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___7月30日(月)

 リトバス(多分)コンプ。賛否両論みたいですが、主人公は従来作品より好みだし、後半は相変わらず上手くあざとくて素直に感動。ミニゲームの野球にもハマりましたし文句なしに面白かったです(ただバトルはなあ。せめてコレクター要素があればよかったのに……)。位置づけとしてはCLANNAD以上AIR以下といったところ。


【今日読んだ本】

◆◆ ドラゴンキラーあります (海原 育人/C★NOVELS ファンタジア)amazon



《あらすじ》
 しがない便利屋として暮らす元軍人のココ。竜をも素手で殺せる超人なのに気弱なリリィ。英雄未満同士のハードボイルド・ファンタジー開幕!! 第3回C★NOVELS大賞特別賞受賞作!


 昨年「煌夜祭」を送り出したC★NOVELS大賞の特別賞受賞作は、ドラゴンキラーに襲われた経験がある便利屋の男が主人公、マフィアな商会があったりする近世風世界観のファンタジー。
 さすがに「煌夜祭」レベルには程遠いですが、なかなか楽しい話でした。この作品のウリはなんといっても「ドラゴンキラー」の設定ですね。武器屋の話だと思いこんでいたのもあって、ドラゴンキラーを種族として扱っているのが斬新に映りました。この設定、そしてドラゴンキラーの少女リリィの実力と性格のギャップのかわいさのおかげで、アウトローな男が世間知らずと出会って〜、というありきたりな構造が楽しいものになっていました。話のテンポがよかったので、荒っぽさもさほど気になりませんでしたし。
 来月にはやくも2巻が出るようで、C★NOVELSとしては激早ですね。多崎さんの新刊マダー?


評価 ☆☆☆(6)



___7月26日(木)

 C★NOVELS新刊ゲットー。でも週末はリトバスに専念するので更新頻度ががっくり落ちます。


【今日読んだ本】

◆◆ 黄昏色の詠使い III アマデウスの詩、謳え敗者の王 (細音 啓/富士見ファンタジア文庫)amazon



《あらすじ》
 二学期の始まったトレミア・アカデミー。移動教室の事件で赤色名詠の非凡な才能を明らかにしたクルーエルは、教師たちから飛び級を勧められていた。しかし、彼女はネイトと共に学びたいと、勧めを断るのだが――。


 切ない雰囲気と凝った設定が魅力の学園魔法ファンタジー「黄昏色の詠使い」第3巻。
 おやすみのキス━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!(ネタバレなので伏せ)
 いやー、クルーエルとネイトの織り成す関係が素晴らしいですね。お互いのことが心底大切で守りたいと願う、その曇りなき想いはこの世には存在し得ないくらいに純真で眩しすぎ、でもそれがいい。まだラブはちょっぴり薄味ですが、これから本格化したらどれだけかわいいネイトが見られるのか、あー楽しみ。
 もちろん本筋の方も盛り上がってます。2巻読んで「これからしばらくは脇役にスポット当てていくのかなー」と思っていたら、一気に色んな事実が明らかになってびっくり。名詠式を真面目に読まず雰囲気しか味わっていない自分には全貌がさっぱり見えてきませんが、1巻で気になったクルーエルの特別扱いにもちゃんと説明が用意されたのには好感が持てました。各所で散りばめられた謎がどう繋がるのか、4巻が待ち遠しいです。


評価 ☆☆☆☆(8)



___7月25日(水)

 やっぱりC★NOVELS新刊は手に入りませんでした。明日には売ってるだろう……。


【今日読んだ本】

◆◆ BLACK BLOOD BROTHERS (s)4 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)amazon



《あらすじ》
 元・調停員の葛城ミミコは、人間のクズちっくにゲーム三昧の日々。彼女はクビになってしまったのだ……。ミミコの苦悩を描く連載原稿に、書きおろしを加えた短編集第4弾!


 本編が神がかってきた「BBB」の短編集第4巻は、5〜6巻の間の暴走ミミコのお話。
 ……えー、いや、これはちょっと悪ノリしすぎでしょう。いくらなんでもクイーンMとしてのミミコの暴走は目に余りました、本編での熱さやかっこよさが台無しとは言わないまでも殺がれちゃってます。7巻見せられる前にこれが出てくれれば、普通に楽しめたとは思うんですが。他所見る限りは肯定派の人が多いみたいですが、自分はどちらかというと否ですね。書きおろしの方はいつも通りの過去話、カーサがすれ違った理由が明示されたり、あの人が暗躍してたりと、こちらは楽しく読めました。
 今回は残念でしたが、次のミミコ奮闘編は問題なく読めそうなのでそちらに期待します。


評価 ☆☆☆(6)



___7月24日(火)

 C★NOVELS新人フラゲ失敗。明日ちゃんと発売されるんでしょうか。


【今日読んだ本】

◆◆ 秋津島 二 惑いし宿命の乙女 (鷹野 祐希/GA文庫)amazon



《あらすじ》
 果たして復讐のために斎となることは、正しいことなのか――? 答えが出せずに惑う佐唯へ、厳島の斎・弥彦より市寸島比売の託宣が告げられる。曰く「――大物が動けばすべてが動く」と。その言葉に彼女はさらに困惑を深めるが、考えを出す暇もなく天孫からは新たな刺客が差し向けられる。なぜ彼らは、地祗の存在をそこまで疎ましく思うのか……!? 戦い傷つきながらも、決意を新たにする佐唯に、次々と試練が待ち受ける! 鷹野祐希が紡ぐ、ジャパネスク伝奇ロマン第二巻!


 日本神話ベースの伝奇物の殻をかぶった狂った幼女小説「秋津島」シリーズ第2巻。
 相変わらず幼女たちが狂っている話でしたが、いまいち盛り上がらないなあ。双子幼女にしろ妹系幼女にしろ、変貌前と変貌後であまりにも違いすぎて、同一人物に見えないし好きになれないんですよね。いくら天孫が人外だからといっても、今まで佐唯に抱いていた感情が完膚もなく塗りつぶされてしまうっていうのは、2冊読んだ今でも馴染めません。セクハラ発言する主様は天然で面白そうな神様ですがまだまだ出番少ないし、佐唯以外のキャラにあまり興味持てないのでちょっとしんどいです。
 ラストで驚愕(?)の展開がきて恋愛要素が復活しそうですが、とりあえず続きは様子見で。


評価 ☆☆★(5)



◆◆ 天使のレシピ2 (御伽 枕/電撃文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 高校生の間で流行している都市伝説――それは、恋に困った人のもとに現れ、問題を解決してくれる “恋の天使” の存在。失った自分の羽根を集めながら、大事な心を失った人間に羽根を渡してくれるというが……。羽根を失くしたヒトたちが織りなす不思議な物語。


 「2巻で化けた」という評判を聞いたので買って詰んでおいた、心が欠けた人間や欠けかけの人間の恋愛を扱った中編集「天使のレシピ」第2巻。
 うーん、気持ち悪い。いや、明らかに狙った気持ち悪さだし、1巻よりも上手くなっているのは分かるんですけれど、気持ち悪いことには変わりないわけで。あまりの気持ち悪さに、途中で読むの放棄してしばらく積んでいたほど。それくらい、中編の1つ「相談員」に出てくる主人公の彼氏の考え方には嫌悪感を抱きました。これで羽落としてないっておかしいですよ……。他の2篇も1巻と比べてよくなったとは思えなかった(テーマ性はあがっているけれど、単純な恋愛物としては1巻の方が好き)し、ちょっと期待外れでした、残念。


評価 ☆☆★(5)


【今日購入したもの】
 天空のアルカミレス V 聖婚の日 (三上 延/電撃文庫)
 黎明の双星 (花田 一三六/C★NOVELSファンタジア)



___7月22日(日)

2007年上半期ラノベサイト杯に参加ー。今期はシリーズ物が豊作でした。

「単発部門」
単発部門は今期は不作気味だったので投票は4作だけです。スロウハイツはさすがにラノベじゃないのでパス。キスとDO-JIN! にいれようかと思ったらシリーズでした。

身代わり伯爵の冒険 (清家 未森/角川ビーンズ文庫) →感想
【07上期ラノベ投票/単発/9784044524012】

今期の新人さんの作品の中で一番お気に入り。ベタさいこー男装さいこー。


グランドマスター! 総長はお嬢さま (樹川 さとみ/コバルト文庫) →感想
【07上期ラノベ投票/単発/9784086010320】

樹川さんのコメディは鉄板。ハルさんはシーカに篭絡されちゃうんでしょうか。


ビジュアル7 (辺見 えむ/B's-LOG文庫) →感想
【07上期ラノベ投票/単発/9784757735828】

「花より男子」をバカらしくした感じの逆ハーコメディ。一見キワモノですが、男女問わず万人が楽しめる気がします。


クジラの彼 (有川 浩/角川書店) →感想
【07上期ラノベ投票/単発/9784048737432】

ラノベかどうか微妙ですが、まあ有川さんだしいいかなと。甘いラブロマンスは大好物です。


「複数部門」
こちらは豊作。ウィザブレやらオペラやら結晶物語やらは泣く泣く諦めることに。


エパタイ・ユカラ 〜愚者の闇〜 (高丘 しずる/B's-LOG文庫) →感想
【07上期ラノベ投票/複数/9784757735866】

鬱な話好きは必読。女の子の友情話が好きな人も必読。ていうかみんな読め。


スイートホームスイート4 世界で一番すてきな遺産 (佐々原 史緒/ファミ通文庫) →感想
【07上期ラノベ投票/複数/9784757733435】

1巻の頃はトパァズと比べると劣るかなという感じでしたが、この最終巻ではさすが佐々原さんと思わされました。読後感の清々しさはピカイチ。


BLACK BLOOD BROTHERS 7 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 王牙再臨― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫) →感想
【07上期ラノベ投票/複数/9784829119211】

皆がいれようと、これには入れざるを得ないです。あざのさんの溜めた後の爆発力は狂ってる。


抗いし者たちの系譜 再始の女王 (三浦 良/富士見ファンタジア文庫) →感想
【07上期ラノベ投票/複数/9784829118962】

熱さとラブを兼ね備えた傑作ファンタジー。新シリーズマダー?


ダナーク魔法村はしあわせ日和 〜ドラゴンが出たぞ!〜 (響野 夏菜/コバルト文庫) →感想
【07上期ラノベ投票/複数/9784086010146】

堅物だったイズーが嫉妬する姿のかわいいことといったら。やっぱり時代は男ツンデレ。イズー×ビーは今期のベストカップルです。



【今日読んだ本】

◆◆ Tears Roll Down1 (鷹守 諌也/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 <迷宮都市(ラビリントス)>一の腕前を持つ仮面師(マスカレリ)・レイヴン。美貌と黒衣を纏った彼は、ある日奇妙な依頼を受ける。火事から生還したものの姿を消してしまった少女「アリス」の捜索だ。彼女はレイヴンの作った仮面をつけていたが、その下隠された素顔とは……!? 謎に満ちた物語が開幕!!


 「百年の満月」のたかもりさんのウィングス文庫初登場作品は、「楽園」と呼ばれる選ばれた人々の美しい街、「地獄」と呼ばれるスラム街、その他が暮らす「煉獄の街」の3つに分けられる「迷宮都市」が舞台、誰もが仮面をつけて暮らす街の物語。
 これは「百年の満月」よりも気にいりました。街の設定はいかにもどこかで見た感じだし、「楽園」が虚構っぽいのも、主人公が意味深な過去持ち(「楽園」の偉い人と何か因縁があるっぽい)なのも、基本に忠実っぽい作り。ですが、仮面の役割を演じて本当の自分を押し殺した人々の生き様は物悲しくて、中編2話どちらも読み応えがありました。メインキャラの1人に「顔なし」と呼ばれるアンドロイドがいて、彼に心があるのかないのか、みたいな話もテーマの1つなので、そういう話が好きな人にもお勧め。
 色々伏線はってあって、これからVS「楽園」な話になっていきそうです。1話のゲストからレギュラー化したアリスの活躍に期待、レギュラーで唯一の女キャラですし。


評価 ☆☆☆(6)



___7月21日(土)


【今日読んだ本】

◆◆ 百年の満月3 (たかもり 諌也/ウィングス文庫)amazon



《あらすじ》
 その女性の噂は聞こえていた。だが実際に目の当たりにした時、ヴィクトルもリュシアンも思わず目を瞠った。リュシアンの亡き母・オルタンス……かつてヴィクトルが愛した美しいオルタンスに瓜二つだったのだ!! リュシアン以上に衝撃を受けるヴィクトル。だが、彼には確信があった。これが、いかなる悪意の為せる業であるのかを―――。新展開でおくる、絢爛豪華な19世紀末、パリのノワール・ロマネスク!!


 今月は買った新刊が少ないのでウィングスCOMPをどんどん進めます。音楽家の少年が主人公、近世パリが舞台の「百年の満月」第3巻。
 1巻は微妙でしたが、巻を追うごとにじわじわ面白くなってきてます、よかったよかった。巻を経るごとにリュシアンの好感度が上がっているのが大きいですね、1巻がひどすぎたんですが。
 今巻は2巻の引きで予想した通り、オルタンスに悪霊王がとりついて……、というお話。もっとヴィクトルがメッタメタにダメージ受けるのかと思ったら、案外はやく正体に気づいたのは拍子抜け。でも、1巻では悪役っぽく描かれていたオルタンスが、母としても女性としても真っ当に生きていたのには驚かされました。種としての本能と愛との間で葛藤した末に死を選んだ彼女の生き方は、切なくかっこよかったです。
 残り1冊で終わりみたいですが、一区切りついてどう終わらせるかが気になります、ヴィクトル去るんですかね。リジーとの恋愛は……ないだろうなあ。まあ、とっとと買ってきます。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 BLACK BLOOD BROTHERS (s)4 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)
 黄昏色の詠使い III アマデウスの詩、謳え敗者の王 (細音 啓/富士見ファンタジア文庫)
 秋津島 二 惑いし宿命の乙女 (鷹野 祐希/GA文庫)
 悩殺ジャンキー10 (福山 リョウコ/花とゆめコミックス)



___7月18日(水)


【今日読んだ本】

◆◆ 三千世界の鴉を殺し2 (津守 時生/ウィングス文庫)amazon



《あらすじ》
 「三千世界の鴉を殺し、ぬしと朝寝がしてみたい」。不思議に艶事めいた響きをもったサラディンの歌声に、ルシファードの心臓は強く反応した。密かな逃亡者である彼を守っていこうと、ルシファードは心に決める。一方サラディンは無意識の内に彼に媚香を使った自分自身に驚愕していた……!! 遠い未来のミリタリーライフ!!


 ウィングス文庫の看板作品、ニアBLのSFもどきバカ小説「三千世界の鴉を殺し」第2巻。
 うわー、中身が空っぽだー(褒め言葉)。1巻でキャラ紹介と舞台紹介が終わって2巻でどうくるのかと思っていたら、見事にバカ小説に完全シフトしました。女性は強くたくましく、男は時代や世界が変わっても馬鹿、というのを不変の真理として、破天荒超絶美形ルシファードの暴れっぷりを描いた、ただそれだけの内容なんですが、はっちゃけていて笑えます。基地内で女性の間に出回っているゴシップ雑誌(男性士官をネタに好き勝手描かれたホモ雑誌)「パープルへヴン」についてのネタだけで、ページ数の半分近く使ってるんだから無茶苦茶。ほとんどの士官が憤る中、爆笑するルシファードの胆力とバカさはすごい。ていうかそこに1巻のそのネタを絡めますかー、そりゃ隊員は爆笑するだろうし、こちらも笑いこらえきれませんでした。他にも、飲みの席で女性士官2人でルシファードを言葉責めでフルボッコにしたりと、好き勝手書かれていて面白かったです。
 1巻で邪魔だったロボ・SF部分はどっかにいったし、懸念のBLへの発展も今のところはネタ止まりで安心、問題なく楽しめました。この調子でいってくれればいいなあ。


評価 ☆☆☆(6)



___7月17日(火)


【今日読んだ本】

◆◆ 鏡のお城のミミ はるかな王国に寄せて (倉世 春/コバルト文庫)amazon



《あらすじ》
 エリックの故国クロティルドはマルグリット公国に侵攻し、カンタン王国をも巻き込む戦いが始まりそうだった。再会したエリックとミミは、争いを止めようとするが…。大波乱のシリーズ最終巻!


 最初の「いかにも少女小説」といった内容から蛇行して随分変遷したこのシリーズも、15冊目にしてついに最終巻。
 そしてみんな幸せになり、エリックは最後までエリックでしたとさ。最初の王宮陰謀少女小説から、巡り巡ってこの最終巻では3国交えた大戦争にまで発展したわけですが、なんかモヤモヤとしたものが残る展開でした。なんというか、名前持ちに比べてあまりにも一般兵士の命が軽すぎに見えたんですよね。色々原因はありますが、エリックがあんまり危機感なくミミといちゃいちゃしてるのが大きいかな。先を完璧に読みきっての行動ならともかく、あまり深く考えている様子がないのがどうにも。一番の元凶は王妃ですが、エリックがしっかりしていればここまで深刻化はしなかっただろうだけに、何のほほんとしているんだという感情が沸きました。
 その王妃も、将軍殺しまでいったら閉じ込めるくらいのことしなきゃ駄目でしょう、色々企んでるリヒャルトはともかく、エリックは対処しとかないと。もし王妃がミミ殺してたらどうするつもりなのかとお前は。フィディルは「バティはやばい」って感想抱いていたけど、こいつにミミは任せられませんよ……。あと、お父さんはいい話なんですが、あまりにも唐突すぎて蛇足に見えてしまいましたね。ソフィー関連をはじめ、いいなと思う場面も色々あったんですが、どうにもエリックのせいで楽しみきれなかったのが残念。
 でも、これでもかというくらい曇りなく明るいエピローグを読んだ後には、このシリーズを最後まで読んでよかったなと思わされましたね。ミミはもちろん、フィディル夫妻も ジュリエットもアルノーもナタリーもおじいちゃんもおばあちゃんも子供たちも、各人色々あったけれどみんな本当に幸せそうで、これは祝福する他ないです。フィディルは成長したなあ頑張ったなあ。ジャンバティはいつまでもミミ忘れないんでしょうが、あの夫妻とナタリーの下なら幸せになれるでしょう。リヒャルトとファーデンの幸せそうな姿も見たかったなあ。ポール兄ちゃんは……頑張ってコレットあたりを、無理か。ん、誰か1人忘れているような、いや気のせいですね。
 途中見限ろうかと思ったときもありましたが、水谷さんの挿絵も含めて最後まで楽しませてもらいました。次は姫様の続きですね。


評価 ☆☆☆★(7)



◆◆ シャーロキアン・クロニクル1 エキセントリック・ゲーム (真瀬 もと/ウィングス文庫)amazon

画像は公式で。

《あらすじ》
 無意識の盗癖(とうへき)に悩む若き貴族デレクの前に現れた黒髪と灰色の瞳をした青年。その男・モリアーティに翻弄(ほんろう)されながらも、デレクが彼を憎むことができないのは……。表題作の他、書き下ろし「夢の殻(から)」を収録。真瀬もとのデビュー・ノヴェル!!


 ウィングスのベテラン作家の1人である真瀬もとさんのデビュー作、ホームズ聖典を伝記として創り上げられたミステリー風味の物語。
 自分好みじゃなさそうで今まで敬遠していたんですが、なかなか面白かったです。過去に何らかの問題を抱えている青年が主人公のミステリー、ということで「百年の満月」あたりと同じ系列に分類される話ですが、あちらよりもずっと主人公の問題は軽く、盗癖は持っていても不快にはならない主人公です。でも好きというほどではなし、この作品の魅力は文句なしに友人の姪のマチルダにあります。十二、三歳らしい純真さ、快活さと子供らしからぬ明晰さをあわせ持つ少女で、どこか暗いデレクと一緒にいるのもあって、とても輝いて見えました。それに、やっぱり1人でも女の子がいると華やかになっていいですね。あと、2ページぶち抜きイラストを使ったラストがお気に入り。それをそこで持ってくるとは上手いなあ、冒頭で気づくべきでした。
 ミステリー部分は謎が見抜けないくらいには上手かったですが、それよりもエピローグ付近で語られたモリアーティ、ホームズの正体が気になるところ。ホームズ聖典がベースらしいですが、ホームズについての知識をほとんど持たない(ホームズ、ワトスン、モリアーティがいるってことくらいしか知らない)自分でも問題なく読めました。詳しい人が読んだらどういう感想を抱くかがちょっと気になります。2巻では主人公が変わるのかな? とっとと確保して中身を忘れないうちに手をつけないと。


評価 ☆☆☆(6)


【今日購入したもの】
 シャーロキアン・クロニクル1 エキセントリック・ゲーム (真瀬 もと/ウィングス文庫)
 廻想庭園1 (真瀬 もと/ウィングス文庫)
 三千世界の鴉を殺し2 (津守 時生/ウィングス文庫)
 FATAL ERROR2 異端 (新堂 奈槻/ウィングス文庫)