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 8月16日(火)


【最近読んだ本】

幽霊伯爵の花嫁 (宮野 美嘉/ルルル文庫)amazon

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《あらすじ》
侯爵家の血を引く、天涯孤独の美少女サアラ。彼女は、身を寄せる遠縁の家の息子と婚約していたが、幽霊伯爵と呼ばれるコルドン伯爵の17人目の妻として嫁ぐことに! 更に嫁ぎ先は、墓地に囲まれ夜な夜な幽霊が現れるという場所で!? 妻に無関心な夫、何故かよそよそしい使用人達。ところが、サアラはのびのびと毎日を満喫し、逆に夫を翻弄して……!? 美しく強かに、少女は恋と幸せをつかみ取る!


今年のルルルの新人さん作品、タイトル通り幽霊伯爵に嫁ぐ花嫁さんが主役のファンタジー。評判見て買いです。

飾り立てないサアラの性格と行動が愉快でした。
サアラの性格が凄いって噂は薄々耳にしてましたが、確かに凄かった。謙遜せずに自身のあるがままにふるまい、あけすけに物をいい、と少女小説にはあまり見ないタイプの子でしたが、率直さがあって 嫌な感じは全然受けず。幽霊を全く恐れないサアラに影響されて、周囲が変わっていくのが愉快でした。
怖いものは幽霊じゃなくて〜、というのは予想できましたけど、その弱さも自覚してある程度克服してるように見えました。こういう強いヒロインいいなあ。
こんな変わったサアラですが、恋愛面は意外と真っ当に思えました。好きになろうとして幽霊伯爵と一緒にいて、優しさやかわいさを知っていって。サアラが恋心を自覚するときの直球描写が好きです。本気になったサアラの行動は普通じゃないですけどね! 恐ろしい子。伯爵頑張って。

伯爵は優しくてなかなかいいヒーローだったと思いますが、そのヒーローより目立ってたのがエリオス。こんな分かりやすいツンデレにこの私が釣られると思ったかクマー! 釣られました。サアラに対するツンデレと父親に対するツンデレのダブルに抵抗できませんでした、かわいい男の子でした。エリオスもサアラももっと見たいので、続きが出るといいです。


評価 ☆☆☆★(7)



 
 8月14日(日)


【最近読んだ本】

クシエルの矢2 蜘蛛たちの宮廷 (ジャクリーン・ケアリー/ハヤカワ文庫SF)amazon

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《あらすじ》
テールダンジュを司る高貴な人々の秘密を探るべく、謎多き貴族デローネイのもとで神娼として奉仕するフェードル。彼女は、力を増す諸外国に囲まれ、野心に満ちた地方領主たちを抱えて揺れる国家のさまざまな闇を目の当たりにする。老いた王とその孫娘を待つ罠とは、そしてデローネイが忠誠を誓う相手とは? 予言によればそれを知った日、フェードルは絶望するだろうという……ローカス賞受賞の歴史絵巻、怒濤の新展開!


特殊な娼婦の女の子が主役の翻訳ファンタジー「クシエル」シリーズ第2巻。2巻からグッと面白くなると聞いて楽しみにしていました。

なるほど確かに2巻からですね、面白かったー!
はじめの方は1巻と同様に政争駆け引きが多めで、思い出すのに苦しみつつ、またメリザンド怖いなと思いながら読み進めてました。そうしたら、途中でガツンとくる出来事が。まさかそうくるとは! 不穏な空気はあったけれど、そこまでとは思ってなかったので「えっ」と声漏らしてしまいました。

そしてそこからが本当に面白かった。流血女神伝あたりを彷彿とさせる波乱万丈ジェットコースターな展開。大人向けの分こちらの方が展開がハードですが、フェードルは訓練されてきただけあってやわじゃなくて、フェードルが道を切り開いていく様がかっこいい。奴隷状態での策謀、逃亡劇のスリリングさ、ここまで夢中にさせられるとは思いませんでした。

語らなきゃいけないのがジョスランの変貌。1巻での堅物っぷりに変わりぶりを楽しみにしていたら、ぐんぐん変わる変わる。苦境の中、フェードルに影響されていく様子がかわいくてドキドキ。頼れるようになったジョスランとフェードルの関係はときめきですよときめき! 洞窟での一夜!
でもこのシリーズでこのまま2人の関係が続くとは思えないわけで。ジョスランに何が待ち受けているのか、怖くて仕方ありません。

割と希望が見えてきた終わり方ですけど、伝え聞くメリザンドの怖さを聞く限りはそううまくいくとは思えないわけで。脅えつつも3巻はすぐ読む予定。


評価 ☆☆☆☆★(9)



さよならの次にくる <新学期編> (似鳥 鶏/創元推理文庫)amazon

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《あらすじ》
名探偵の伊神さんは卒業、葉山君は進級、そして迎えた新学期。曲がり角で衝突したことがきっかけで、可愛い一年女子の佐藤さんと知り合った。入学以来、怪しい男に後をつけられているという佐藤さんのために、葉山君はストーカー撃退に奔走することになる。苦労性の高校・葉山君の、山あり谷ありの学園探偵ライフ。爽快なフィナーレまで一気呵成に突き進む学園ミステリ、後編。


恋する演劇部部長がかわいい学園青春ミステリ、シリーズ第3巻。

今回も柳瀬さんかわいかったです。
ミステリなのにまたこんな感想。でもかわいいんだから仕方ないです。今回は冒頭から後輩の女の子でライバル登場、な展開で、「またライバルですか、柳瀬さんいじめないで!」と思ったり。しかも佐藤さんかわいくて、葉山くんと結構お似合いなので複雑。柳瀬さん楽しそうに葉山くんからかったりしてますけど、内心どうなのか想像するとちょっぴり辛い。佐藤さんと2人きりでの女の戦いでは何があったんでしょう。
でもやっぱり正ヒロインは柳瀬さんだと思います、ストーカー追い返すところの名演楽しかったし、その後の「私がいるもんね」がかわいい。早く柳瀬さんルート入ってください。

ミステリ面は、1巻のときも書きましたが、断章が挿入された時点で意味不明なのが好きになれず。でも、佐藤さんの仕掛けたトリックは面白かったです。ストーカー事件に裏があったのには驚かされました。
その後の第8話は上述したようにミステリ的には好きじゃないものの、あいかわらず分かりづらい伊神さんがよかったです。兄妹のシンクロにニヤリとした時点で作者の手の上。
次も最近文庫化されたみたいなので、多分近いうちに。


評価 ☆☆☆★(7)



 
 8月11日(木)

本誌買った金星読んだ、というわけで金星特急第10話感想。見所多すぎて感想まとめづらいです。三ヶ月後はやく!

明日からはコミケ。参加される皆さんは暑さにお気をつけを。自分は初日と2日目に行ってきます。




 
 8月10日(水)

6日の感想の訂正。姫君返上の短編は今日発売の本誌ではなく、次号に掲載でした。誤った情報をのせてしまい申し訳ありません……。思い込みは怖いです、確認するよう気をつけます。




 
 8月6日(土)


【最近読んだ本】

平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり 千年の恋人 (松田 志乃ぶ/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
四切刀をめぐる騒動が拡大する中、宮子と次郎君を庇い、深手の傷を負った真幸。これ以上、宮子に後宮で生きる重荷を負わせたくないと考えた次郎君は、宮子に別れを告げ、真幸の元に帰そうとするが…。


身代わり姫君による平安ロマンス&ミステリー「嘘姫」完結編。

大団円な流れかと思っていたら、まさかの宮さま大目立ちでした。いや、最終巻なので色々起こったんですけど、ロバの耳する宮さまのインパクトがあまりに強すぎて全部ふっとんだ。ストレス溜めつつもしっかり救出する宮さまの姿は、苦労性好きにはたまりませんでした。
おまけに五節の君といい感じでしたし! 目が離せない女性が宮さまにはお似合いだなあと(そういう意味では宮子もお似合いだった)。姫子もいい感じに煽ってくれますし。声真似する台詞が絶妙で噴きました。姫子と尼ーズはいいなあ。ストレス抱えそうな恋になりそうですが、宮さま頑張れ。宮子と次郎君がこれ以上迷惑かけなければ、プラマイ0のはず。

宮子まわりについては、前巻まででほとんど決着がついていたので、長いエピローグを読んでいるような気分でした。最大の問題だったお妃問題については、なるほどそうくるかと。帝の説得方法はちょっと説得力が弱いように思えましたが、その後の解決がお見事、そのアイデアは思いつかなかったです。

無事本編は終わりましたが、大事な大事な有子様の恋の決着がついてないし、宮さまのどぎまぎも見たいし、短編集が楽しみです。馨子様が落ち着くかどうかも見たいので、メイン2人は抑え目で4本以上入りだといいなあ。


評価 ☆☆☆★(7)



姫君返上! 聖者の花嫁となる者・聖母に焦がれた者 (和泉 統子/ウイングス文庫)amazon

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《あらすじ》
下町でつかの間の少年生活を満喫するアレク。そんな時、祖父の稼業を手伝っての石鹸配達中に知り合ったのは、今度こそ本物の副祓魔師ギィ・アドルフだった。一方、副祓魔師が帝都に行ったことを知り、彼に七年間片思い中のノエルは焦っていた。ギィ・アドルフが帝都でアレクと出会うことになったら、絶対に恋に落ちてしまうと……。さて、副祓魔師様は帝都に一体何をしにやってきたのか!? 


女装して姫君をつとめるアレクの苦労を描くコミカルファンタジー「姫君返上!」、完結巻発売前に2冊まとめて。

ノエルの恋が色々凄すぎでした。本編部分は本誌で読了済でしたが、再読でも改めて凄さを感じます、なんでしょうこの乙女心は。少女小説読み的にはノエルの乙女心はよく分かりますしかわいいし、心の傷の事情もあるから納得はできるんです。でも男性陣から見たら異次元すぎる、というか師兄が不憫で不憫で。想い実ってよかったです、もし姉弟でなくて、そっちの婚姻が進んでたらと思うとひどい。
番外編でもやっぱりノエルの乙女心は全開でしたが、こちらの師兄はときめきでした。「こんな手に、俺がしたか」でキャーっと。ベタ惚れでキュンキュンさせてくれました。

番外でよかったのはユーディットの物語。たくましくて肝っ玉母ちゃん系の女性だったのは印象通りで、フリッツとの出会いのシーンだけで素敵な女性だって分かりました。弱い面も抱えていて、でもそこで過去を省みて進めるのがまた素敵。フリッツ夫婦もかわいらしくて、この後3人でいい生活をおくれたんだろうと思えます。皇后になるまでの紆余曲折の部分も読んでみたい気もしますが、そこは秘密として語られないのがいい気もします。

最終巻分は本誌で読まずにとってあります。今月の本誌で番外編も載るみたいなので、あわせて楽しみ。番外編は最近の本誌の傾向からいくと文庫化されない恐れがあるので、シリーズ好きな方は本誌買うのお勧めします。 間違いでした、11月発売の秋号でした。もしこれ見て買ってしまった方がいたら本当にごめんなさい……。


評価 ☆☆☆★(7)




 
 8月3日(水)


【最近読んだ本】

さよならの次にくる <卒業式編> (似鳥 鶏/創元推理文庫)amazon

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《あらすじ》
「東雅彦は嘘つきで女たらしです」愛心学園吹奏楽部の部室に貼られた怪文書。部員たちが中傷の犯人は誰だと騒ぐ中、オーボエ首席奏者の渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出た。初恋の人の無実を証明すべく、葉山君が懸命に犯人捜しに取り組む「中村コンプレックス」など、〈卒業式編〉は四編を収録。デビュー作『理由あって冬に出る』に続くコミカルな学園ミステリ、前編。


ごくごく普通の少年が謎めいた先輩と謎を解き明かす、学園青春ミステリ第2巻。

柳瀬さんかわいかった!
いやー、この巻の感想はこの一行に尽きます。「痩せたい……」と言いつつプリンを食べる柳瀬さん、ネタチョコを葉山くんに渡して反応をワクワク見守る柳瀬さん、一挙一動がかわいい。独特の性格で1巻のときも好みなキャラではあったんですが、ここまで気に入るとは。何がツボに入ったのか、自分でもよく分かりません。
葉山くん視点だと柳瀬さんの気持ちが分からないですが、柳瀬さんは葉山くん大好きなようにしか見えないので、そういうフィルタつきで読んでます。きっと葉山くん知らないうちに学園公認カップルになるって信じてます。実はもうなっててもおかしくない、ですよね?

また、柳瀬さんの気持ちだけはでなく、人のことを推し量るのは難しいなあと思わされる巻でありました。伊神さんのことしかり、各種フラグしかり。康永さんのアレはフラグじゃなくてただの伏線な気もしますけれど。

ミステリ的には1巻と比べると見劣り、唸らされる仕掛けが少なめでした。伊神さんがそんなに好きじゃないのも大きいかも。でも、4話の分かりづらく情深いところはよかったので、これから好感度上がりそう。
葉山くんは今のところ、かっこいいとかわいいの境目。基本的にはかわいくて、優しさ見せるところはかっこいい。いい主人公です。あとは柳瀬さん以外とくっつかなければいいんですが。この巻見てると心配です。


評価 ☆☆☆★(7)



ゴーストハント3 乙女ノ祈リ  (小野 不由美/幽BOOKS)amazon

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《あらすじ》
狐狗狸さんによる狐憑き、美術準備室に出る幽霊、部室のポルターガイスト現象、坐ると事故に遭う席。SPRへ立て続けの依頼は、すべて女子高・私立湯浅高校からのものだった。学校へ赴いたナルたちは、超能力を使うという少女に出会う。彼女が放った呪いの言葉とは? 尋常ではない数の異常現象。原因を追うナルと麻衣の前に立ちはだかる、何者かの邪悪な意志! ミステリー色濃厚なシリーズ第3作。


超有名な少女小説ホラー、リライト3巻は学園編。

今回は1巻2巻ほど怖くはありませんでした。七不思議みたいな小さい怪異がたくさん起こっていると、怖いというよりは不思議という気持ちが先にくるというか。恐ろしかったのはナルに襲いかかる怪異くらい。
でも、怪異を解き明かしていく過程は相変わらず読み応えあって面白かったし、今回は学園らしい雰囲気が出てたのがよかったです。漂う不穏な空気や怖がる生徒たちがリアルでしたし、何よりガールズトーク! タカや笠井さんとコイバナしてる麻衣がいつも以上に活き活きして見えました。恋する女の子はかわいい。
でもですね、麻衣の友達の役目は綾子のものだと思っていたので少ししょんぼり。年の差は大きいってことなんでしょうか……。今回の綾子は真砂子のおつきくらいしかやってなくて、ゲストのタカよりも存在感薄かったです。じ、次回こそは活躍を! このまま7巻までいくとかないですよね。

ストーリーは、この巻単体でいうと犯人が分かりやすすぎて、真相も今までに比べるとくるものがなかったです。でも、ナルと麻衣のお話は面白くなってきました。麻衣が活躍できててナルに信じてもらえてるのがよかったし、ナルが少しずつ素(?)を見せてきていて、その優しさを見ると今後の展開に期待しちゃいます。普段から優しいナルなんて想像できませんけど。


評価 ☆☆☆★(7)