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 11月13日(日)


【最近読んだ本】

ゴーストハント5 鮮血の迷宮 (小野 不由美/幽BOOKS)amazon

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《あらすじ》
増改築を繰り返した結果、迷路のような構造を持つにいたった巨大な洋館。長年放置されていたその館は、地元では幽霊屋敷として名高く、中に入った者が行方不明になる事件が連続して起こる。この館を調査するため、二十名もの霊能者たちが召集された。SPRの一員として館の内部を精査していた麻衣たちは、あちこちに不審な空洞があることに気がついた。次々に姿を消してゆく霊能者たち。やがて明らかにされる、館の血塗られた過去。そして新たな行方不明者が――。ゴシック趣味溢れるシリーズ第5作。


怖いという評判が耳に入ってきていた、「ゴーストハント」第5巻。

評判通り怖かった!
今回は、人が行方不明になっているお屋敷が舞台。迷路みたいな屋敷で行方不明、とくればどうせ隠し部屋でもあるんですよねー、とはじめは余裕綽々で読み進めてました。行方不明が出始めても、うさんくさい霊能者たちは十把一絡げでどうでもよくて、前半は怖さを感じず。
でも、調べていて屋敷の構造や昔の惨状が分かってくると、だんだんと雰囲気が出てきて。 麻衣の夢は陰惨な殺され方でいつも以上に恐ろしかったし、麻衣がフラっと連れ込まれそうになるあたりではゾクっときました。こういう、一緒にいた人がスッといなくなるような描写って怖さ感じます。隠し部屋のスケールの大きさにも驚くと同時に、そこまでして隠すものだったと思うと怖さが増しましたし、後半怖かった。

キャラクターでは、麻衣の背景に驚き。家族関係はあえて省略してるのかと思っていたらそういうことですか、たくましい子だなあ。でも突っ走る癖はそろそろ治らないものですかね、真砂子助けにいくのは無茶だよ!
優しいナルは何者なんでしょう、これまでを見るとナル本人と関わりはなさそう? 関わりあるとしたら捻くれにも程がある。麻衣が作り上げた存在なのかなと一瞬思いましたが、それは麻衣との関わりに無理があるし、何より麻衣が不憫すぎるので却下。あと2冊ですが、これ恋愛までいくんでしょうか。麻衣がこれだけ惚れてるんだから、何らかのイベントはあるでしょうけど、曖昧なままバイト継続が一番ありそうかなあ。

今月に最終巻出るので、ラストは2冊まとめて読む予定(うっかり6巻と7巻同時発送で注文したせい)。6巻はついに綾子活躍らしいですね、ずっと待っていたので楽しみ。


評価 ☆☆☆★(7)



 
 11月11日(金)

 ウィングス買いました金星読みました、ということで金星特急第11話感想。3ヵ月後早くー!(定型文)
 「姫君返上!」の番外編も読みました、こっちも最後までこのシリーズらしくて楽しかった! 全5巻表記があったので文庫落ちはなさそうです、本編気に入った方は絶対読むべきなので本誌を是非、2段組80ページの大ボリュームです。以下に簡単に感想を。ネタバレ防止に反転しておきます。

まず語らなきゃいけないのはジークでしょう、アレクいじめてるとき以上に活き活きしてた気がします今回。悪巧みさせたら天下一品ですね、噂流したときにここまで視野にいれてたとか半端ない。ヴィルヘルムの気持ち分かった発言は、血だなあと笑ったり。しまいには教皇脅したり、真っ黒ですね!
活き活きしてるだけじゃなくて、ジークの家族愛が感じられたのもとてもよかったところ。戦友発言が心からのものだと分かってジンときました、ギィさん煽ってるのも本心でしょうし。

さて肝心の2人。はじめのうちはノエルもギィも相変わらずすぎてどうなることかと。ノエルは異界の生き物だし周囲の目に気づかないし、ギィさんはギィさんでうじうじしてるし。ジーク頑張った。
その分、仲が修復してからがおいしすぎました。もう最初のお姫様抱っこから、甘いしノエル狼狽するし、楽しい楽しい。ノエルの愉快なずれっぷりに、ギィの告白に、素敵なお手紙なんかもあったりして怒涛の楽しさ。最後のシーンもロマンチックで素敵でした、教皇さん粋ですね。2人ともお幸せに!
アレクが見れなかったのはちょっと寂しかったですけど、さすがにお忍びは無理ですよね。最終巻と今回で大好きになったシリーズでした。次回作も楽しみにしてます!



 
 11月8日(火)


【最近読んだ本】

たとえ許されない恋だとしても (湊 ようこ/コバルト文庫)amazon

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《あらすじ》
アファリーン王国の男勝りの女将軍レイア。敵対するメフル王国の軍人リギュロン。武勇を誇る二人が、祭り見物で出会った。身分を隠したまま恋に落ちた二人が再会したのは、皮肉にも戦場で――!?


「氷雪王の求婚」の湊さんの1年ぶりの新作。敵同士の恋愛物というツボ設定を見て、期待して待っていました。

期待通りで面白かったー!
女将軍と敵対国の軍人が、お互いの身分を知らずに出会って〜、というお話。設定の時点で高評価は確定していたんですけど、出会ってから恋に落ちていく、その過程が素晴らしかったです。
真面目に将軍やってきて恋を知らないレイアと、これまた真面目で色気より農耕なリギュロン。2人が「この組み合わせしかない」と思えるくらいにマッチしているんです。どちらも不器用で口下手で、変な比喩やずれた発言が多いんですけれど、2人とも真面目だからこそ言葉がちゃんと相手の心に届くのがいいなあと思えて、急速に惹かれ合うのにも納得。たった1日の逢瀬なのに楽しそうでドキドキたっぷりで、敵同士という要素抜きにしても良いロマンスでした。そこに、いつか敵対してどうなるんだろうという不安が加わって、そんなの面白いに決まってるじゃないですか! 
別れてからも、レイアが乙女になっているのがまたかわいらしくて、来たる日へのドキドキが増して。もう前半だけでかなり満足しました。

再会後で一番好きなのはやっぱり再会のシーン。完璧なタイミングですよねこれ、苦しくて切ないだけでなく、2人が作り出す情景には美しさもあって印象に残りました。再会してからは2人とも真面目で考えすぎるのにやきもき、もう少しだけ気楽になってもと言いたくなったり。あとがきでの作者さんの泣きがよく分かります。展開は王道ですが、素晴らしい王道でした。敵同士の恋っていいものですね!

これまでの2作どちらもよかったし、湊さんが次どんな作品を書かれるのか楽しみです。


評価 ☆☆☆☆★(9)



Fate/Zero3 王たちの狂宴 (虚淵 玄/星海社文庫)amazon

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《あらすじ》
“魔術師殺し”こと衛宮切嗣の悪辣極まる謀略によって、第四次聖杯戦争は早くも佳境を迎えつつあった。その最中、征服王・イスカンダルは“王”たる“格”を自他に問う、真剣勝負の「聖杯問答」を仕掛ける! 英雄王・ギルガメッシュ、そして騎士王・アーサー・ペンドラゴンが全身全霊を懸けて答える“聖杯の王”に相応しき「王の器」とはーー!? これは始まりに至る物語ーー。白熱の三巻!


アニメの勢いが止まらない「Fate/Zero」第3巻。

ライダーの豪快さかっこよさが止まらない。
1巻から豪快さが際立っていたライダーですが、その豪快さが極まったと思える巻でした。アーチャーを前にしても平然として、ただ望むがままに進む覇道、その器の大きさに痺れます。宝具のスケールもライダーにぴったり。こういう豪放磊落なキャラって好みじゃないんですが、ライダーは素直にかっこいいと思えました、完全に狙ってるキャラでもかっこいいものはかっこいい。ライダーが目立ちすぎてウェイバー分が少なめでしたが仕方ないです。
少し心配なのは、ライダーもう出し尽くしちゃったわけで、あと3巻しかないわけで、次あたり退場するんじゃ? っていう。ウェイバーのかわいさと活躍をもっと見たいんですが、どうでしょう。

ライダー以外で気になったのは、アイリスフィールと舞弥の女性二人。アイリスフィールの複雑な気持ちにどうなるかとドキドキしていたら、なるほどそうきますか。この共闘はいいなあ、切嗣のためにっていうのがいいです、強くある女性は素敵。言峰の「試合に勝って勝負に負ける」展開がおぼろげに見えますが、そうなるにしろならないにしろ、切嗣サイドはこのままであってほしいです。

あとはライダーさん不遇まっしぐらだなあとか、時臣はアホだなあとか。アニメに追いつかれないうちに次も読みます。


評価 ☆☆☆★(7)



 
 11月6日(日)


【最近読んだ本】

シスター・ブラックシープV 花嫁の聖戦 (喜多 みどり/角川ビーンズ文庫)amazon

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《あらすじ》
ユリエルを助けるために悪魔の手を取り、花嫁として地獄へと連れ去られたコンスタンティン。なすすべもなくそれを見ていたユリエルは、彼女を取り戻すべく地獄への門に手を掛ける――人気シリーズ、衝撃の完結巻!!


男装シスターと悪魔と司祭の三角関係、その他色々なファンタジー「シスター・ブラックシープ」完結編。

悪魔ーーー!!!!!
三角関係で進んできたこのシリーズ、最後は悪魔が持っていってくれました。コンスタンティンへの愛が育ちきった一途な悪魔がかわいいこと! 最初はあんなだった悪魔がこんなに愛を向けてくれて、そりゃコンスタンティンも落ちますよ。コンスタンティンからの告白シーンあたりの甘さにじったんばったんしました、2人ともかわいかったー。

その後の展開はちょっと驚きました、ユリエルがそこまで盛り返すとは。はじめの方で色々吹っ切れたなーと思って眺めていたら、コンスタンティン押されちゃったあれー? 個人的な好みとしては悪魔大勝利で終わってほしかったわけですけど、コンスタンティンらしさを考えるとこの展開もありなのかなと。ユリエルはさておき、サクスを助けてこそのコンスタンティン、という面があるんですよね。それがあるからこそ、悪魔への愛が映えたんですが、サクスを救うコンスタンティンが見れて嬉しかったです。
でもラストはもう少し悪魔寄りであってほしかったような。この終わりだと6:4でユリエルが有利に見えるじゃないですか! このユリエルはずるい。悪魔頑張れ。

その他のキャラについても少し。ヒースはあれだ、ヘタレっていうよりは見てるだけで幸せって人なんですね多分。難儀だけれど、本編終了後もそこそこ幸せだろうし、いいんじゃないでしょうか。エリカは最後も素敵な女の子、地味にいい活躍してました。
全5巻、ビーンズというレーベルへの期待度が変わるくらい面白いシリーズでした。楽園の蓮も購入済なので楽しみ。


評価 ☆☆☆☆(8)



 
 11月3日(木)

うっかりオンライン小説にはまったら(ry 「魔道都の修理屋」のかいとーこさんのサイトにはまってました。魔道都の元作品の「魔女の弟子」が楽しい、読み終わったら感想書きます。
更新止まっていた他の原因も落ち着いたので、今月は読書モードに戻る予定です。


今月の購入予定。f-clan文庫はいい評判が聞こえてくるので、どんな雰囲気なのか楽しみ。あとはもちろんWings本誌も。今度こそ姫君返上の番外編が載るはずです。


【最近読んだ本】

檸檬のころ (豊島 ミホ/幻冬舎文庫)amazon

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《あらすじ》
いっそ痛いと思った、その痛みだけは思い出せた。かっこ悪くて、情けなくて、でも忘れられない瞬間がある。田んぼと山に囲まれた、コンビニの一軒もない田舎の県立高校を舞台に綴る、青春の物語。


エバーグリーン以来2冊目の豊島ミホさんの本。エバーグリーンがよかったので、いつか青春物が読みたいときに手をつけようと思ってました。

苦くて苦くて、でもそれだけじゃない物語たちでした。
ある田舎の高校に舞台にした青春短編集。どの短編も、まず目についたのはほろ苦さ。失恋であったり現実をつきつけられたり、強烈な印象が残りました。割と鈍感な青春時代でこういう感情は遠くにあった自分にとっても、ぐしゃっと押しつぶされそうになる苦さ。
これだけ印象に残るのは、解説に書かれているように、普通のありふれた場面の切り取り方が抜群に上手いからだと思います。この解説、窓ごしのキャンドルに自転車の帰り道に、ハッとさせられたシーンばかり挙げるとは、できる。でもそれ以外にも、何気ない風景や音からも心情が伝わってきたり、あちこちから上手さを感じました。

で、ほろ苦いだけで終わらないのがこの物語。苦さの後には、希望というには言いすぎだけれど、終わり方はささやかに前向きなのが心憎かったです。「ジュリエット・スター」の痛快さとか好き。

音楽少女の失恋を描いた「ラブソング」が頭半分くらい抜けて一番よかったですが、他の短編もどれもよかったです。これは他の豊島さんの作品も読んでいきたいところ。でも続けてこういう作品読むのは青さで精神ダメージ受けそうなので、また半年ぐらい先に。


評価 ☆☆☆☆(8)