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 2月13日(土)

2009年下半期ライトノベルサイト杯に投票します。今期はいつもより少女小説多め。クオリアは手元になくて再読できてないので外しました、的外れな読み手のままで推すのは悔しいので……。
タイトルリンクは読了時の感想です。投票コードはこちら。(トラバ用)



「新規部門」

384,403km あなたを月にさらったら (向坂 氷緒/ティアラ文庫)
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今期のダークホース。エロつき百合なのは表の姿、この作品のメインは迂闊で間抜けで変態乙女な主人公の美由紀のかわいさです。本人は策士のつもりでも傍から見ると思考が筒抜けだったり、合言葉が「びーくーる」だったり、好きな女の子との妄想世界に旅立ったりと、眺めてて楽しすぎ。
といっても決してただのバカ小説ではなく、意外にシリアス面でおっと思わせる描写もあります。百合とエロに抵抗がなければ男女問わずお勧め。

少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法 (渡瀬 桂子/一迅社文庫アイリス)
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少女小説的な一押しはこれ。ツンデレ主人公のエミリアがとにかくかわいいです。人付き合いがひどく苦手で、クラスメイトとの挨拶すらまともにできずにツンツンしてしまい、こっそり人形相手に挨拶を練習とか微笑ましすぎ。ヒーローもツンデレで2倍おいしい作品。

クロノ×セクス×コンプレックス1 (壁井 ユカコ/電撃文庫)
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今期の正統派一押し。入れ替わり、女子寮生活、タイムリープと使い古されたネタを組み合わせてこんなにワクワクさせてくれるのはさすが。女の子の描き方に壁井さんらしさがほんのり入ってます。これがカスチャ並にダークだったらとても嫌。

エフィ姫と婚約者 (甲斐 透/ウィングス文庫)
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13歳の姫様の前向きな気概がとても気持ちいい、王道少女小説。読了後に、年の差カップルの2人の数年後を自然に想像してしまって幸せな気持ちになれるのは、素敵な作品だと思うのです。

最後のひとりが死に絶えるまで (我鳥 彩子/コバルト文庫)
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新人さん枠、宝石を食べるヒロインとか鈍感ヒーローとか横恋慕王子とかが運命に抗おうとするお話。三者三様のやるせなさが切ないです。




「既存部門」

迷宮街クロニクル3 夜明け前に闇深く (林 亮介/GA文庫)
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最終巻前の静けさなのにこんなに面白い不思議、多分信者です。真壁さんかっこいいよ真壁さん。

道果ての向こうの光 二人の聖女と遠い約束 (秋月 アスカ/レガロシリーズ)
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憎まれている聖女の身体に心が入った純粋な女の子ユーナが主役のファンタジー。この2巻では、「自分を見てほしい」という気持ちが芽生えたユーナの心が切なく痛かったです。体にいつまでいられるか予想つかないストーリー展開も面白くて、少女小説としても憑依物(?)としてもお勧め。
最近人気の岸田メルさんがイラスト描いてるので、そっち方面に興味ある方も。

鳥籠の王女と教育係 姫将軍の求婚者 (響野 夏菜/コバルト文庫)
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ロマンチックに盛り上がって一段落と思ったら、さらに面白くなった作品。明らかに本命カップルは決まっているのに、普通に四角関係で盛り上がるのが凄いです。かませ犬ポジションなはずのキャラがここまで主人公の心を揺らすのはなかなかない。カエル王子恐るべし。

創立!? 三ツ星生徒会3 それでも恋^3は終われない (佐々原 史緒/ファミ通文庫)
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無事完結した三ツ星シリーズ、4巻完結ですが、あえて文化祭舞台の3巻をピックアップ。積み上げてきた主人公の頑張りが一気に活きてくる上、生徒たちの文化祭への思いも伝わってきて、とても燃えました。
事あるごとに書いてる気がしますが、佐々原さんは暴風だけじゃないよ、三ツ星もあるしトパァズもあるよ!

世界画廊の住人 ―地下迷宮の物語― (栗原 ちひろ/幻狼ファンタジアノベルス)

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駆け込み読了で駆け込み投票。根暗主人公のカルヴァスに萌えました、前向きな根暗になった姿が愉快。「お前は俺の根暗を甘く見た!」は間違いなく名台詞。
前作で広がった世界設定から一歩踏み込んだ物語も面白かったし、ほのかにロマンチックなのもよかったです。



 
 2月11日(木)

ミス指摘ありがとうございます、今年入ってからミスが増えてますね……。嬉しいお言葉もいただいたことだし、改めて気を引き締めていきます。


【今日読んだ本】

デュラララ!!×7 (成田 良悟/電撃文庫)amazon

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《あらすじ》
「僕は何もしてないよ。あれは、ダラーズみんなでやった事だから──」 東京・池袋。この街の休日はまだ終わらない。臨也が何者かに刺された翌日、池袋には事件の傷痕が未だに生々しく残っていた。すれ違うことなく街を徘徊するクラスメイトの男女、弟に付きまとう女の動向を窺う姉、最強の男を殺すために強くなろうとする少女、兄のことなど気にせずひたすら無邪気な双子、今後の自分を憂い続けるロシア出身の女性、過去の未練にしがみつくヤクザな男、休日を満喫しようと旅行に出た闇医者、そして安心しきりの首なし(デュラハン)ライダーは──。さあ、みんな一緒に、デュラララ!!×7


アニメが大人気らしい池袋群像劇「デュラララ!!」第7巻。

風呂敷の広がり方がよく分かる短編集でした。セルティや静雄といったいつもの面々、波江姉弟みたいな久々な人々、さらに赤林さんや茜なども加わって、「この物語ここから収束するの?」と疑問不安が浮かぶくらいに広がってます。成田さんなら多分大丈夫なんでしょうが。

でも、短編1本1本はいつもの面白さ。ならず者たちが綺麗にアホな方に誘導されていく「取りたてラプソディー」が一番気に入りました。茜VSヴァローナの三角関係にも萌えます、ヴァローナが茜のかわいさを引き出してくれていい関係。静雄×茜はお似合いです。
他では赤林さんが一途でかっこよくて素敵なおっさん。成田さんの愛がなんとなく伝わってきました。各短編間のちょっとしたリンクも心憎いうまさでした。

さて、次から新章突入みたいですが、実はこの物語の行く末にあまり興味が持てなくなってきてます。各キャラの恋愛の行方などは気になっても、今回の広がった風呂敷を見て、それがどう畳まれるかについては全然ワクワクしなかったんですよね。いざ読めば普通に面白いのかもしれませんが。とりあえず次巻待ち。


評価 ☆☆☆(6)



V.T.R. (辻村 深月/講談社ノベルス)amazon

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《あらすじ》
怠惰な生活を送るティーのもとに、3年前に別れた恋人、極上の美女アールからかかってきた1本の電話。「アタシの酷い噂話や嘘をたくさん聞くことになると思う。ティーにだけは知っておいて欲しいと思って。アタシは変わっていない」街に出たティーが友人たちから聞くアールの姿は、まるで別人のように痛々しく、荒んだものだった――。彼女が自らを貶め、危険を恐れずに求めたものとは……?


講談社ノベルスでの久々の辻村さん作品。「スロウハイツの神様」のコーキのデビュー作という設定のお話です。

うーん、一言で表すと「合わなかった」になるのかなあ。元マーダーで今はヒモ生活をおくっているティーが、元彼女でマーダーのアールの足跡を辿る物語。友人たちに話を聞いてまわるうちにアールの心が見えてくる構成はなかなか切なかったですが、肝心の主人公が嫌い。こういう軽薄なタイプの主人公って受けつけないです、アールや友人の優しい思いが見えるたびに主人公が引っかかってダメでした。こういうのが辻村さんじゃないコーキっぽさなんでしょうか。

ただ、「合わなかった」と言い切るには気になる点が。というのも、1箇所さっぱり分からなかった点があったんですよね。もしかしたら重要な読み落としをしてるのかも。アールと別れた理由ってなんなんでしょう? あえて書いてない? でも個人的には理由がないと腑に落ちないし、想像しようにもしっくりくる理由が思いつかないですし、うーん。

スロウハイツ再読すると印象変わるかもしれないので、忘れないうちに読むつもり。


評価 ☆☆★(5)



 
 2月9日(火)


【今日読んだ本】

竜と勇者と可愛げのない私 (志村 一矢/電撃文庫)amazon

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《あらすじ》
優秀な能力を持ちながらも、平民だというだけで周囲から疎まれる王宮魔術士のアンジュ。孤独に耐えるため心を閉ざし、可愛げの欠片もなくした彼女に与えられたミッションは、なんと世界を救うための魔王退治だった!? しかもコンビを組むのは、英雄といわれる家に生まれながら、血を見るのがダメという騎士のレックス。果たしてこれは、栄誉ある冒険の旅なのか、それとも単なる厄介払いか!? まったく息の合わない二人が繰り広げる、新感覚ファンタジーここに開幕!! 


「女主人公かな? 新人賞作品あまり惹かれないし、志村さん読んだことないし」という流れで珍しく電撃新シリーズに手を出してみました。

タイトルやあらすじから概ね想像した通りのベタなお話でした。アホでヘタレな勇者が実は無茶苦茶強かったり、主人公がピンチの時にはギリギリに助けてくれたりとお約束がたっぷり。戦うメイドさんが出てくるような今風なところもあったものの、基本的には古めのファンタジーといった印象を受けました。

まあベタだろうということは買う前から予想ついてたわけで、期待していたのは女主人公の部分。その点では、「かわいげのない私」であるところの主人公のアンジュがかわいかったので満足でした。強い魔術師だけど平民出身な上に意地っ張りなため、友達もいなくて孤独な子で、アホタレ勇者にも冷たく接するんですが、そんな彼女がアホタレ勇者の優しさにジンときたり、かわいいと言われてパニックになったりする様子にニヤニヤ。ですます調の落ち着いた一人称と、感情的になる姿のギャップがよかったです。

ただ、続きの面白さ的には不安が残るところも。キャラの背景はあっさり明かしちゃうし、ストーリーは順を追って旅していくだけみたいですし。アンジュとレックスの関係がどう変わっていくかは気になるんですが(主にレックス側の気持ち)、続き買うかは未定。


評価 ☆☆☆(6)



EROTICS×ANGEL (綾月 りょう/ティアラ文庫)amazon

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《あらすじ》
美しくも最強――悪魔の貴族、ゼル。彼に囚われた天使、フェリシアを待っていたのは淫靡な快楽に満ちた日々。躰を戒められ奪われる純潔。道具や媚薬、彼の執事まで加わっての責めに、禁じられた愉悦を感じて……。もう天使界には戻れない。涙を零す天使に悪魔は甘く囁く。「お前は俺のものだ」。彼の独占欲は種族を越えた究極の愛へと変わり始める――。超ハードErosファンタジー!


ティアラ文庫新人賞受賞作、天使の女の子が悪魔に堕とされていくファンタジー。

えろえろでした、とてもえろえろでした。「白衣と意外性の研究」のときにも同じこと書きましたがエロ分量はこちらが上、全編の8割くらいがエロでした。嫌がっている状態から快楽に流されていく様子はメリハリついてるしエロいなあと思ったんですが、途中からはちょっと飽きました。個人的には愛が感じられないエロはこの半分の量でも十分。

で、8割がエロだけあってストーリーはかなりあっさり。それは別に構わないんですが、どの辺で愛が生まれたのかが分かりませんでした。ゼル→フェリシアは一目惚れでいいとしても、フェリシア→ゼルはやることやってるうちにいつの間にかという感が拭えなかったです。この手の話のお約束といってしまえばそれまでなんですが、仮にウリエルに天界に帰ってきていいよと言われていたら、普通になびいてしまいそうなくらい薄い愛情に見えました。

ティアラがこれ以上この路線に進みませんように。


評価 ☆☆★(5)



 
 2月6日(土)


【今日読んだ本】

ミストボーン―霧の落とし子―1 灰色の帝国 (ブランドン・サンダースン/ハヤカワ文庫FT)amazon

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《あらすじ》
空から火山灰が舞い、老いた太陽が赤く輝き、夜には霧に覆われる〈終(つい)の帝国〉。神のごとき支配王が千年のあいだ統べるこの国の底辺には、スカーとよばれる卑しい民が存在した。盗賊団の少女ヴィンは、とるにたらぬスカーとしてひっそり生きてきた。ある日、腕に凄惨な傷をもつ男に見いだされるまでは……金属を体内で燃やし、不思議な能力を発現させる盗賊たちの革命を描き、全米でベストセラーとなった傑作、ついに開幕!


色んな人からプッシュを受けたので手を出した、久々の海外ファンタジー。

評判通りの面白さでした! 人の心をやわらげる不思議な力をもった盗賊の少女ヴィンの前に、合金術と呼ばれる技を用いる男たちが現れるところからはじまる物語。
まず面白いと思ったのが、合金術の独特の設定。体内に金属を取り込むことで、感情をかき立てたり、肉体を強化したりといった、取り込んだ金属に対応した力を使えるというもの。中でも金属を押す、引くという2つの力が、コイン1つを利用して飛び上がったり武器にしたり、色々な使い方があって面白かったです。金属が切れたり、間違った金属を飲んだりといったピンチも今後待ってるんでしょうか。

もちろんストーリーもよかったです、支配王を打ち倒す反体制なお話ってだけでもワクワクしますし、支配王の正体は? 到底不可能に思える計画をどう達成するのか? など見所いっぱい。ケルシャーはキャモン関連を見ても詰めが甘そうなので、何かミスしないか心配。ケルシャーやヴィンの背景を考えると、きっと誰か裏切るんだろうなあ。誰なんだろう。

そしてとても大事な点、主人公のヴィンがかわいい女の子でした。人間を常に疑ってかかることを兄から刷り込まれていたためになかなか心を開かないんですが、観察して納得して、わずかながら変化を見せる様子がいいです。今のところは警戒心強くて賢い子猫みたいな子、どう変わっていくのか楽しみ。

続きではヴィンが貴族の少女として貴族社会に潜入するようです、なんて好みな展開。ロマンスもあるらしいし、なるべくすぐに読む予定。


評価 ☆☆☆☆(8)



ヴァンパイアの花嫁 (魚住 ユキコ/ティアラ文庫)amazon

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《あらすじ》
私の血を吸っては駄目。だって私は……。若き領主リュシアン&教会の娘セリーナ――吸血鬼と禁忌の血の持ち主。太古からの呪いで決して結ばれてはいけないのに、禁断の恋に落ちてしまう二人。セリーナの血を吸わずにはいられないリュシアン。しかし彼女の血は吸血鬼に死をもたらす。血と精、死と快楽が交錯しあう極限の官能の行く末は!? 魚住ユキコの魂が迸る待望の乙女最新作!


昨年末のティアラ作品、「黒椿姫」の魚住さんがおくるヴァンパイア物。

主人公の兄が中途半端な変態でした。登場してからしばらくは、主人公のセリーナに対して籠の中に閉じ込めておくような変質的な愛情を注いでいて、襲い掛かった場面ではどうみてもド変態。全然好みではないものの、ティアラここまで壊れたキャラも出すんだなと少し感心してました。
それが後半、普通に物分りのいい兄に改心してしまったのがとても残念。血の影響なのかもしれないですがとても拍子抜けでした、最後まで変態でいてほしかった。

で、この兄のインパクトが強すぎたせいでメインカップルにあまりときめけず。能力を失ったことで「自分を見てもらえなくなるかも」と不安になるセリーナの心情なんかはよかったですし、エロくもあったんですが、どこか物足りませんでした。

つまるところ結論。黒椿姫の続きまだー?


評価 ☆☆★(5)



 
 2月4日(木)


【今日読んだ本】

SH@PPLE ―しゃっぷる―7 (竹岡 葉月/富士見ファンタジア文庫)amazon

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《あらすじ》
雪国と舞姫の入れ替わり生活がスタートして、はや半年。青美女学院では、次期生徒会長を決める選挙の時期に。その後に控えるのは校内舞踏会! ダンスに蜜を誘いたい一心の雪国だったが、思わぬライバルが現れて……


ラノサイ杯に合わせて積み崩し、双子入れ替わりラブコメ「しゃっぷる」第7巻。

噂に聞いたとおりの急展開でした。誰も悪くないのに、掛け違えで悪い方向に転がっていく展開っていうのは、「どうしてそっち行っちゃうの!」という思いでもどかしくなって少し苦手。先は気になるんですけど。特に、舞姫が一回り人間的に大きくなったことで蜜が誤解しちゃったあたりは、掛け違えの真骨頂でやるせなさ一杯でした。舞姫母が想像していたよりも悪い人じゃなくて、憎める相手がいなかったのもまたもどかしい。

でも蜜のおかげ(?)で、どうみてもかませだった鳥子がちゃんと勝負の機会を得られたのはよかったです、踏み出す鳥子が凛々しくてかっこいい。こういうポジションの子って肩入れしたくなることが多くて、ないがしろに扱われて残念なことも多いので、対等に描かれたのは嬉しかったですね。勝ち目はないんでしょうけど、それは仕方ない。ちゃんと雪国が真っ直ぐ向き合いますように。

さて、ここからどうなるのか。鳥子が雪国の背中を押す展開は切なすぎるので他の誰かに期待したいところですが、舞姫は怪我しちゃってますし。いまいち微妙なポジションのさゆねあたりが何かしたり……うーん。大人しく来月待ちます。


評価 ☆☆☆★(7)



空の彼方 (菱田 愛日/メディアワークス文庫)amazon

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《あらすじ》
小さな路地に隠れるようにある防具屋「シャイニーテラス」。店の女主人ソラは、訪れる客と必ずある約束をかわす。それは、生きて帰り、旅の出来事を彼女に語るというもの。ソラは旅人たちの帰りを待つことで世界を旅し、戻らぬ幼なじみを捜していた。ある日、自由を求め貴族の身分を捨てた青年アルが店を訪れる。この出会いがソラの時間を動かすことになり――。不思議な防具屋を舞台にした、心洗われるファンタジー。第16回電撃小説大賞“選考委員奨励賞”受賞作。


防具屋が主役&心暖まるものが読みたい気分だったので手を出してみた、メディアワークス文庫の新刊。

期待した通りの暖かいお話でした。旅立った人々を1人待ち続ける防具屋の女主人ソラが主役。まず、「帰ってこない幼馴染を静かに待ち続けている」という切ない設定の時点でやられました。小道具の貼り紙の使われ方にぐっときます。
そして、それゆえに落ち着いていても寂しげな雰囲気があるソラと旅人たちとの間の不思議な結びつきが心地よかったです。トリトスみたいに街を離れた旅人とも繋がりが残っているのが素敵でした。

ちょっと引っかかったのは、ソラとアルの関係が少し急すぎに思えたこと。ロマンスの予兆は好きなんですが、「この先何かあるかも」とほんのり匂わせる程度で終わった方がこの作品に限っては好みでした。

そういった意味で、続きでどうなるかは少し不安。でも、雰囲気は気に入ったので買うと思います。


評価 ☆☆☆★(7)



 
 2月2日(火)


【今日読んだ本】

つがいの歯車 さいごの王となくした記憶 (時生 彩/レガロシリーズ)amazon

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《あらすじ》
異世界の国、カガール帝国の若き皇帝・サジエルの元に嫁いだカナエ。「結婚は義務」と言い放つサジエルの心を動かそうと、カナエは孤軍奮闘し、やがてその努力は報われ二人の心は通じ合う。そしてようやく、愛のある新婚生活がはじまった。 しかし間もなく国境付近に無法者たちが集結しはじめ、サジエルはその対策に追われるようになる。王宮の雰囲気もただならぬ様子。ひとり何も知らされず困惑するカナエに対し、サジエルの反応はなぜかよそよそしくて──。


異世界に落とされていきなり王の妻にさせられるラブファンタジー「つがいの歯車」第2巻。

1巻とは別ベクトルの面白さでした。1巻が「異世界召喚物としては微妙だけど、恋愛描写が甘くていい」だったので、2巻ではさらに甘くなるのかと思っていたら「恋愛的には物足りないけど、異世界召喚物として楽しい」でした、ここで現実世界を絡めてくるとはとても予想外。

時々言葉が通じなくなることによる不安感にドキドキしたりもしましたが、それよりなんといってもキュウ萌えなのです。カナエの実の兄で、カナエより先に飛ばされてきて、300年間こちらから見るカナエを支えに生きてきた(ネタバレですがとても大事なポイント)って、何ですかこのときめけと言わんばかりの設定は! カナエに出会えたときの喜びを想像すると、切なさにうわーってなります。今まで見せてきた偏愛や歪み方も腑に落ちて、逆に歪みが愛おしくなりました。 キュウの側に落ちたらどんな未来が待ってたんでしょうか。逆に幸せになれないのかも。
他にも、Web短編での家族の絆にも心暖まりましたし、異世界物としてはとてもよかったです。

で、キュウに目がいってた分、サジエルの印象は薄め。言葉足らずだったり裏かかれたりで好感度ダウンでした。このサジエルにカナエ任せるのは少し不安、とキュウ視点で考えてしまったり。まあカナエの行動力とサジエルへの一途さを見てると大丈夫だとは思いますが。

これで終わっても不思議じゃないですが、マーシャがどんな人か見てみたいので続きあると嬉しいです(Web短編はこっちかと思ってました)。


評価 ☆☆☆★(7)



銃姫10・11 (高殿 円/MF文庫J)amazon

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《あらすじ》
“それは、最期の戦いの始まりだった”宝石谷を遠く眺望する丘すらも包みこむ轟音――。崩落する宝石谷の光景に、アンブローシアはセドリックの無事を案じて飛びだし、砂丘の神殿を駆け下りる。しかし、待っていたのは最悪の再会。ついに対面を果たした竜王アスコリド=ミトと王女アンブローシア。冷淡に、残酷に、嘲笑するように語られるその“罠”に、アンブローシアは戦慄を憶えてセドリックの名を呼び叫ぶ。「生き残って!!」と…。銃と魔法の本格異世界ファンタジー、ついに全ての弾丸が打ち尽くされる!!


2冊まとめて銃姫完結編。

凄かったです。これまでの旅の謎が次々と明かされていく展開は圧巻の一言。銃姫の真実をはじめとして、色々と驚かされっぱなしでした。ミトがそういう行動原理持ってるなんて考えてもいませんでしたよ、普通に悪役だと思ってた!(ダメ読み手) 

大崩壊には「ここまでやるのか高殿さん」と思ったものの、3人の関係だけ見ればあるべきところに収まった気がします。人の価値観で考えなければ、エルも普通に生きるより大勝利ですし。エルは正体が分かってきたあたりからだんだん好きになりました。セドリックも途中までは後ろ向きで好感度低かったんですが、よく成長したなあと。ルーカとのやりとりが感慨深くてとてもよかった。
逆にアンは最初の頃の方が好きでした、チャンドラース編あたりから「セドリックが求める存在」としての意味合いが強くなりすぎて、10巻ラストの選択くらいしか印象に残りませんでした。既刊の内容を色々忘れてるせいで、余計にそう思ったのかも。

そんな感じで面白いシリーズでしたが、どれくらい凄かったのかが現段階では判断つかないです。というのも、既刊読んできたときの印象が「各巻はバラバラだけど面白い」というものだったので、輪で繋がっているといわれても感覚的にピンとこなかったんですよね。理屈では納得いくんですが。なので、再読してみて印象を確かめてみたいです、パルメニアとも繋がってるらしいのでそっちも合わせて。今のところは暫定評価。


評価 ☆☆☆☆(8)