5月16日(水) |
<最近読んだ本> ◆ 花嫁失格!? 姫君返上!外伝 (和泉 統子/ウィングス文庫) 【amazon】 本誌掲載で終わるはずが、人気あったのかウィングスには珍しく文庫化までされた「姫君返上!」番外編。前半は本誌のときに感想書いているのでまずはそれを再掲。 まず語らなきゃいけないのはジークでしょう、アレクいじめてるとき以上に活き活きしてた気がします今回。悪巧みさせたら天下一品ですね、噂流したときにここまで視野にいれてたとか半端ない。ヴィルヘルムの気持ち分かった発言は、血だなあと笑ったり。しまいには教皇脅したり、真っ黒ですね! 活き活きしてるだけじゃなくて、ジークの家族愛が感じられたのもとてもよかったところ。戦友発言が心からのものだと分かってジンときました、ギィさん煽ってるのも本心でしょうし。 さて肝心の2人。はじめのうちはノエルもギィも相変わらずすぎてどうなることかと。ノエルは異界の生き物だし周囲の目に気づかないし、ギィさんはギィさんでうじうじしてるし。ジーク頑張った。 その分、仲が修復してからがおいしすぎました。もう最初のお姫様抱っこから、甘いしノエル狼狽するし、楽しい楽しい。ノエルの愉快なずれっぷりに、ギィの告白に、素敵なお手紙なんかもあったりして怒涛の楽しさ。最後のシーンもロマンチックで素敵でした、教皇さん粋ですね。2人ともお幸せに! ここまでが本誌分。何度読んでも結婚式のシーンは素敵。で、残りの半分はアレクかジークなのかなと思っていたら、まさかの過去編&初夜。出会った頃の2人には笑わされたりじんわりさせられたり。ギィがこんなにはやくノエルに惹かれてたとは。名前の意味を知って、決意するノエルにはグッときました。しかしここから八年ですか、それは長かったなあ……ギィさん頑張った。教皇やヤニックも心配しますよそりゃ。 初夜の方はノエル素直になれてよかったなあ、最後の八幕がとてもよかった。ギィの愛もよかったな、顔見れなくての切ない想いが好きでした。 最終巻と今巻でぐっと大好きになったシリーズでした。アレクの登場がなかったのが唯一残念な点だったんですが、あとがきに後2話も番外編が掲載されるとあって歓喜。ウィングスありがとうございます。こちらも文庫化あるのかな? 夏号秋号待ち遠しいです。 評価 ☆☆☆☆★(9) |
5月14日(月) |
<最近読んだ本> ◆ 銀竜姫とかしこい良縁のススメ (斉藤 百伽/ルルル文庫) 【amazon】 「押しかけ絵術師〜」でデビューされた斉藤さんの二作目は、嫁入り阻止奮闘ファンタジー。 これぞ楽しい少女小説、面白かった! 大国の妃候補になってしまったお姫様が何とか逃れようと奮闘するお話なんですが、文句なしの楽しさでした。まずプロローグ、主人公レアのかわいらしい性格と「必ずや妃の座から外れてみせる」という意気込みから見える王道ドタバタ劇の予感に、これは当たりだとほぼ確信。 そしてその確信は間違ってませんでした。阻止しようと王子と協力して奮闘しているうちに……な展開は、奮闘の斜め上っぷりが面白いし、話が進むテンポもよくて楽しかった! いつの間にか気になる存在にお互いがなっているのも自然で微笑ましいです、ぎこちない変な間ができるシーンなんかとても好き。また、有能侍女のシルシュもいいキャラでした、カリアスへの対応が痛快。 王道一辺倒なわけでもなくて、他の妃候補と意外に仲良くなったりするのもよかったです。陰謀部分は多少強引さも感じましたけど、豪快さが清々しくて、気持ちいい作風に合っていて、これはありじゃないかなと。あとラスト、その後の愉快な展開がありありと浮かぶ最後の一文は、なかなかお目にかかれない素晴らしさだと思います。 何より前作も今作も、女の子がかわいく読んでて楽しい、少女小説としてのツボを抑えてるなあと思えるお話で、すごく好感もてました。この人のお話は今後も追いかけていきたいです。 評価 ☆☆☆☆(8) ◆ 夢の上 サウガ城の六騎将 (多崎 礼/C★NOVELSファンタジア) 【amazon】 多崎さんの傑作ファンタジー「夢の上」の番外編、脇役の騎士団隊長たちに焦点あてた短編集。 この短編たち、携帯会員向けに連載されていたので最初の3話は読了済。そのときは、いい話だけれど本編に比べると……といった感想でした。でも、書籍で読むと一本芯が通っているように感じられて携帯のときよりも印象よかったですし、さらに後半の話は本編とのリンクも強めで、過去やその後が見れたのが何より嬉しかったです。 そんなわけで好きなのはラスト2話……と思ってたんですけど、振り返るとトバイットとかシャロームのお話もいいなあ。でも、大好きな2人のその後がちらりと見れた(そしてファヒルがいいキャラしてる)分だけ、ラファスの話が一番好きということで。 次回作は遠いみたいですが、あとがきの書きぶりだと来年からは3ヶ月ごとに新刊が読めそうなので大期待。 評価 ☆☆☆★(7) |
5月10日(木) |
5月8日(火) |
<最近読んだ本> ◆ 贅沢な身の上 ときめきは鳥籠の中に!? (我鳥 彩子/コバルト文庫) 【amazon】 ゴーイングマイウェイな妄想少女が主役の似非中華ファンタジー、第4巻。 鳴鳴にフラグきたー! 鳴鳴の恋こないかなーとずっと思っていたので、理央との2人きりの逢瀬に歓喜の4巻でした。まだ恋愛方向には欠片も言ってないとはいえ、お互い意識するようになったのは進展。これからが楽しみです。 今回の鳴鳴はこのシーン含む、花蓮さらわれた後の姿が印象的。憔悴する姿から花蓮のことよく分かってるな大好きなんだなというのが伝わってきて、ますます鳴鳴が好きになりました。 メインに目を向けると、陛下は相変わらず残念が止まりませんね。トキメキ検定の勉強って、一体どこまで行っちゃうのか。変な女自慢してる姿見てるとさすがに不憫だなあと感じましたけど、敵の罠にあっさりはまってるあたり、報われるのはまだまだ早いと思います。情状酌量の余地はたっぷりありますけど、花蓮好きならもう少し疑ってもいいと思うんですよ。だってあんなの花蓮じゃない。というわけで陛下は寸止め頑張って下さい。 いつも以上に妄想が多かった4巻ですが、今回このシリーズではじめて、お腹一杯感を覚えました。異世界ファンタジー妄想は控えめだと嬉しいかな。トキメキ歌劇やカップリングの背景妄想は楽しく読めたので、全体的にはまだまだこの調子でいってほしいんですけどね。あと、これは前の巻からですけどドヤ鳥いらない。追いかけるときだけ浮いてる感が。 いいところで次回に続いて、敵さんの目的は何なんですかね。花蓮パパの今回の出番の多さを考えると、淑家の運が目的なのかな、と勘ぐったり。花蓮の性格が最初から目的だったとは考えづらいですし。どうなるんでしょう。 評価 ☆☆☆★(7) |
5月6日(日) |
GWは本読むぞー、と思っていたはずなんですが、PSP&「死神と少女」を買ったために全然読めませんでした。その「死神と少女」、PSP買うときはこれも買おうと前々から思ってたんですけれど、期待以上に面白いです。今1周終わってバッドエンドだったところですが、 ・本好きなお嬢さまが主人公(しかも大人しいわけじゃなく、結構行動的) ・親友の女の子が全編に渡って登場 ・恋愛要素もあるけど、それ以上に物語が前面に出ていて、男性キャラ同士の絡みも多い と、少女小説読みなら好きになりそうな要素がたくさん。物語1話1話もミステリー仕立てで面白く、さらに少し謎残りで終わることが多くて2周目以降をやりたくなる作り。おまけにキャラも皆かっこいいときてます、これは文句なしの当たりゲー、個別ルートが楽しみ。 <最近読んだ本> ◆ 六花の勇者2 (山形 石雄/スーパーダッシュ文庫) 【amazon】 一部界隈で昨年話題沸騰だった、勇者は六人のはずなのに七人いる疑心暗鬼ファンタジー、第2巻。 1巻以上に面白かったです。この2巻はなんといっても、衝撃の冒頭の始まり方。たまにある手法ではありますけど、1巻のあの引きからこの展開ってのが素晴らしい。え、なんでこの人が、ハンス死んでこの先大丈夫なの、そもそも本当に死んでるの、などと疑問がうずまき、そこから進む話の緊張感が違う。上手いなーと思いました。 その後もアッと驚かされたり上手いなと思う箇所がいくつかあって、1巻よりも好き。「殺すために育てられた」で気づきたかったと読了後には思いましたけど、はじめて読んだときは「えっロロニアが」で思考停止してたので無理。参りました。 7人のうち、モーラはこれで事情は出尽くしたのかな。ハンスも死んでますし何もなさそうな。ゴルドフがまだ裏ありそう、でもこの人は1巻の姿見てるといまいち格好良くないからなあ。まあ考えても分からないので諦め。恋愛方面はロロニア派で。幼馴染(?)はよいものです。 あと、救われたときのウィロン側の描写(彼らは知らないのだ云々)がちょっと引っかかったんですけど、この先人間側が足引っ張ってくる可能性もあるのかな? 時間と距離的な問題で難しいとは思うんですけど。 気になるラストがあって、ここからどうなるんですかねー。この引き方だとドズー陣営に注目しちゃうんですが。なんにせよ、途中で打ち切り展開になったりせず、ちゃんと最後まで描かれてほしいです。 評価 ☆☆☆☆(8) |