人体改造やら、子供の頃に読んだら心に傷残りかねませんよ……。キラキラと眩しく輝いていた主人公の一人が見る影もなく壊れていく様とか読んでてしんどいですほんと。おまけに寝取られ風味までありますし。それはダメージでかいですって。落ち込み気味の時に読む話じゃなかったですねこれ! 明日出るSH@PPLEに癒してもらうことにします。残り3冊はしばらく間空けようっと。
 以下各巻の一行感想。

2巻
人間裏表が多いなあというお話。植民地の人たちが普通に残虐なのに少しがっかり。

3巻
━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!(声にならない叫び)
騎士と従者でおまけに男装、結ばれぬ身分差と通じ合う想い! これですよ、これ! エナとか相当ひどい目にあっててエグいですが、これだけで元気100倍。

4巻
あ、あれ、何か様子が変です……。ジャクロードさん何やってるんですか?

5巻
\(^o^)/ナンテコッタイ


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 アストフェルの舞姫 (木村 千世/B's-LOG文庫)
  レギ侯爵の末娘 よかったり悪かったりする魔女 (野梨原 花南/コバルト文庫)
 しゃにむにGO29 (羅川 真里茂/花とゆめコミックス)
 コルセットに翼2 (もと なおこ/プリンセスコミックス)
 天の竜*地の桜1 (すもも もも/プリンセスコミックス)

 おいこらしゃにむ、だからそんないいところで切るんじゃねえ!



___6月16日(月)

 積み崩しに向けてBLOODLINK再読してたら、「天使の幻影」がどこかに消え去ってました……。4年前には間違いなく読んでいるのにおかしいなあ。


【今日読んだ本】

東風を運ぶ飛魚 (菊地 悠美/B's-LOG文庫)amazon



《あらすじ》
 幼馴染であり悪友同士のゼンとグランツが設立した【ゼングランツ協会】はここフィルリス国で妖魔退治(という名のなんでも屋)を生業としている。ある日、大貧困のゼングランツ協会を訪れた、ひとりの軍人。渡された書簡にはフィルリス国のトップである総裁閣下の署名……。中には『飛魚を探してほしい』という依頼と破格の成功報酬額が。「飛魚」(ルビ:ひりゅう)とは空を飛ぶ魚で、春を運ぶと噂されている貴重な生き物。その姿がいまだ見られない今冬は奇妙な伝染病が蔓延しはじめていた。──というわけで、ゼングランツのふたりは「飛魚探しの旅」へ。しかし前途洋洋、計画通り飛魚を捕獲して報酬ガッポリ! のはずが、正体不明の妖艶な美女にゆく手を阻まれて──!? 第10回えんため大賞ガールズ部門奨励賞受賞×第3回B's-LOG文庫新人賞佳作受賞、堂々デビュー!!


 今月のビズログの新人さんの作品、ビズログでは珍しい男主人公の魔法ファンタジー。
 面白くないわけではないんだけど、個人的にはあんま好きじゃないかなあ。読み出してから男主人公だということを知って、おまけに男コンビでこれは外れかもと思ったんですが、BLっぽさは全然なくて、元気がとりえの少年が行方不明の飛魚の謎を追うお話として、導入は楽しく読めました(あんま少女小説っぽくはないですが)。
 で、途中から気が強くてかっこいい女の子が出てきて、主人公との絡みでさあここからもっと面白くなるのかと思いきや、ここから合わなくなるんだから不思議なもんです。最初は仲悪かったのが、お互いのことを知って認め合うようになるっていう関係は結構好みなはずなのに、距離の縮まり方とか惚れ方の描写とかにすごく違和感があって嵌れませんでした。女の子単体で見るとかなりかわいいだけになんとも残念。
 あと、奇跡を起こすご都合主義の描き方もあんまり好きになれず。奇跡に中途半端に理由づけようとしているせいで、魔法の設定が説明されていないのが気になっちゃいました。2連続の奇跡を努力の結果としちゃうのがなんだかなあと。
 そんなこんなで、合う人には普通に合うと思うんですが、自分にはダメでした。事件も恋愛も主人公たちのトラウマもまだまだこれからのようですが、続きはスルーで。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】
 東風を運ぶ飛魚 (菊地 悠美/B's-LOG文庫)
 薔薇の剣 全巻 (ゆうき りん/コバルト文庫)

 もう一つの新人さん作品は売り切れでした。薔薇の剣がやっと揃ったので、そのうち一気読みします。