ウィザブレの感想を書いたら少しモチベ上がったので、短文感想で列挙します。
●オンラインノベル
かくして少年は迷宮を駆ける ~勇者も魔王も神も殴る羽目になった凡庸なる少年の話~
オンノベの最近のお気に入り。主人公の覚悟・精神力の突き抜けっぷりが、これまで読んできた全物語の中でも有数。タイトルの通りどんどん相手がインフレしていく絶望に対し、精神力を最大の武器として打開していくのが面白い。他のキャラも負けない個性もっていて、やりとりも楽しいです。毎日更新の速さも嬉しい。
読者を全力で殴りにきている物語。特にここしばらくの、感情を上げたり落としたりがきっつい。書籍版1巻の感想で『1話更新されるたびに情緒がかき乱されてます』と書いていたんですが、上には上がありましたね……。書籍版も今のところ順調に刊行されているので、ぜひここまで進んでほしい。
本編より外伝が長くなった大人気ファンタジー。本編も好きですが、外伝はさらに好き。ただの後日譚ではなく、しっかりキャラクターの成長や人間関係の変化も描かれるので、実質第2の本編といっていいかも。アイクが好きです。
両片思いでじれじれ、スイーツを添えて、というおいしいお話。自覚してからの甘さが良くて、こういう作品が日々更新されていると心がほっこりします。書籍化もめでたいですね、楽しみ。
全肯定奴隷少女(タイトル長いため副題)
今年になって完結。ネタみたいな設定を、綺麗で変わったボーイミーツガールに仕立てていて、特に終盤の対イーズアンや対奴隷少女ちゃんの展開は圧巻。この作品で泣かされるとは思いませんでした、完結してくれてよかった。
一時期増えたVtuberオンノベの中で1番好きな作品。読んだ人が後方腕組み勢になる話で、脱サラ報われてくれー、抱える深い闇をみんなで救ってくれー、と思いながら読んでます。書籍化は少し不安でしたが無茶苦茶人気あるようでよかった。
MMO物の中でも一風変わっていて好きなお話。主人公がゴーイングマイウェイで無双する話と見せかけて、掲示板での濃いプレイヤー達のたっぷりな描写を通して「きまくら。」というゲーム全体を描く話でもあるのが面白いです。主人公視点なんてものはゲームの一部でしかないのですよね。だからこそ全体に影響を与えるビビアさんの描写がまた映えるのです。
ウマ娘二次創作
一時期に比べると大分数は減りましたが、面白い作品はあるので読んでます。トレーナーが濃いキャラのもの、オリジナルウマ娘が出てくるもの、など色々ありますね。最近はテンプレオリシュやホシノウィルムの物語がお気に入り。
●商業本
多崎礼さんの新作。多崎さんのファンタジーを大長編として読めるのが何より嬉しい。登場人物たちの描き方がいかにも多崎さんらしいです、特にトリスタンの生き様が愛しい。編集部の異例なほどの猛プッシュを見ると、2巻以降もこれ以上のクオリティが続きそうで楽しみ。
森崎緩さんの新作。テレビ番組の制作が舞台で、時には無力感感じる描写もありつつも根っこは優しいお仕事小説の側面が面白かったです。個人的には、「キッチンバサミは万能」という話を最近耳にしたばかりだったので、時短料理の描写といったお料理小説の部分もタイムリーでした。森崎さんの恋模様描写も読みたいので、続いてほしいです。
古き良き少女小説をお好きな方々におすすめ。妖精の見える女の子とのハートフルなやりとり、その養父の軍人さんとの不器用なロマンスなど、素敵な要素が詰まってます。Web版は存在を知らなくて、電子書籍セールでふと目に留まって買ったので、当たりを引けてラッキー。
評判になっていたミステリー。評判通りの多重推理の見事さが面白かった。こういうロジカルなミステリは全然先を見抜けないんですが、時々読みたくなります。個人的には、動機やそれに関わる部分も気に入ったポイント。
こちらも評判作。現代海外の空気を混ぜ込んだ少女小説ミステリで、SNSも使って調査していくあたりが今風。明るく行動力のあるタイプの主人公が結構無茶もするので、時折ハラハラさせられつつ楽しく読めました。
三体のアナザーエピソード、というよりド派手な二次創作というべきかも。スケール大きくて面白いifでした、原作での希望に満ちた描写を逆手にとるあたりは、そこまでするかといった感じでしたが、確かにありえる筋ですしね。