ルルル文庫」カテゴリーアーカイブ

レディ・マリアーヌの婚約 / 宇津田晴

2016年10月22日(土)

レディ・マリアーヌの婚約3 (ルルル文庫) レディ・マリアーヌの婚約
宇津田晴
ルルル文庫
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またマリアーヌに出会えて嬉しかった!

まさかの5年ぶりのレディ・マリアーヌ新作。当時は期待のシリーズの2巻打ち切りを目にして、多くの読者が涙したものですが、今になって出るとは。たとえ功労者への最後のご祝儀であっても、出してくれたルルルさんにも書かれた宇津田さんにもありがとうございますと言いたい。

中身はいつもの宇津田さん作品の甘さ。両想いからのスタートの分だけ、普段よりも甘かったですね。マリアーヌはまあ普通に映るんですけども、ロベルトはがんがん甘い言葉吐きすぎです。レディ呼びが甘い甘い。両想いなのでお話の盛り上がりは少なめでしたが、幸せそうなマリアーヌが見れただけで満足です。

そんな中で美味しいところ持っていったのはカイル。従者ポジションの強みを存分に発揮してましたね。一番の座もキープできて、カイル大勝利でしょう。カイルも前作から応援したいキャラだったのでこういう結末迎えられて良かった。
裏切ったフリのシーンは本当は「えーっ!?」と叫ぶところなんでしょうが、宇津田さん作品でそんな裏切りが発生するわけないので、はい二重スパイですねと思って読んでました。モーリスさんおつかれさまでした。

あとがきの最後のかしこまった文章、ルルル廃刊のことを踏まえると、最後のご挨拶ですよねこれ……。宇津田さん作品の安心の甘さはルルルのレーベルととても合っていただけに、今後の宇津田さんがどうされるか気になります。どこかでまたお目にかかれますように。

幽霊伯爵の花嫁 恋する娘と真夏の夜の悪夢 / 宮野美嘉

2016年10月1日(土)

幽霊伯爵の花嫁8 ~恋する娘と真夏の夜の悪夢~ (ルルル文庫)幽霊伯爵の花嫁 恋する娘と真夏の夜の悪夢
宮野美嘉
ルルル文庫
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変わらないサアラの姿が見れて楽しかったです。

まさかの幽霊伯爵シリーズ完全新刊。レディマリアーヌと一緒に発表されたとき、「これ功労者に最後のご祝儀的なやつでは……」とビクビクしていたら、案の定のルルル文庫終了のお知らせ。しばらく前から危ないかもとは思ってましたが……。作家さん方が無事に他に移れますように。

それはさておいて本の感想を。間が空いても、サアラのサアラらしさ、信念や言動が当時のままで、懐かしい気持ちになりました。諦めずに、なせることは全てやるという強さを当たり前のように体現しているサアラの姿は、やっぱり格好いいし見ていて気持ちいいです。ドイルをスパっと切るのが痛快。ジェイク様への愛情表現も、普通じゃない言動なのにしっかり甘いのが楽しい。

ジェイク様はこんな面倒くさい人だったっけ? と最初思いましたが、そういえば元々こうだったような。何度かグーパンしたくなりました。サアラは大丈夫でしたが、エリオスはよく頑張ってたと思います……。多分今後は少しはマシにはなるんでしょう、少しは。他のキャラクターだとアシェリーゼ様が見れたのも嬉しかったです、シリーズ一番のかわいさはそのままでしたね。

一捻り効かせたミステリ要素もやっぱりありました。綺麗に騙された後に「そうそう、このシリーズはこういう捻りあったよね!」と思い出してました。もう少し早く思い出していれば騙されなかったかも? いや騙されたかな。悲しい結末でしたが、いい捻りでした。

ルルルではこれで最後かもしれませんが、どこかで次回作が見れますように。