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___10月16日(木)


【今日読んだ本】

海馬が耳から駆けてゆく5 (菅野 彰/ウィングス文庫)amazon

 

《あらすじ》
 「四十になったら、振り袖を着ましょうとも!」 友人・月夜野亮のその一言を、著者は忘れはしなかった……。周囲も総ざらいに巻き込んで、阿鼻叫喚の宴の準備。果たしてどうなりますか??!? ニャン太との、切ない最後の日々を綴った「文庫版後書き」も収録!! 日本を抱腹させた爆笑エッセイ、とりあえずの最終巻!!


 菅野さんのネタのような日常を描いた爆笑エッセイの文庫落ちもついに最終巻。
 いやー、最後まで思う存分笑わせていただきました。このエッセイ、医者にいったり引っ越したりといった日常の描写だけでも十分面白いのに加えて、菅野さん本人もその周りの人々も変人ばかりで、ネタとしか思えない出来事を色々と繰り広げてくれるのが楽しすぎます。今回は家族の出番が少なかったですが、その分月夜野さんの40歳誕生日パーティに爆笑。主賓が大振袖着て付き添いはサリー着て80人パーティ、40にもなってこんなのをマジでやっちゃうんだから色々凄い。幹事の無計画っぷりも凄かった。笑える上にとても愛されているのが伝わってくるパーティなのがよかったですね。50になったらやるらしいウェディングドレスパーティも是非どこかで読んでみたいです。
 ちなみに、読み終わった後ぐぐるまで大振袖が何だか分からなかったり。だって知る機会が……。
 さて、海馬も終わったしそろそろ屋上が出てくれるといいんですが。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 S.P.A.T.! ―スパット!― (鷹野 祐希/GA文庫)
 サンエヴリンの魔女2 (征矢 友花/プリンセスコミックス)




___10月14日(火)

 そういえば、へろへろ更新ペースのときにミス指摘くれた方ありがとうございます。せめて1月1ミスを目指して気をつけていきたいです、というわけで今月はもうミスらないようにしないと……。


 自分用の備忘録も兼ねて、このラノ2008投票したものメモ。

暴風ガールズファイト、流血女神伝、シフト、ウィザーズ・ブレイン、BLACK BLOOD BROTHERS

 本能に従って死に票ばかりとなった前回とは違い、今回は60位以内に入るだろうもののみにいれました。女神伝とシフトが入らなかったら色々と心折れますが、まあ大丈夫でしょう。女神伝は完結なわけですし。

【今日読んだ本】

ウィザーズ・ブレインVII 天の回廊<上> (三枝 零一/電撃文庫)amazon

 

《あらすじ》
 《シティ・ニューデリー》の事件から一月。サクラ、真昼ら《賢人会議》は、軍事演習のため北極に展開するシンガポール自治軍と接触を図る。一方《シティ・ロンドン》を訪れた錬とフィアだが、エド、ファンメイにはシンガポール軍牽制のため、北極への出撃命令が下っていた。同じ頃、大気制御衛星の謎を追って北極にたどり着いたヘイズとクレアの前に現れたのは……。謎に包まれた《魔法士》誕生の秘密が、ついに明らかになるエピソード7、ここに開幕!!


 自分をラノベの道に本格的に引きずり込んだ傑作シリーズ「ウィザーズ・ブレイン」第7巻。
 今までの主要メンバーがついに一箇所に固まって、ずっとベールに包まれていた大気制御衛星がようやく表舞台に出てきて、これで面白くないわけがない! ほんと鉄板すぎて言うことないです。刊行ペースが遅くても我慢できるのは、毎回このクオリティを維持してくれるから。ここまで各人が綺麗に繋がってスケールでかい話になるなんて予想以上です、ほんと読んでてよかった。
 以下キャラ感想が中心です。まず久々のファンメイ、「あれ、こんな口調幼かったっけ?」っていう違和感が結構ありました。2巻の時はもうちょっと大人びていた気がするんですが。4巻をあまり読み返していないせいかもしれません(4巻だけはちょっと評価低め)。でも、錬フィアとパーティしたり小龍とじゃれる姿がとても元気そうでよかったです。エドは大変そうですけどね(クレアとかクレアとかあちこちでカップル成立しかけている中、とても出遅れてますし)。
 新キャラのおっさんはこれからどういう仕事するのかが凄い気になります。相性的にはファンメイやヘイズと当たることになると面白そうですが、どう動かしてくるか楽しみ。
 サクラは視野狭窄、というか自分の周りのことだけで頭が一杯なのがなかなか改善されませんね。もうちょっと何とかなってほしい気もするけれど、真昼と一緒なうちは治らないだろうし、1人くらいこういうキャラがいてもいいかも、キャラの大半は若いのにみんな年齢より大人びてますし。その真昼は衛星のことどこまで知ってるんでしょう。相当知っている予感がします。そのうち何か仕掛けて失敗する(しかも錬に諭される)図をずっと待ってるんですが。
 また引きがとてもいいところで、下巻(中かも)が待ち遠しすぎ。次で一気に謎明かされるのか、それとも二転三転するのか。半年以内に出てくれるといいな。


評価 ☆☆☆☆★(9)


【今日購入したもの】
 ラズ・メリディアン2〜4 (結賀 さとる/プリンセスコミックスデラックス)
 夢幻スパイラル1 (草凪 みずほ/花とゆめコミックス)




___10月13日(月)


【今日読んだ本】

姫君達の晩餐 食前酒は赤い森で (山咲 黒/B's-LOG文庫)amazon

 

《あらすじ》
 それもこれも自分がこんなに美しく生まれついたのがいけないのだ──白雪姫は王宮から遠く離れた森で、怒りまくっていた。灰かぶりは、父を亡くし継母も出て行った商会を賢才で切り盛りする。彼女の笑顔には誰も勝てない。そして眠り姫は魔女の逆恨みを受けて眠り続ける──在りし日に約束をした運命の彼を待ち続け……。そんな姫君達がとある森で出逢い、自分達で魔女を倒すため手を組むことになったから……もう王子達もお手上げ!? 3組のカップルが巻き起こすラブコメ童話(ファンタジー)登場!!


 あらすじ見てラブコメらしいので買ってみた、今月のビズログ新人さん。
 薄々評判は耳にしていたんですが、その噂どおり文章がものすごかったです。短文を連続するだけならまだしも、その短文続きで意味もなく改行しまくっているのがかなり強烈。1ページ目の一部を抜粋すると、『彼女は森にいた。(改行)春である。(改行)』こんな感じ。はっきりいって読みづらかったです。ネット小説出身らしいですが、出すからには編集にはもうちょっと頑張ってほしかったなあ(分かりやすい誤字とかも残ってますし)。まずこの文章を許容できないと辛いかと。
 でも、この文章をそういうものだと受け入れてしまえば、物語の筋自体はそれなりに面白かったです。白雪姫、茨姫、シンデレラの3つの童話を闇鍋に突っ込んでグツグツ現代風に煮込んでみたような代物で、「孤独で高慢な白雪姫」といった性格の違いやカップルの関係の違いなど、原作との差異を色々とつけつつ、姫たちをうまく絡ませていました。恋愛方面は一目惚れや前世が多く過程が薄いのが少し残念でしたが、早苗(シンデレラ)のうろたえ方などかわいかったのでよし。
 魔女への反撃に入る前に話が切れていて、先が気になるので続きも多分買います。魔女の物語も一つの柱みたいですが、こちらは今のところただの嫌な人としか描けてないので、その辺がちゃんとしてくれるといいですね。そもそもこの文章だと下巻が出るか不安ですが……。


評価 ☆☆☆(6)



___10月12日(日)

 すごく間が開いてしまいましたが、通常営業モードに戻ります。今月は1日しか更新してないのにミス報告が2件もあがったので、もうミスるわけにはいきません。しないといいなあ……。

【今日読んだ本】

丘の家のミッキー7〜10 (久美 沙織/コバルト文庫)amazon

       

《あらすじ》
 お嬢様学校・華雅学園進学をやめて森戸南に残ることにした未来。華雅に進学する杉丸の壮行会や、少女小説家の香織さまのTV収録につきそったりで春休みが終わり、入学したら変わった人が一杯で!?


 80年代コバルトにおける、言わずとしれた傑作少女小説「丘の家のミッキー」高校生編。6巻までを数年前に読んで、今回7巻以降を読むにあたって、改めて1巻から再読しました。
 で、読んでみたところ、高校生編も悪くはないけれど、やっぱり中学生編とは……というのが正直な感想。本来6巻で終わりなところを嫌々続けた影響がもろに出ているように感じました。7巻あたりには続けたことに関しての作者の反発が露骨に登場人物の台詞として表れているし、その後ヤクザを絡ませてくるあたりは、読者に対する攻撃意識が感じられました。前者はともかく、後者は(少なくとも現代から見ると)浮きすぎていて、ちょっと嫌な気分に。丘ミキでこれはやってほしくなかったです。
 ただ、攻撃的になる気分はとても理解できるんです。6巻のあの名シーンを「ダメ」って言われたらそりゃヘコむし怒りたくなるでしょう。6巻読めただけでも丘ミキ読んでよかったと心から思えたのに。この辺も時代ゆえなのかもしれないですけど。当時読んだ人の反応が知りたいなあ。
 トコの家でのお泊りのシーンとか、それまでのミッキーらしくていいなあと思うところもあるんですが、全体的に見ると6巻で終わっていてほしかったです。でも、6巻まではまがうことなくとてもお勧め。竹岡絵もいいものですしね。


評価 ☆☆☆(6)



占者に捧げる恋物語 (野梨原 花南/コバルト文庫)amazon

 

《あらすじ》
 極寒のローラント王国。カリカは城の床に魔法陣を描き、長い呪文を唱えていた。城付きの占い師スーチャは明日処刑されてしまう! スーチャを助けるため、カリカは必死で助けを求めていた! すると目の前に現れたのは魔王サルドニュクスと魔法使いのスマート。他の世界から呼び出されたのだった。「僕は何でも出来る」と言う魔王だったが、すぐに眠ってしまい…!? 「魔王」シリーズ第二弾!


 「ちょー」シリーズのスピンオフシリーズ「魔王」シリーズ第2巻。
 何だかとてもちょーシリーズ単巻バージョンっぽいお話でした。男衆が異様に情けなかったり、これと決めた女の子が無敵だったり、カリカがどことなく宝珠とかぶったり。これだけかぶっちゃうと、20巻の積み重ねの分「ちょー」の方に軍配あがっちゃうので、少し物足りなかったです。1巻ではそんなにかぶらなかったんですが、うーん。スマートの出番が多かったせいもあるかも。でも終盤、スーチャと一緒にいるカリカはとがったところ0の甘さたっぷりラブラブでよかったですね。カリカがスーチャを諭すノリとかも野梨原さんらしくて好き。次巻は「ちょー」らしくないお話だといいな。
 ところで、イラストがちょーシリーズの頃に比べ大分減ったのが気になりました。質も落ちてる気がしますし(キャラ紹介のカリカの性別分かりにくいです)。次巻以降もこのままだったらがっかり。イラスト結構気に入ってたのに。


評価 ☆☆☆(6)



哀しみキメラ3 (来楽 零/電撃文庫)amazon

 

《あらすじ》
 矢代純、水藤深矢、早瀬綾佳らが住む町で、子供たちが行方不明になる事件が多発した。消えた子供たちは、ある文章をお告げとして信じていた。『願いがあるならば、階段を上れ』 この事件に《モノ》が関係しているのではないかと疑った純たちは、真相を追って動き始めるが……。


 人外と化した少年少女たちが終焉へ辿りつくまでの道を描いているのかもしれない「哀しみキメラ」第3巻。
 うーわー、しっかりと破滅フラグ回収してきてますよ、えぐいえぐい。普通あるような直接的な破滅ではなく、些細な兆候からじわじわと壊れていく描き方がまず凶悪。そして、そのじわじわの裏にさらに崩壊を仕込んであるのが、驚きも加わって破壊力ありました。ちゃんと考えて読めば気づいた気がしますが、まあそれはそれ。3人のキャラそれぞれの状態が綺麗に対照的だったり、取り戻せないものへの憧憬をしっかり組み込んでいたり、色々とうまくて面白かったです。ただ、戸塚さんは若干物足りなかったかな、もうちょっと水藤と繋がり強い印象だったんですが。最終巻ではいいとこ見せてくれるんでしょうか。
 次がラスト、1人くらいは生き残ってほしいですが……。


評価 ☆☆☆★(7)


【今日購入したもの】
 ウィザーズ・ブレインVII 天の回廊<上> (三枝 零一/電撃文庫)
 姫君達の晩餐 食前酒は赤い森で (山咲 黒/B's-LOG文庫)
 海馬が耳から駆けてゆく5 (菅野 彰/ウィングス文庫)




___10月4日(土)


【今日読んだ本】

薔薇のマリア Ver4 hysteric youth (十文字 青/角川スニーカー文庫)amazon

 

《あらすじ》
 ZOOとマリアローズがまだ出会って間もない、エルデンでの在りし日々。書き下ろしエピソードも収録した心温まるエピソード集。初々しいマリアの笑顔に会える!


 鉄板の面白さを誇る青春魔術バトルラブストーリー(?)「薔薇マリ」短編集5冊目は、ZOO活躍のエピソード集。
 ア、アジアンがいない……。ZOO編だとは分かってたんでほとんど出てこないとは思ってましたが、まさか一行すら出てこないとは。最近はアジマリ小説として読んでる部分が多々あったので、アジアンがいないのは自分としてはやっぱりマイナス。初期の頃の短編集ということで、熱い展開もないしキャラの掘り下げもあまりないしで、既刊に比べると物足りなかったです。
 でも、一定の水準は保っていて、同じ時期の話でも読んでて飽きさせないのはさすが。全体的にカタリの馬鹿っぷりが光ってた気がします。書き下ろしの「鳥人ROCK」では、話自体の馬鹿さ加減もあって久々にカタリに大笑いしました。時々滑りまくるところはあるしワンパターンだしアホだけど、いいムードメーカーだと思います。だってカタリいなかったらZOO暗すぎ。
 次の本編はトマトクン編になるのかな? アジアンの出番はちゃんとあればいいんですが。


評価 ☆☆☆(6)



サークル・マジック 〜サンドリと光の糸〜 (タモラ・ピアス/ルルル文庫)amazon

 

《あらすじ》
 魔法で隠された城の地下室にいたサンドリ。嵐で遭難し波間を漂っていたダジャ。判事の前に突き出された街のこそ泥ブライアー。周りで起こる不思議な現象のため孤立するトリス。一人の魔法使いに出会ったことから、彼らの運命が大きく動き始める! 四人はワインディング・サークル学院のディサプリン荘で、秘められた自らの能力に目覚めていき…!? 魔法使いに導かれ、四人の子供たちが紡ぐ物語がはじまる!


 他所の感想見て当たりっぽい雰囲気感じたので買ってみた、久々の邦訳小説。
 感じたとおり、なかなか面白かったです。生まれ・育ちのせいで抑圧されていたり人間不信気味になっていた4人の子供が、触れ合い、また魔法に触れていくうちに、仲良くなっていく物語。最初は相当ひねくれていたブライアーやトリスが、サンドリの押しの強さや癖がある先生の優しさに段々心を開いていく様がはっきりと見えるのがまずポイント。今のところ4人ともほぼ均等に好きです。それに加えて魔法描写が独特なのもよかった。植物を育てたり糸を紡いだりといった自然の魔法がかなり細かく描かれていて、読み応えがあって面白かったです。
 邦訳物にしては文章が読みやすかったのもよかったですね、「読みづらいなあ」と思うことがありませんでした。ただ、読む時間は他の少女小説に比べて1.5〜2倍近くかかってたので、話の中身のおかげかもしれません。
 既刊あと2冊あるみたいなので、新刊が出る前にはそちらも読む予定。


評価 ☆☆☆★(7)



哀しみキメラ2 (来楽 零/電撃文庫)amazon

画像は 公式で と書こうとしたら、公式にうまくリンク張れなくなってる……。

《あらすじ》
 人間を喰う異形の<モノ>と融合して以来、傷つかない体と幽霊が見れる目を手に入れたキメラ―― 矢代純。ある日、純は叔父を呪い殺してしまった少女・森山真里を保護するが……。少女の停滞していた十年間が終わり、めまぐるしい一週間が始まる。


 半人半妖のキメラとなってしまった少年少女たちの人生をしっとりと描く「哀しみキメラ」第2巻。以前1巻だけ読了済。
 どこがいいとはっきり言えないものの、心に残る物語でした。以前1巻読んだときも同じような感想持って、どう書こうかなと考えているうちに忘れ去ってしまった過去があったりなかったり。それはそれとして、何とか言葉を紡ぐならば、人らしく生きようと奮闘する姿と、作品全体に漂う諦念というかやるせなさみたいなもののバランスがいいなあと思います。1人減ったことで色々考えることができてそれぞれのスタンスが明確になったことで、より一層キメラとなってしまった悲哀が増している気がしました。みんな幸せに生きてほしいけど、絶対無理なんだろうなあ……。水藤には死亡フラグたちまくってますし。
 もう全巻購入してあるので、さくさく最後まで見届けようと思います。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 薔薇のマリア Ver4 hysteric youth (十文字 青/角川スニーカー文庫)
 サークル・マジック 〜サンドリと光の糸〜 (タモラ・ピアス/ルルル文庫)
 風の王国 星の宿る湖 (毛利 志生子/コバルト文庫)

 栗原さんの新刊を手にとったはずが、何故か手元には風の王国最新刊がある不思議。あれですか、無意識が新條まゆ絵を回避したと……。せっかくなので、「どこから読んでも大丈夫だから巻数はつけません!」という理屈と戦ってみようと思います(※ 風の王国は1巻読んだことあるだけ)。