トップに戻る



___12月31日(土)

 最後に戯言を読んで今年は終わり。ということでまとめを。

 読了――342冊
 購入――393冊

 _| ̄|○ 1日1冊ペースはせめて守りたかった……。落ちて1日約2冊ペースのこの人はやっぱり化け物です。
 で、今年よかった作品ベスト5、とりあえず新刊限定で。

1位 トワイライト・トパァズシリーズ (佐々原 史緒/ファミ通文庫)
2位 ウィザーズ・ブレイン5 (三枝 零一/電撃文庫)
3位 銀盤カレイドスコープシリーズ (海原 零/集英社スーパーダッシュ文庫)
4位 霧の日にはラノンが視えるシリーズ (縞田 理理/新書館ウィングス文庫)
5位 クドリャフカの順番―「十文字」事件 (米澤 穂信/角川書店)

 ウィザブレ読んだ時点で「こりゃ今年の一番は決まったな」と思ったんですが、そこに現れたのがトワイライト・トパァズ。コメディとシリアスのバランスが絶妙、トパァズとししょーのカップルが本当に愛しくて、読んでいて元気がでる物語でした。多くの人にとっては地味良作にとどまりそうな気がするけれど、自分にとっては神作品です。銀盤は進化したスケート描写もさることながら、ヨーコのコンプレックスと恋のお話だった4巻が凄く好きなので。ラノンはストーリーテリングが絶妙、あと脇役スキーは必読。クドリャフカは古典部シリーズの中でも一番、文化祭の素晴らしさここにあり! という1冊。
 新人作品は5選には入れれませんでしたが、「琥珀の心臓」と「喚ばれて飛び出てみたけれど」は10選なら確実に入れる面白さ。観念的な話とやや不条理入ったコメディ、両方とも売れそうなタイプの作品ではないだけに先行きがやや心配、来年も作品がたくさん出ますように。
 旧作は大体漁りつくしたので当たりの数は減りましたが、「コンビネーション」をついに読めたし、「洪水前夜」「FW」などノーマークだったところからの未知の良作にも出会えて幸せでした。
 ただ、昨年に比べると大当たりの数が少なかったかなぁ。昨年が刹那・復活の地・女神の花嫁・運タロと大フィーバーしただけな感もありますが。なんにせよ、来年もたくさんの良作に出会えますように。


【今日読んだ本】

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (西尾 維新/講談社ノベルス)amazon

《あらすじ》
 高校生の湖冬のクラスに転入した海人は人気アイドルの双子の弟。誤解から湖冬を傷つけてしまうが、彼の本当の姿に気づいた湖冬との距離は少しずつ近づき…。表題作他ピュアラブストーリー短編集。


 今年の締めくくりは、読み時逃して積んでいた戯言シリーズ完結編。
 さすがに今までのバックボーンがあるだけあって、つまらなくはなかったです。けれど、この物語はこんな風に進んでこんな風に終わる物語だったのか? そんな違和感が終始ぬぐえませんでした。ぶっちゃけ伏線はろくに覚えちゃいないんでどうでもいいんです、いーちゃんの本名が分からなくたって別に構いません。ただ、作品の根底にあるものが、この下巻にきて完全に変質してしまったように感じました。あとがきに「キャラは変えなかった」とありましたが、「生きる」ことについてキャラに語らせるあたり、今までと何かが違った気がします。そして、哀川さんが立ち上がったシーンで「優勝したもんねー」(@ドラゴンボールのジャッキー・チェン)を連想してしまったあたりで完全に醒めました。あとはよく分からないハッピーエンドを眺めるだけ。うーん……。


評価 ☆☆☆(6)


【ここ3日で購入したもの】
 薔薇のマリア4 LOVE'N'KILL(十文字 青/角川スニーカー文庫)
 コミケで購入したもの

 買い過ぎた。APPLEprojectのCD、間違えて旧譜を買ったのが泣けます。
 ライトノベル関連本はいまいち元気がないように感じたけれど、その分他で色々収穫あって満足。中でもイチオシは「ロマンスの温度差」。一次創作百合小説なんですが、人当たりのいい学園のアイドルを演じてた女の子が理由なき恋におちてメロメロ(死語)になる描写が素晴らしい。社会における百合の異端性をきちんと表現していながらあまり鬱々としてないのも好感触、まだまだ続刊なので夏も楽しみ。



___12月28日(水)

 明日明後日はC69に行ってくるので更新があるかどうかは不明です。上にもバナー張ってますが、30日西う-09b「Circle Papillon」に暇があればお立ち寄りを。自分がブースにいるかどうかは不明ですが。
 ついでにC69ライトノベル関連サークル一覧、最後の再掲。


【今日読んだ本】

空よりも青く染まれ (片山 奈保子/コバルト文庫)amazon

《あらすじ》
 高校生の湖冬のクラスに転入した海人は人気アイドルの双子の弟。誤解から湖冬を傷つけてしまうが、彼の本当の姿に気づいた湖冬との距離は少しずつ近づき…。表題作他ピュアラブストーリー短編集。


 今月発売だけど来月分のコバルトの新刊、「銀の一角獣」などファンタジーを多く書いている片山さんの久々の現代舞台作品。
 同じ現代物の「さよなら月の船」が正統派ラブストーリーで結構よかったので期待してたんですが、これは期待外れどの短編も転で事件起こり結で解決して後日談、というオーソドックスな流れなのだけれど、急展開だったりご都合主義だったりで、事件がどれも茶番にしか見えなかったんですよね。1短編に70ページ使っているとは思えないほどスカスカな印象受けたのも影響しているかも。それでいて、雰囲気がとりたてて綺麗なわけでもなく。竹岡絵は大好きなんだけどこれだと厳しいなぁ。


評価 ☆☆(4)



___12月26日(月)

 C69ライトノベル関連サークル一覧ちょっとだけ更新。情報をいただいたもののうち、グレーゾーンや何の作品に関わってるか分からないものは記載を見送りました、申し訳ありません。


【今日読んだ本】

コンビネーション (谷山 由紀/ソノラマ文庫)amazon

《あらすじ》
 契約金一億で、即戦力と期待された左腕のスーパールーキー・岡野が入ったチームには、三年前にドラフト5位で入った名倉という選手がいた。常に要領よく、敷かれたレールに乗っていた岡野の目には、名倉はただの不器用な男としか映らなかったが…。6人のチームメイトとひとりの少女の目を通して名倉の成長を描いた、すべての野球狂に贈る珠玉のハートフル連作短編。


 ついに ねんがんの コンビネーションを てにいれたぞ!

 探し始めてブクオフでソノラマの「た」の欄を見ては「こんなに緑の森の中」ばかり見つかり落胆すること云年、こんな自分を見かねてサンタクロースがプレゼントしてくれました、ひゃっほう! 見よ、これが幻のコンビネーションの表紙だ!!



 ……いや、うん、売れませんねこれは。いくら95年だからってこれはない。ソノラマさんはもうちょっと表紙を考えてください。そして復刊してくださいほんと。
 でも中身は、傑作という評判に違わぬ素晴らしい出来。噛み合わせがあわずにスランプに陥った新人投手や期待されてドラ1で入ってきたムードメーカーで大砲タイプのルーキーなど計7人を主役とした7つの短編、そのそれぞれに一心に練習し続けてきた結果突如ブレイクした朴訥な青年の名倉が関わっている、という形式なのだけれど、多角的な視点を通して野球というスポーツの魅力を描き出しているのに加えて、どの短編も世界の厳しさを示すと同時に、厳しさをそれ以上の優しさで包み込んでいて、読了後に爽やかな何かを心に残してくれます。
 一番心に残った話を挙げようとしても、衰えを見せ始めた名ショート、名倉の高校のクラスメイト、やめていく名倉と同期の選手、どの話も切なくて暖かくて甲乙つけがたく一つに絞れないほど。谷山さんの作品はテーマはどれも似通っているけれど、自分はこの作品が一番気に入りました。
 正直、自分のつたない言葉ではこの本のよさを伝えきれないので、「読め!いいから読め!((c)極楽トンボさん)」と言っておきます。頑張って手に入れましょう。


評価 ☆☆☆☆★(9)


【結構前に購入したもの】
 コンビネーション (谷山 由紀/ソノラマ文庫)

 実は結構前に手に入れていたんですが、いざ手に入るともったいなくて今日まで読めなかったわけです。



___12月24日(土)


【今日読んだ本】

どり〜む・まいすたぁ 夢は楽しく見たいです (清水 文化/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 深海舞花は高校1年生の女の子。そんな彼女の悩みは慢性的な寝不足。そのために授業中でも下校途中でも所構わず寝てしまうため、成績優秀ながらも教師たちから目を付けられ、クラスメートからも「眠り姫」とあだ名される始末だ。舞花がそこまで寝不足になる理由は、寝るたびに悪夢を見ることだった。ところがある日、夢の中で一人の魔法少女と出会う。彼女は悪夢を見る子供を探していたのだ。そして知ることになる舞花が悪夢に悩まされる理由。そして、悪夢を克服しないと命の危険があるという事実。そこから舞花の悪夢に打ち勝つための戦いが始まる。


 「気象精霊記」の清水さんの新シリーズは、実質SFのふわふわ現代ファンタジー。

 教訓:女主人公の新シリーズだからって何も考えずに特攻しちゃいけない

 アンパイだと思って買って地雷だったのは久しぶり。主人公のですます調の説明口調がもう全く受け付けなくて、最初の2,3ページで放棄しそうになったほど。著者ホームページによると実験らしいけれど、失敗してる気がするなぁこれは。ページ進むうちに多少慣れたものの舞花のことを気に入るには程遠く、夢魔導師などの設定も興味を持てず、楽しみどころがありませんでした。


評価 ☆★(3)


【今日購入したもの】

Landreaall7 (おがき ちか/ZERO-SUMコミックス)
pulp I (森橋 ビンゴ/ファミ通文庫)
くじびきアンバランス3 (横手美智子とゆかいな仲間たち Ver.3/MF文庫J)
空よりも青く染まれ (片山 奈保子/コバルト文庫)
鏡のお城のミミ 遠いひとへの贈りもの (倉世 春/コバルト文庫)
エネアドの3つの枝 最後の封印 (樹川 さとみ/コバルト文庫)
ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスとつぼみの淑女 (青木 祐子/コバルト文庫)



___12月23日(金)

 冬コミも近づいてきたので、参考のために夏コミで購入した物の、
 積んでいた奴を崩し始めました。
 ……買い過ぎはいけないと思う今日この頃。まあたくさん買うからこそ、玉石混淆の中の大当たりにも出会えるんですが。

 C69ライトノベル関連サークル一覧少し追加、これで大体出揃ったかな。


【今日読んだ本】

魔法鍵師カルナの冒険3 流転の粉 (月見 草平/MF文庫J)amazon

《あらすじ》
 魔法の鍵も扱える特殊職業、魔法鍵師。鍵師試験をパスしたカルナは、師匠のミラの店で本格的に仕事の手伝いを始めていた。一方ミラは、旧友ブレイトンが残したランキンの「究極のマスターキー」に関する資料に没頭する毎日。ランキンの魂を受け入れた親友・エクセラの魂を救い出すためだ。そんなある日、店にひとりの女性がやってくる。ミラを見るなり「お姉様!」と飛びついた女性にカルナは驚くが、彼女はミラの後輩・ヴェルナだった。ヴェルナはミラに、「鍵開けの技術を教えてください」と頼みこむ。どうしても返してもらえないものがあるので、取り返したいというのだが……それって泥棒!? 鍵開けファンタジー、第3弾!


 世にも珍しい鍵師ファンタジーも早3巻、今回はミラの元後輩を交えたお話。
 安定。2巻で大量投入されたラブがほとんど消え去っていたのは大いにマイナスだし、エクセラ達が出てこない分盛り上がりの面では既刊より劣るけれど、鍵開けはマンネリになることなく楽しかったし、エクセラが内面あんなだったとは完全に予想外、気持ちよい裏のかかれ方で、今巻も面白かったです。次で完結なのがちょっともったいないですが、引き延ばすよりはこの方がずっといいですね。どういう落とし方をしてくるか期待。


評価 ☆☆☆(6)



___12月21日(水)

 C69ライトノベル関連サークル一覧に大量追加、情報くださった皆さんありがとうございます。これでサイト持ちのクリエイターはあらかた網羅できたはず。


【今日読んだ本】

エル・ウィン武官弁護士事務所業務日誌2 ハッピー・エンドレス (鏡 貴也/富士見ファンタジア文庫)amazon

《あらすじ》
 エル・ウィンの秘書として慌ただしい毎日を送るミア。依然としてエル・ウィンへの片思いは継続中。果敢なラブ・アタックも空振りに。もちろん、秘書の仕事もきちんとこなしています。相変わらず依頼人は死神や吸血鬼?


 10巻で激動の第一部を終了したエル・ウィンシリーズの短編集第2弾にして短編集完結編。
 今回の感想はジャンケンマン風にお送りします。
ジャーンケーンポン!

ずこっ

ずこっ

ずこっ

ずこっ

ずこっ

ず、フィーバー!

20枚キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!

 長編のシリアス部分は大いに気にいったものの、ミアの乙女描写は苦手なままの自分にとっては最初の5つの短編はなかなか厳しかったです、といっても長編前半のようにダメダメではなくて、乙女描写さえ気にならなければそれなりなんですが……。でも、長編とリンクする「ハッピー・エンドレス」はその圧倒的な幸せ描写ゆえに感慨深く、シリアス一辺倒でミアの想いを描いた「夢の残り香」は長編の状況を考えると切なくて(最後の「彼女」はいつの彼女だろう? 第二部?)、この二編はよかったですね。
 そしてあとがきでエル・ウィン第二部刊行決定報告キターーー! 第一部で終わってたら完全に生殺しだっただけにほんとよかった。一巻で投げた人も二巻で投げた人も機会があれば第一部終了まで読むのをお勧めします、苦痛が大きいほど後に待っている喜びも大きくなるのですから。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】

魔法鍵師カルナの冒険3 流転の粉 (月見 草平/MF文庫J)

くじアン出てたの気づかなかった……。



___12月20日(火)

 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい1年前とは違って自主規制したけどバレバレでした。次はばれないように(略

 トロイメライネタでもう一つ。祭屋本館さんの『さよならトロイメライ』覚え書きページが超便利。これさえあればキャラ関係忘れてても読み返す必要がありませんよ! ありがたやありがたや。

 C69ライトノベル関連サークル一覧、追加&修正。早くも修正5つくらいしているのがへたれすぎというかいつも通りというか。


【今日購入したもの】

エル・ウィン武官弁護士事務所業務日誌2 ハッピー・エンドレス (鏡 貴也/富士見ファンタジア文庫)
どり〜む・まいすたぁ 夢は楽しく見たいです (清水 文化/富士見ファンタジア文庫)



___12月18日(日)

 需要あるのかどうかよく分かりませんが、C69ライトノベル関連サークル一覧、とりあえず完成しました。追加情報があればこちらよりお知らせください。



___12月17日(土)

 コミケカタログ買ったので、ライトノベル関連サークル一覧作成中。イラストレーターの数の多さに挫折しそうですが頑張ります。


【今日読んだ本】

オートマート (七瀬 砂環/講談社X文庫ホワイトハート)amazon

《あらすじ》
 その日、自由都市フェールンの市庁舎に、謎のような御触れ書きが出た。『皇帝の心臓は機械、心は歌、体は城。医師には叶わぬ御病を直す、腕に覚えある職人を求む』意味は不明ながらも、大望抱く少年時計職人のアルトリッツは帝都行きを決心。異能の宮廷建築士カロディノの眼にかない、歌姫リザメアと共に皇帝陛下の職人となる。アル自身の大きな秘密が魔の手となって、身近に迫っていることを知る由もなく――。


 今月のホワイトハートの新人さん。ホワイトハートで賞とってるかは分かりませんが、ぐぐって調べてみるに音楽小説賞(?)佳作をとっているようです。
 最初数十ページはなかなかいい感じだったのだけれど、読み終わったときには「うーん」という状態に。というのも、著者がこの作品で何をしたかったのかがさっぱり分からなかったのですよね。描きたかったのは、「皇帝の心臓は機械、心は歌、体は城でできている」という文章から生まれる世界なのか、宮廷内ののゴタゴタなのか、政権問題なのか、それとも少年や少女の成長物語なのか、どれも中途半端に思えました。特にリザメア兄妹はどうみても描写不足で出さなかった方がいいと感じたくらい、エピローグの扱いの軽さとかひどすぎる……。どれか一つに絞れば面白くなった気がするので、次作もチェックはしよう。


評価 ☆☆(4)


【今日購入したもの】

コミックマーケット69 CD-ROMカタログ