5月14日(土) |
【最近読んだ本】 ◆ レディ・マリアーヌの恋人 (宇津田 晴/ルルル文庫) 【amazon】 《あらすじ》 凛々しく純情な少女マリアーヌは、無自覚に令嬢を虜にしつつ可愛い乙女を目指す日々。ロベルト王子の特別扱いにトキメキながらも、過去のトラウマからそれを恋とは結びつけられずにいた。王宮ではローズウィークという祭が始まり、王子はレディ達に大人気。無意識に焼きもちを焼くマリアーヌに、思わずロベルトは愛の告白を! しかし、告白はカイルによって曲解され思わぬ方向へ!? 薔薇咲く王宮で、恋と陰謀の幕が開く! 元騎士の女の子がレディを目指すラブコメファンタジー「レディ・マリアーヌ」シリーズ第2巻。 ロベルト頑張った、楽しかった! なんで終わりなんですか! 相変わらずレディから自然と外れていき、さらにロベルトに惹かれて嫉妬したりするマリアーヌはもちろんかわいかったんですが、それよりもロベルトですよロベルト。カイルによるひどい妨害にあい、カイルに洗脳されてるマリアーヌに想いは通じず、それでも負けずに想いを届けたロベルト、よく頑張りましたほんと。不憫で俺様って最高。マリアーヌ鈍い分、胸焼けするくらいの口説き文句もよかったです。 しかしカイルはそれで満足なんですね、ちょっと意外でした。恋愛に参戦しないのは残念でしたが、最強ストッパーっぷりが楽しかったです。特に最後、転んでもただでは起きないのが底知れないと思いました、完全に出し抜かれたと思ったのに。 あとかわいかったのがゲストキャラのアイビス。マリアーヌに対してツンツンしてたのがどんどんしおらしくなっていくのに、マリアーヌの男前度と合わせてニヤニヤ。こういうお約束ツンデレな子の魅力を、マリアーヌは目一杯引き出してくれますね。ほんとレディじゃない。 で、こんな楽しいのに、打ち切りだなんて……。ルルルでついに個人的ヒットが! というシリーズだっただけに、これで終わりなのが本当に残念。ほんとならロベルトの不憫期はもっと長かったのかなあ。最後にルースがさりげなくおいしい思いしてますが、きっと彼はこのくらいかっこよくなる予定だったんでしょうね、見たかった。大人しく次シリーズに期待します。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 東京レイヴンズ2 RAVEN"s NEST (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫) 【amazon】 《あらすじ》 北斗との別れ、幼なじみの少女・夏目との約束を経て“レイヴンズ”を育成する学園、東京にある陰陽塾へとやってきた土御門春虎。しかし春虎を待っていたのは思いがけない再会だった!? 時を超える陰×陽ファンタジー! あざのさんがおくる現代陰陽ファンタジー第2巻。 さくさく楽しく読めました。 1巻は陰陽師物の香りが強かったので陰陽師アレルギーが出まくりでしたが、今回は学園編のためなのか、1巻よりも大分気にならずに読めました。新キャラもなかなか、特にコンがかわいかったです。こういうおバカなところもあるちんまいキャラは昔から好み。夏目にも突っかかるのが将来有望(かわいさ的な意味で)。 その夏目がもちろん一番かわいかったです、男装の恋する女の子がかわいいわけがない。特にラストの嫉妬がよかった、動揺したときに地が出ちゃうっていいですよね。これからどんどん恋心溢れるんでしょうが、どこまで男装続くのかが気になります。 ただ、バカ虎がバカ虎すぎてあまり好みのキャラではなく、盛り上がりも弱くて、これまでのシリーズと比べると今のところやや見劣り。とはいえ、スロースターターなのがあざのさんではあるので、続きも様子見つつ買っていこうかと思います。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 生贄の羊と1/2アンデッド (佐々原 史緒/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 一度死んで蘇生した“半死人【1/2アンデッド】”冬哉と、死者の霊を彼岸へ送る“渡し”の那由子。二人は那由子の大切な「鏡」を取り戻すために奇妙な協力関係を築いていた。夜な夜な霊を“渡す”仕事に勤しんでいたある日、近隣の高校の校庭に一つの巨大な漢字が描かれ、その文字が苗字に含まれる生徒が怪我をするという事件が相次ぐ。霊の仕業と噂されるこの事件の裏に蠢いていたのは、とある女子生徒の血塗られた愛憎劇だった――。 半分だけ蘇った高校生が心霊事件を解決する現代ホラー「1/2アンデッド」シリーズ第2巻。 怖いのは、幽霊よりも生きた人間。 上の一行で感想の8割は終わってます。よその学園にいって心霊事件を解決するお話だったんですが、真相が明らかになるにつれて現れてくるものがとても怖かった。途中から自作自演交じりなのは予想していても、見えたものはそれ以上。普通だった人たちが熱に浮かされて狂う様子が真に迫っていて恐ろしかったです。ラストの後味の悪い美しさが妙に印象的でした。 主人公と那由子、肝心の2人の魅力がやっぱり薄いので、シリーズとしての面白さは他のものに劣りますが、瀬尾にばれたし、さつき姉ちゃんは病んでいきそうだし、今後の加速に期待で。佐々原さんもスロースターターな面ありますし。 評価 ☆☆☆(6) |
5月11日(水) |
【最近読んだ本】 ◆ 双界幻幽伝 出逢いは前途多難! (木村 千世/B's-LOG文庫) 【amazon】 《あらすじ》 姚朧月は死者の霊=幽鬼が見える少女。ユーモラスな幽鬼に囲まれて育ったので、感性がちょっと変わっている。──ついたあだ名が「天然公主」! そんな彼女のもとに、劉蒼刻という武人がやってきた。幽鬼が見える朧月にどうやら依頼があるらしい。嫌がる朧月に、「とりあえず連れ出せば、あとはなるようになるだろう」と、蒼刻は無理やり連れ出してしまい──!? 評判が面白そうだったので手を出してみた、先月のビズログ新刊の中華ファンタジー。 かわいい主人公カップルにニヤニヤでした! 霊が見える能力持ちだけど極度の引きこもりの女の子が、宮廷の幽霊事件を解決するため、目つき怖い武人に連れ出されるお話。この主役2人がもうかわいくてかわいくて。 主人公の朧月は引きこもりといっても「帰りたい・休みたい・引きこもりたい」がモットーのずれた引きこもりで、気立てもいいし、見てて楽しい女の子。根は優しい蒼刻に次第に懐いていく様子がかわいかったです。 そしてそれ以上にかわいいのが武人さんの蒼刻。変な女だと思っていた朧月にいつの間にか落ちていく、この自然さが素晴らしかったんですよ。本人は「嫉妬じゃない」と本気で信じていそうだけど、どうみても嫉妬な態度にニヤニヤ。無意識にキスしかけたりもして、おいしい行動てんこもりでした。 さらに、幽霊の星彩が常に2人の側にいるのがとても大きいです。かわいいカップルは周りに 若干引っかかったのが、三国志用語がやたら見受けられるところ。三国志と関係あるならいいんですけれど、ないならば余所の世界は持ち込まないでほしいなあ、と。2巻では黄巾賊との遭遇があるみたいなので、その辺りも気にしつつ続きを待ちたいと思います。 評価 ☆☆☆★(7) |
5月10日(火) |
5月7日(土) |
【最近読んだ本】 ◆ FLESH & BLOOD7 (松岡 なつき/キャラ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 プリマスに帰ったら、初めての一夜を共にする-。ジェフリーとの暗黙の約束を胸に秘め、やっと母港に帰還した海斗達。いよいよ近づく時に緊張する海斗に、ジェフリーはある物を手渡す。それは、なくしたと思っていた、懐かしい和哉の写真だった!!「ごめん、和哉。たとえ帰り方がわかったとしても、もう二度と戻らない」決意した海斗は、ついにジェフリーに抱かれるが…。 GWだし普段読み辛いものを読もう、ということで3年ぶりに読む中世タイムスリップBLファンタジー「FLESH & BLOOD」第7巻。BLは外ではなかなか読めません。 ナイジェル……。 3年ぶりですが大筋は覚えていて、かわし続けてきた海斗がジェフリーと結ばれるのを「ついに……」と思いながら読んでました。もちろんBLなシーンもあるんですけど、ジェフリーが海斗の気持ちをほぐす過程を見てきていて、海斗が惹かれるのにも納得なので、ほとんど抵抗はありませんでした。むしろ甘々でジェフリー幸せそうでよかったねという気持ちに。こういう自然なBLなら、歓迎、とはいかないまでも余裕の許容範囲。 そんな2人の幸せと同じくらい印象的だったのがナイジェル。両想いなだけでも割り入る隙がないのに、ジェフリーの想い人でもあるからどうしようもないのが辛い。精一杯のキスが切なくて叫びそうになりました、いい男なんですが……。彼が幸せになれる道が全く見えないので途中死がありそうで怖いです、なんとか幸せ掴んでほしい。 恋愛進展だけでなく、ストーリーもなかなかの進展。そうか、こういうタイムスリップ物なら当然そういう人も出てきますよね。時代のズレはベタだけど面白い。ホーの丘の謎が少し分かってきて、これは将来的に一度帰還しちゃう展開もありうる? まあ、まずは攫われた続きが気になるので、続きも今度は早めに。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ アリアンロッド・サガ・リプレイ3 殺意のエトワール (菊地 たけし/富士見ドラゴンブック) 【amazon】 《あらすじ》 ピアニィと仲間達の国、フェリタニア王国が存亡の危機を迎える。アルディオン大陸最強の2大国が共同でフェリタニア侵攻に向け、動き出したのだ。だが、ピアニィの選択が、情勢を思わぬ方向へ導く――。 GWだし普段読み辛いものを第2弾、きくたけさんがおくるTRPGリプレイシリーズの第3巻。笑いの意味で危険なので外では読めません。 ベネットが今回もひどかったです。 アリアンロッドシリーズ全体で話が進んでいるらしく、小説や他のリプレイとのリンクが今回かなりありましたが、ちゃんと説明はあるし、ストーリーよりも笑いやTRPGの面白さをメインで読んでいるので問題なく楽しめました。 笑い的に光っていたのはベネット、小物臭と中の人のボケがいつも以上にキレてました。中でもシリアスからジャンピング土下座への一連の流れに笑いました、上げて落とすのお見事。あと、集団戦闘でのチョンボでの素のボケもさすが。 また、笑い面だけでなく、TRPGとしての面白さも伝わってくるのがこのシリーズのいいところ。プレイヤーの行動に合わせて予定のシナリオを咄嗟に大幅変更するのは、きくたけさんの上手さとTRPGの自由度の高さを感じたし、普段はセッション違うパーティ同士のバトルは燃えの一言。両パーティともスキル一杯持っていて、相手の一手一手を読み合っての戦略決定は、スキルろくに分からなくても凄く面白いです。インタラプトや高性能の技多くてプレイヤーは楽しいけど大変そう。プレイヤーデータ見ただけでどんなスキルか分かると、さらに面白いんでしょうねこれ。 5巻まで購入済なので、また笑いが欲しくなったときに読みます。 評価 ☆☆☆★(7) |
5月5日(木) |
【最近読んだ本】 ◆ 聖グリセルダ学院の初恋 (鮎川 はぎの/ルルル文庫) 【amazon】 《あらすじ》 暗殺者の卵だったティエサが、華やかな学生生活にやっと慣れた頃、学院は冬休みに。ティエサは、ツンツン王子のキアスや友人たちと休暇を過ごすため王国北部の温泉地へ。そこで遭遇したキアスの幼なじみで、超個性的な双子姉弟の別荘に滞在することに。が、姉のキアスに対する親密な態度がティエサは気になり、キアスはティエサに急接近する弟にイライラしっぱなし! 気持ちがすれ違うふたりは……!? そこに恐ろしい事件が襲いかかって――。恋の鞘当てにご用心! 暗殺者を廃業した女の子が不慣れな学園生活を頑張る「聖グリセルダ学院の初恋」第2巻、今回は冬休みの雪山編。 キアス君がかわいくなっててびっくりしました! 1巻ではティエサのかわいさが光っていて、キアスはそこそこのヒーローだなという印象しかなかったんですが、この2巻はキアスの巻でした。 ティエサのことを意識するようになって、でもティエサは好意ダダ漏れのノンノと無防備に一緒にいて、そんなティエサにイライラする様子がかわいい。ティエサと別行動のときに、ここにティエサがいたらどうしているのか、を想像しちゃう様子にとてもニヤニヤ。雪山でのストック想像が好きです。 ティエサが実に鈍感なので、キアス君に同情できるし、どことなくキアス君に不憫さが漂っているのもよかったです(某オンライン小説で不憫の王様に出会ってから、不憫キャラ大好き)。きっと最後は結ばれるだろうので安心して不憫を楽しめますし。いや、不憫が不憫のままで終わるのも、それはそれでおいしいんですけれど。ティエサも恋心に気づいて、この恋路の行方は楽しみ。 新キャラの姉弟は、どちらもなかなか濃くて面白いキャラ。特にトト、両想いという思い込みをひたすら崩さないのが凄い。普通のお話だとここから主人公と敵対したりヤンデレ化しそうですが、ティエサのキャラクターを考えるとこのままでいくのかな? どう思い込みが解消されるのかが気になります。 あとがきによるとどんどん変なキャラ増えるらしいので、その面も楽しみ。でも、増えすぎて既存キャラの出番減るのは勘弁で。フィムの出番ももう少しほしいです。 評価 ☆☆☆★(7) |
5月2日(月) |
感想書かない本が出てきたため、更新ペースがゆったり気味。こんなペースが続くかもしれませんが、今週はがっつり読みたいです(積みの増え方がおかしいため)。積み数2桁は遠い昔になりにけり。 5月の購入予定。メインはもちろん夢の上。ウィングス本誌も発売です。 【最近読んだ本】 ◆ 帰ってきた海馬が耳から駆けていく1 (菅野 彰/新書館) 【amazon】 《あらすじ》 あの大人気爆笑エッセイが、帰ってきました!! 双子のにゃんこ・蛍と雪とともに。暴れん坊姉妹はいかにしてパンダ姉妹に変貌してしまったのか、そして不惑を迎えた著者を待っていたサプライズとは!? 菅野さんがおくる抱腹絶倒エッセイ、完結したはずがまさかの復活編。今まではウィングスに文庫落ちしたものを読んでいましたが、待ちきれなかったので単行本買ってみました。 リベンジに爆笑しました。 無印の5巻で、菅野さんたちが友人に対して仕掛けたサプライズイベントがありました。今回はそのリベンジで菅野さんが仕掛けられる番。この仕掛けが絶妙で、菅野さん視点で気づかないまま読んでいたので、サプライズで一緒にびっくり。仕掛け役のCちゃんMVP。そしてネタばらしとその壮大さに大笑い。旅行会社って! でも、これだけ大掛かりなサプライズをたくさんの人が仕掛けてくれるって素敵なことだと思います。5巻の月夜野さんのときも思いましたが、いい友人たちですね。 もちろん他の部分もいつもの菅野さん節、パソコン音痴がこうも面白く描かれるなんて。こたにさん凄い。男ってバカ編は、この男共はバカだろーと思う。でもカメハメ波はとてもよく分かります。 姉妹猫を飼う編は笑いという点では弱かったですが、ほんわか和みました。お姉ちゃん猫で賢い蛍がかわいい。おバカな雪ちゃんも読んでる分にはかわいいけれど、こっちは側にいたらイライラしそう。こんな自分はきっと動物飼うの向いてない(※飼った経験なし)。 単行本で出た別のエッセイも気になりますが、来月から「HARD RUCK」が隔月刊行なので、まずはそちらを買う予定。少しBLっぽいのが不安ですけれど、これが売れて屋上の続きが出れば、という淡い期待が捨てられないのです。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 理由(わけ)あって冬に出る (似鳥 鶏/創元推理文庫) 【amazon】 《あらすじ》 某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――吹奏楽部は来る送別演奏会のため練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立会いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てられた葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた! にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは? 第16回鮎川哲也賞に佳作入選したコミカルなミステリ。 「放課後探偵団」が面白かったので、掲載作家さんの作品を読んでみようシリーズ。まずは既に積んでいた学園ミステリのこれから。 なんで伊神さんが男なのか、これが分からない。 主要キャラクターたちは「放課後探偵団」と同じであり、多分男性なんだろうとは思っていましたが、実際その事実をつきつけられるとやはりがっかり。男装の麗人がものすごおおおおく似合いそうな人なのに、何故男。この作品は恋愛方面に持っていくつもりはないってことですか。いや、単に制服ある学園で男装は不自然ってだけですか。 でも、かわいい女の子は他にいて、お見舞いシーンは伊神さんGJでニヤニヤできたので、途中からガッカリは和らぎました。 伊神さんについてはこれくらいにして、学園ミステリとしては短編同様に面白かったです。自力で推理するのは難しいけれど、明かされるとなるほどと頷けるくらいの按配が多いし、学園らしいシーンたっぷりなのも楽しい。夜の学園に居残った場面がいかにも青春っぽくて好きです。 ただ、モノローグが微妙だったり、ミノの存在感が弱めだったりと気になる点もあって、短編に比べると完成度が低いかなと感じました。つまりはデビューから上手くなっているというわけで、積んでる「さよならの次にくる」を崩すのが楽しみ。 評価 ☆☆☆(6) |