12月31日(木) |
年末まとめラストは、面白かった小説10選。 黄金の王 白銀の王 (沢村 凛/幻冬舎) 迷宮街クロニクル3 夜明け前に闇深く (林 亮介/GA文庫) クロノ×セクス×コンプレックス1 (壁井 ユカコ/電撃文庫) ウィザーズ・ブレイン VII 天の回廊 〈下〉 (三枝 零一/電撃文庫) BLACK BLOOD BROTHERS 11 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 賢者転生― (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫) アンゲルゼ 永遠の君に誓う (須賀 しのぶ/コバルト文庫) 鳥は星形の庭におりる (西東 行/講談社X文庫ホワイトハート) 鳥籠の王女と教育係 姫将軍の求婚者 (響野 夏菜/コバルト文庫) 道果ての向こうの光 二人の聖女と遠い約束 (秋月 アスカ/レガロシリーズ) 384,403km あなたを月にさらったら (向坂 氷緒/ティアラ文庫) 今年は昨年に比べて少女向けが豊作でした。鳥籠や嘘姫などの既存シリーズの面白さがアップしたのに加えて、鳥星形やブランテージ、魔法人形など新シリーズで気に入ったものも多く、来年も楽しめそうです。 昨年創刊されたネット小説シリーズ改めレガロシリーズから1冊。「道果ての向こうの光」は、頑張る女の子好きには是非読んでほしい物語。 良くも悪くも話題になったティアラ文庫からも1冊。「384,403km」の美由紀の変態っぷりとドジっぷりのインパクトは強烈でした。来年もこういう多様性を維持してくれるといいんですが。 そしてなんといってもアンゲルゼ。しんどいけれど凄い物語でした、去年読むの避けてた自分はバカです。補完本やお祭り本が同人誌で出たのも嬉しい点、昨日の冬コミで出たお祭り本は男性陣にとても萌えました。 少年向けは、好きな既存シリーズが順調に刊行された一方、新シリーズの大当たりにはあまり出会えず(読む量が減ったのもあるんですが)。そんな中、クロノセクスは入れ替わり、女子寮、タイムリープとおいしい要素てんこ盛りでこれから大注目。 一般枠は1冊。といっても申し訳程度に入れたわけでは決してなく、「黄金の王 白銀の王」は5指に入る物語。理想を目指して辛い道を歩み続けた王の姿が胸をうちました。一般小説としては読みやすいですし、歴史物に抵抗なければお勧め。 全体的に豊作で満足な1年でした、来年も面白い本にたくさん出会えますように。 【今日読んだ本】 ◆ グラスハート 冒険者たち (若木 未生/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 天才、藤谷ナオキが率いるバンド〈テン・ブランク〉の初の全国ツアー。ドラムの西条朱音は不安に揺れる。しかし藤谷は、ツアーのリハーサル中もアイドル日野ヒビキのプロデュースの仕事をかけもち…。 結局今年中に読み終わらなかった「グラスハート」新章突入の第7巻。 どんどん西条が分からなくなってきました。なんで坂本なんですか! 桐哉の驚きと意見にとても共感する自分がいます、ほんと桐哉とつきあっちゃえばいいのに。文字の上っ面だけ眺めると西条が嫌な女なんですが、実際のところどうなんだろう。もう少し読んでみないと分かりません。 でもツアーの描写はよかったです、トラブルを乗り越える場面は毎巻「おおっ」となります。新登場の源司さんが待望(?)の常識人キャラでバイタリティに溢れていて、テン・ブランクに足りなかったところを補ってパワーアップしたなという印象を受けました。 もう一人の新キャラのヒビキも結構好き。内面黒くても分かりやすいし、西条を慕ってくる姿がかわいかったです、今の西条よりかわいい。先輩とはとっとと別れるべき。 あと3冊、来年1月中には読み終わる予定。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 白衣と意外性の研究 (桃野 ゆかこ/ティアラ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 強引に純潔を奪われた相手を、好きになってしまった私。松田みなもは27歳の夏、はじめて男の人に抱かれた。相手は男として意識していなかった年下の同僚、蓮司。幾度となく好きだ、と囁かれたのに、彼は覚えていない。本当に私を愛しているの? それとも身体目当て? その答えはあまりにも意外なものだった――。ネットで大ヒットの恋愛小説、大幅加筆&コミック収録で書籍化! 先月のティアラ文庫刊の現代で年上なお話。著者の方は18禁乙女小説の同人で活動されている方で、コミケにもよく出ているので何作か読んだことがあります。「白衣と意外性の研究」の同人版も読んでいるので再読なんですが、あまり覚えてない&加筆が多いらしいので実質初読で望みました。 えろえろでした。とてもえろえろでした。手違いによる体の関係からはじまるラブストーリー。のはずなんですが、過程をすっ飛ばしていてほぼ全編エロ、エロとったらほとんど何も残りません。みなも→蓮司の心が近づくエピソード(非エロ)が1つ2つは欲しかったかも。 とはいえ、ちゃんとお互いを愛する気持ちを感じられるのはいい点、最初からベタ惚れな蓮司の気持ちを受け入れるにつれて、次第に乱れて積極的になるのはエロかった。愛あるノーマルエロとしては(つまりヴァンパイアや百合は除く)、今までのティアラで一番。2人とも幸せ一杯で、読後感もよかったです。こういう作品ばかりだと食傷しちゃいますが、たまにはいいですね。 「みいこプロ」さんは普段は過程も描いた作品を書いていて、登場人物の年齢ももっと若いので、次回作があるならそういうのを読みたいところ。 評価 ☆☆☆(6) |
12月30日(水) |
年末まとめシリーズ、今日はよかった漫画のまとめ。今年は例年より漫画をたくさん読んだ気がします。普通に挙げると多くなりすぎそうだったので、刊行数が少なめのものに絞りました。こうして並べると、好みが如実に現れますね……。 片恋トライアングル (天乃 忍/花とゆめコミックス) 一方通行の片思いが三角形を描く学園ラブコメ。三角関係でもギスギスしてなくて、ほのぼの明るいのが好みです。暴走気味妄想少女の関谷さんもかわいいんですが、それよりもその関谷さんに片思いな葛西くんにとても萌えました。モテ系に見せかけてピュアで、自分の気持ちに無自覚で、気づいても報われなくて、不憫男子好きにはたまらない漫画です。 全2巻完結。 きゃらめるBOY (森生 まさみ/花とゆめコミックス) ほわほわ少女(高校生)と生意気少年(中学一年生)の、砂糖菓子のように甘いラブコメディ。ませているようで、天然少女に振り回される瞬くんがかわいすぎるんです。生意気年下好きでこれを読まないのはモグリといってもいいくらい。甘いの好きな人にお勧め。 現2巻、以下続刊。 黎明のアルカナ (藤間 麗/フラワーコミックス) 政略婚で嫁いできた赤毛の姫君が主役のファンタジー。有能だけど恋愛的にバカな敵国王子と、姫君に忠実な従者による三角関係がいいです、バカ王子に徐々に惹かれていくのにドキドキ、従者の苛烈な嫉妬心にもドキドキ。レーベル的にほんのりエロスがあるのもいいアクセント、もうちょっとエロスが進むとティアラ文庫っぽいかも。 現2巻、以下続刊。 僕らはいつも (藤宮 あゆ/マーガレットコミックス) 田舎の町が舞台の、幼馴染4人による学園青春物。山猿タイプの典と落ち着いていて芯が強い冴花、恋する女の子がかわいいお話です。それに加えて、最近では暴走自爆体質の片思い不憫男子も登場して、ますます好みになってきました。 現4巻、以下続刊。 Under the Rose (船戸 明里/バーズコミックス) 知ってる人には今更かもしれませんが、読んだのが今年なので。中世ヨーロッパを舞台に、ある歪んだ一家を描いた物語。濃密に書き込まれた心理描写にとにかく圧倒されます。荒れ狂う思春期の心理、歪みきった人々の心理、どちらも凄い。欝要素多めで好みの作風ではないのに惹きこまれました。おまけ漫画をはじめとする癒しが時々入るのもありがたいです、ないと心折れてたかも。 現6巻、以下続刊。 あめのちはれ (びっけ/B's-LOGコミックス) 雨が降ると性転換するようになった男子たちによる、TS物の学園ストーリー。5人まとめて性転換するので、女子としての暮らしのドキドキだけでなく、助け合いによる友情的な側面もあるのが面白いです。一番面白いのは、錯綜しそうな恋愛面なんですけどね。5人それぞれの背景を描いているのでまだまだ序盤、でもそれだけに続きが楽しみ。 現2巻、以下続刊。 純★愛センセーション (おおばやし みゆき/ちゅちゅコミックス) もういっちょTS物、死んだ男の子が、自殺しかけている女の子に憑依して……、という学園TSにして三角関係なお話。TS物の特性を利用して、完璧な三角関係(一方通行×3)が形成されているのにドキドキします。一人がすでに死んでいる中、どう決着させるのかが楽しみ。低年齢向けな作りですが普通に楽しめます。 現4巻、以下続刊。(5巻で完結?) NGライフ (草凪 みずほ/花とゆめコミックス) 刊行数が多くてもこれだけは外せません。前世の記憶を持って生まれてきた少年が主役の現代学園物。前世の妻が現世では男で、前世の親友が現世では女で、というお話です。この食い違いを活かしたギャグ部分と、前世での悲劇を軸にしたシリアス部分の緩急がツボにはまりました、笑えて感動します。これ書くために最終巻読み返してまた泣きました。今年のマイベスト。 全9巻完結。 地球行進曲 (林 みかせ/花とゆめコミックス) 大分昔の漫画ですが、読んだのが今年なので。家族を亡くした女の子と、姉が残した子供が主役の家族物。主役の柚子の、元気で頑張り屋な姿がとても素敵。この子の周りになら支えてくれる人が集まっても不思議じゃない、と思わせてくれます。子供の翔もかわいらしくて、非常に心温まるお話。ありふれたテーマですが琴線に触れました、林みかせさんの作品の中でこれが一番好き。 全2巻完結。 |
12月29日(火) |
年末まとめ記事の時期ですよ、ということで今日は「今年あったらいいな10選」の結果。
【今日読んだ本】 ◆ 創立!? 三ツ星生徒会4 そうして恋^3は辿りつく (佐々原 史緒/ファミ通文庫) 【amazon】 《あらすじ》 想い人「向坂水穂」は存在しないと知って絶望するまどか。そして自分(と水穂さま)を責める恵。でも落ち込む暇もなく、体育祭の準備では元ホシ高vs元ホシ女の調整に頭が痛いし、その後には恐怖の新生徒会選挙戦が(涙)。まどかが厳しいマニフェストで反感を買う一方、鳥越は出馬せず恵を推すと宣言! まどかも「私と戦え」って、もう逃げられない!? さらに突如、水穂さまの池に異変が!! ――生徒会と恋^3の行方やいかに!? 佐々原さんのちょっぴりファンタジーな現代学園ストーリー「創立!? 三ツ星生徒会」最終巻。 この上なく綺麗にまとめた最終巻でした。3巻の感想で「誰ともくっつかないラストが一番しっくりくる」と言ってたんですが、このまとめ方ならこのカップリングもあり、と素直に納得させられました。黒プニ関連への葛城さんの絡ませ方などは、設定をうまく作りつつ葛城さんのかわいさも引き出していて、さすが上手いなあと。恵は、直接的なかっこよさは3巻がピークでしたが、これまでの下地と成長がそこかしこに感じられて、いい主人公でした。 ただ、開かれなかったルートを是非見たかった、という思いがあるのも事実。あとがきにある「予定通りの決着」というのはきっと駄神との別れの場面なので、駄神ルートもありえたと思うんですよ。恵と駄神のやりとりは恵が成長しても変わらず楽しかったし、別れのシーンが一番綺麗でときめいたし、ああ惜しいなあ。 ともあれ、今回もいいシリーズでした。首は切られないみたいなので、次のファミ通での佐々原さん作品にも大期待。今度こそフェリオス大陸が舞台だったら最高なんですが。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 魔王様げ〜む! (渡島 健康/メガミ文庫) 【amazon】 《あらすじ》 お家の事情で、はるばる魔王ディンゴの討伐にやってきたレイモンド。しかし、返り討ちに遭ったうえに、魔法で超美少女に性転換させられちゃった!? 魔王専属メイドとしてディンゴのセクハラに耐えながら働くことになった彼女(?)に幸せは訪れるのか……? TS作品らしいので買ってみた、メガミ文庫の新人賞受賞作品。 TS的に見所多めのお話でした。魔王討伐にきた勇者が返り討ちにあって、性転換魔法で美少女メイドにさせられてしまい……、というコミカルなファンタジー。勇者はセクハラ魔王をあしらいつつ日々の業務をこなしていくことになるんですが、変にエロ方向に行かずに男の自我を保とうと心がけているのがポイント高いです。極力体を気にしないようにしつつもたまに意識してしまったり、慣れていくうちに女性としての心が少しずつ混じっていったりと、TSならではの出来事がたっぷり。うっかり母性を発揮したり、魔王に惹かれかかってしまう姿にニヤニヤでした。性転換は元に戻らないENDこそ至高。 同僚のメイドさんたちもそれぞれキャラがたっていて、日常もそこそこ楽しかったです。TS好き以外にはどうかなという気もしますが、TS好きには結構お勧め。 評価 ☆☆☆(6) |
12月28日(月) |
【今日読んだ本】 ◆ お師匠さまと雛の魔女 (香月 せりか/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 魔力を持つ少女ルーニィは、偏屈魔術師カリヤのもとで修行の日々。まともに使える魔術はいまだに一つだけ。ある日、森で倒れていた隣国の王子を、カリヤが城へ送り届けると言い出すが…!? 「ただいま神サマ募集中っ!」でデビューした香月さんの2作目は、落ちこぼれ魔女が主人公のファンタジー。 いかにも少女小説な、かわいらしいお話でした。魔女ルーニィと偏屈お師匠様のカリヤが、亡命の王子様を助けるために旅する、というストーリー。落ちこぼれだけど一生懸命な女の子に、ツンツンだけど弟子想いな師匠、というベタベタなキャラ配置ですが、こういうベタは大好きです。ルーニィが結構自分の意見を言う明るい子だったり、お師匠様の弟子想いが程よく分かりやすかったりする(ルーニィには伝わらないくらい)のがなかなか好みで楽しめました。 あと、師匠−弟子の関係と男女の関係が両方書かれてるのもいいなと思います。2度の告白シーンはどちらも胸キュンでした、ルーニィの啖呵きりもお師匠様の優しさも素敵。 主人公の能力がうまく話に活かされていたりもしたし、タイトルでピンときた方にはお勧め。 評価 ☆☆☆★(7) |
12月25日(金) |
【今日読んだ本】 ◆ 花宵道中 (宮木 あや子/新潮文庫) 【amazon】 《あらすじ》 江戸末期の新吉原で、叶わぬ恋に咲いては散りゆく遊女たち。恋する男の目前で客に抱かれる朝霧、初見世に恐怖と嫌悪を抱く茜、自分を捨てた父に客と女郎として対峙した霧里、一生恋はしないと誓いながらもその衝動に抗いきれなかった八津……芳醇な色香を放ち、甘美な切なさに心が濡れる官能純愛絵巻。 秋頃に話題になっているのを見て気になった、「女による女のためのR-18文学賞」受賞の吉原遊女たちの物語。 切なさと欝具合が鮮烈で凄かったです。R-18、しかも吉原舞台ということでエロさ、淫靡さがティアラ文庫以上で、最初はそちらに目がいったんですが、途中からはあまりの切なさにエロさが気にならなくなりました。悲恋がほぼ確定の中で燃え上がる恋心は美しくて儚くて、ページをめくるのが辛い。さらに、連作短編で同じ遊郭が舞台という形式をとっていて、ある話の主人公が他の短編で登場するのがまた憎い。恋心のその後や思いもかけない事実が分かったりして、普通なら嬉しい再登場ですが、欝も増すので嬉し悲しでした。 一番印象深かったのは「青花牡丹」。構成が実に巧みで、今まで感じた欝を増幅させて畳み掛ける作りになっているんです。霧里と東雲の救われなさに落ち込んで、まだ幼い朝霧の姿を見て、その後の生涯に思いを馳せて落ち込んで。「この作者さん鬼だ!」と心から思いましたよ。 他では、「十六夜時雨」の、抑えきれずに燃え上がる恋心の描写もよかったです。魅力的な登場人物の中でも八津が一番好き。 いやでも、面白かったです。後半の3編はそこまで欝でもなかったし、欝でも根底には恋の切なさがあるので、読むのが嫌にはなりませんでした。他作品もそのうち読みたいです。 評価 ☆☆☆☆(8) |
12月24日(木) |
【今日読んだ本】 ◆ ブランデージの魔法の城 魔王子さまと鏡の部屋の秘密 (橘香 いくの/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 元王子さまの魔術師ドナティアン・シャルルと、平凡な女の子アドリエンヌ。ふたりは最近ケンカばかりしているが、アドリエンヌがある部屋に迷い込んでしまい…。恋知らずの魔王子さまはどうする!? 橘香さんがおくる、堅物と俺様のラブコメファンタジー「ブランデージの魔法の城」第2巻。 1巻に引き続き安定して楽しめて、ベテランの上手さを感じました。意外とうっかり屋で直情的な反応がかわいいアドリエンヌ、事あるごとにアドリエンヌを心配したりと本音が表れてきた王子、と主役2人が相変わらずいいキャラ。カゴに捕まってもイチゴをおいしそうに食べるアドリエンヌの姿が、イラストパワーもあって妙に印象に残りました、これでまだ平凡を主張しますかこの子は。 それに加えて、これまたひねくれ者のお師匠様(リス)と、今よりも感情が分かりやすくてかわいいチビ王子も登場して、キャラの魅力が倍増でした。お互いとてもひねくれつつも師弟愛が見て取れる、王子とお師匠様の関係がよかったです。 そして、キャラの魅力を引き出しているのがテンポいい文章、コメディ書かせたら橘香さんはほんと上手いと思います。最近見なくなったフォントいじりを使ってたりするんですが、過剰ではないし、アドリエンヌの性格と合っているのでプラスに作用して楽しく読めました。 3巻では父親が登場してくるんでしょうか。過去の父親見るに素直に手を引くようないい人間には思えないですが、この2人なら大丈夫でしょう。 評価 ☆☆☆★(7) |
12月21日(月) |
>先月しゃっぷるが出たと思うんですが読んでないんでしょうか? 大絶賛積み中です……。更新が途絶えてたせいで、先月今月刊の積み本が貯まって貯まって。目に入った評判を見るに、読むと「続きまだー?」になりそうなので、次巻発売までは優先度低めで。 【今日読んだ本】 ◆ 少年魔法人形 キスからはじまる契約魔法 (渡瀬 桂子/一迅社文庫アイリス) 【amazon】 《あらすじ》 素直になれないせいで友達ができない優等生エミリアは、ある日突然、ラスと名乗る最強の魔法人形のマスターにされてしまう。綺麗な顔をして強引&毒舌なラスとともに、普通科から魔法科に転入したエミリア。そんな彼女に優しくしてくれる異国の王子様シヴァに、ラスはなぜか敵対心むき出しで…? ツンデレ少女vsツンデレ少年人形。魔法学園を舞台にしたマジック★ファンタジー開幕! 先月のアイリスの新刊、コバルトで書いていた渡瀬さんの学園ツンデレファンタジー。 きゅんきゅんで転がれる、破壊力抜群のファンタジーでした! 素直になれなくて友達ができないツンデレな女の子が、ツンデレな魔法人形の男の子に出会うお話。自分の場合、ツンデレ男の子が出てくると大体そっちに目がいくんですが、この話に限っては女の子のエミリアにやられました。 人形の前で必死に友達を作る練習をして、でも現実には自爆してしまって全然うまくいかなくて落ち込んで。そんな動作や心の動き一つ一つがかわいくて仕方なかったです。男の子のラスが登場したあたりの段階で、電車の中で読むのをギブアップしたほど。恋愛方面での、動揺しつつ素直になれない按配も好みでした。 そして、ツンデレ男子好きとして、もちろんラスも気に入りました。普段は冷ための態度をとっていても、エミリアを狙っている男に対しては反発心出しまくるのにとてもニヤニヤ。彼が素直さを見せてエミリアが照れる告白シーンは、床ローリングを我慢できませんでした、ごちそうさまでした。 かませ犬役のシヴァも、ヒーローはってもおかしくないくらいかっこいい王子様でしたし、全体的にキャラが素晴らしかったです。綺麗に1冊でまとまっていますが、是非続きが出ますように。 評価 ☆☆☆☆(8) |
12月20日(日) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
いつものその2、ライトノベル作品別サークル数変動チェック。レールガンは禁書目録としてカウントしてます。
太字は注目箇所です。FC(小説)、男性向を個別にまとめたのはこちら。 禁書目録、化物語とアニメ化作品が分かりやすく伸びてます。新作が発表された十二国記も再上昇。一方で落ちるところはガツンと落ちてます、ゼロの落ち方が半端ない。十二国以外の少女系も低調です、まるマ、彩雲国あたりは長寿過ぎってことでしょうか。 新興の2作品は、男性向一辺倒の生徒会、バランスよいバカテス、と作品傾向を表してるのかなという印象。あと、俺妹がアニメ化作品並の伸び方しているのが目立ちます。アニメ化なしでここまで多いのは、過去には戯言シリーズくらいでしょうか。次回どうなるか楽しみ。 【今日読んだ本】 ◆ シアター! (有川 浩/メディアワークス文庫) 【amazon】 《あらすじ》 とある小劇団「シアターフラッグ」――ファンも多い劇団だが、現在は解散の危機が迫っていた……お金がないのだ!! その負債額300万円! 劇団員も減り解散の危機に悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。兄に借金をして劇団は助かったが、司は巧たちに「二年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」という「シアターフラッグ」には厳しい条件を出す。新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員が10名に。そこへ鉄血宰相・春川司を迎え入れ、巧は新たな「シアターフラッグ」を旗揚げるが……。果たして彼らの未来は――!? 今日もメディアワークス文庫、有川さんの書き下ろし新作。 タイトルの「!」通りの勢いのよさが気持ちよくて面白かったです。経営難の劇団が、敏腕な制作(主宰の兄)を迎えて建てなおっていくお話。問題は色々と抱えていて、人間関係も複雑なところもあって、でも最後にはうまくいくだろう、というバランス加減がとてもよかったです。目標も分かりやすいし、キャラもみんなたっているので、読みやすくて一気に読んでしまいました。劇団員とその外の超えられない壁など、所々で苦さがほんのり混じっているのもいい味出してます。 恋愛要素も少しはありますが、有川さん的には今のところ物足りず。意図して抑えてあるように見えたので、是非とも続きを出してフルストットルだだ甘を期待したいところです。ちなみに自分は断然司派、要所要所で甘いのが素敵。脇カップルも色々と匂わせてあるので、そちらにも合わせて期待、牧子さんどうなるんだろう。 評価 ☆☆☆☆(8) |
12月19日(土) |
いつものライトノベル作家サークルC77版です。今回は新興レーベルの作家さんで初顔な方がちらほらといて、新鮮なラインナップになりました。 【今日読んだ本】 ◆ カスタム・チャイルド ―罪と罰― (壁井 ユカコ/メディアワークス文庫) 【amazon】 《あらすじ》 金髪碧眼の至高の美少年ながら母に遺棄された過去を持ち、“犯罪者の遺伝子”に傾倒する春野。父が愛好するアニメキャラクターの実体化として作られた少女レイ。遺伝子操作を拒絶するカルト狂信者の両親を持つ“遺伝子貧乏”清田──16歳の夏、予備校の夏期講習で出会った3人は、反発しあい傷つけあいながらもかけがいのない友情を築いていく。遺伝子工学分野のみが極端に発展し、子どもの容姿の“デザイン”が可能になった仮想現代を舞台に、社会によって歪められた少年少女の屈折や友情を描く、著者渾身の長編青春小説。 メディアワークス文庫の創刊ラインナップの1冊、まさかのカスタム・チャイルドの続編。 好みではないけども先が気になるお話でした。生まれてくる子供の遺伝子をいじくれるようになった日本が舞台の物語。舞台は無印と同じですが、登場人物がアウトローではなく一般社会の人たちになったためにダークさが増していて、親のせいで心が歪んでしまった子供がメインキャラに複数います。こういう歪んだ家庭に歪んだ子供が出てくるお話はとても苦手(マイナークラブハウスあたりと自分の中では同じ分類)。清田の暑苦しい真っ直ぐさがなかったら投げてたかもしれません。 でも、それでも続きは絶対出てほしいし、出たら絶対読みます。というのも、スーパー年の差三角関係がとてもツボだったのです。引き取って育てた子供が大きくなって、手握られてちょっと動揺するとか素晴らしくないですか? 育てた後でも男前で若々しいので、年の差あっても違和感ないのがいいです、「5パー」発言にときめきました。ライバルも強力だし、この三角関係の行方が見たいです。 ただ、続き出たとしても、三角関係放置でよりダークな方向に行きそうなんですよね……。どうか三角関係描いてくれますように。 評価 ☆☆☆★(7) |
12月18日(金) |
PCがお亡くなりになったりしたせいでようやく復帰。今日から通常更新再開です。でも感想溜まりすぎたので、今日の分の感想は短め。 で、PCが使えなかったこともあって、「27時09分の地図」さんの作品に手をつけました。まずはshe&seaを30話ちょっとまで。女子力が欠けてる笹良の言動に慣れるまでに時間かかりましたが、慣れてからはとても楽しんでます。奴隷編がいつはじまるのかドキドキ(この展開で奴隷編がないわけないって信じてます)。 【最近読んだ本】 ◆ ソードアート・オンライン3 フェアリィ・ダンス (川原 礫/電撃文庫) 【amazon】 《あらすじ》 禁断のデスバトルMMO『ソードアート・オンライン』から現実世界に戻ってきたキリト。彼は攻略パートナーであり、想い人でもあるアスナのもとに向かう。しかし、結城明日奈は、あの悪夢のゲームからまだ帰還していなかった。困惑と絶望に包まれるキリト。唯一の手がかりは、鳥籠の中に佇む≪妖精姿≫のアスナという謎の画像データのみ。どうやら彼女は、高スペックVRMMO≪アルヴヘイム・オンライン≫に囚われているらしい。キリトはアスナを救うため、飛翔する妖精プレイヤーたちが交錯する≪ALO≫に飛び込んでいく……!! WEB上でも屈指の人気を誇った『フェアリィ・ダンス』編、スタート!! 大人気オンライン小説「SAO」の第3巻。「現実で兄を好きになりかけている妹が、オンラインでも……」というかなり好みな設定なのに、そこまでときめけませんでした。何が悪いって、キリトに本命がいるのが悪い。2重に好きにさせといて勝ち目が全くないなんてあまりにもひどい。アスナから心変わりはありえないでしょうし。不憫確定な女の子を見ているのは辛いです、頑張れリーファ。 ストーリーはまだ前半ですが、このままだと1巻より盛りあがらなそうだなあという印象。裏切ってくれますように。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ 魔王さんちの勇者さま2 (はむばね/徳間デュアル文庫) 【amazon】 《あらすじ》 8年ぶりにサフラに世話役に復帰した澄人。しかし、澄人の後継として既にルビィがサフラの世話役についていた。8年ですっかり新密度を増しているサフラとルビィ。また、サフラが成長したことにより澄人にできる仕事も減っている(着替え等)。自分が世話役をする必要性を感じなくなった澄人は、デルファイに世話役を解任してもらいに行くと、玉座に澄人が現れた時と同じような光が。光の中から現れたのは、澄人の幼馴染、閑環撫子だった。翌日、撫子に城の中を案内がてら8年ぶりになる人たちとの顔合わせ。また、澄人の辞任の意思を聞いたサフラが殴りこんで(?)きたりで、ちょっと一騒動もあったり・・・? 勇者と魔王の姫様が展開する王道ファンタジーの続編。すぐに姫様とくっつくものと思っていたので、ここで幼馴染キャラ投入はびっくりでした。でも、嫉妬してモヤモヤする姫様はかわいかったので、これはこれであり。前半の、帰ってきた澄人を歓迎する暖かな雰囲気にほのぼのしました。 ただ、ブイヴィみたいな問答無用に色々ぶち壊すキャラは、この世界観には似合わないので出してほしくなかったです。フォートランみたいに信念を感じられればよかったんですが。とはいえ、次巻で姫様がどういう反応を示すかはとても気になりますし、続きも楽しみ。 評価 ☆☆☆★(7) ◆ グラスハート5 いくつかの太陽 (若木 未生/コバルト文庫) 【amazon】 《あらすじ》 直季が作った曲と、ライバルバンドの桐哉たちの新曲がほぼ同じ!? 衝撃を受ける朱音だが、これをきっかけに直季がある企画を提案して、事態は急展開していくことに。驚きのクライマックス! グラスハート第1部完結編。西条がよく分からなくなりました。藤谷さんへの想い、これはよく分かる。桐哉とのやりとり、これも分かります。坂本への気持ち、これが分からない。ビリっときた感覚も、西条が今坂本をどう思っているのかも理解できなかったです。2巻でアホな読み違えをした前科があるので自分が信用できません、とりあえず続き待ち。 その他では、前巻で引っ張っといて普通に犯人甲斐さんで出てこなくなっちゃうのは腑に落ちませんでした。何か裏があるのかな? 桐哉と藤谷さんの兄弟な会話はよかったです、というかお兄ちゃんを好きそうな桐哉がいいです。西条は桐哉といつかくっついてほしいな。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 円環のパラダイム (瀬尾 つかさ/一迅社文庫) 【amazon】 《あらすじ》 無数の破片(ゾーン)にひきちぎられ、異星の生命たちに襲われるようになった地球。 そんな過酷な世界の中で、赤羽玖朗と阿佐悠花が過ごす"学校"はわずかばかりの平穏の中にあった。しかしそんな"学校"を狙う「敵」が現れたことから、自分たちの居場所を守るための、玖朗たちの壮絶な戦いが始まる―― 瀬尾つかさがおくる、近未来学園アクション! 「琥珀の心臓」「クジラノソラ」の瀬尾さんがおくる学園異能。ちょっとキャラ造形が売れ線を狙いすぎてて既刊に比べるとあまり好きになれなかったんですが、青臭いSFなところが変わってないのはいいですね。普段は恋愛脳な自分ですが、この作品に限っては恋愛方面よりも、世界と戦う少年少女を見ている方が楽しめました。 気に入ったキャラはエリス。メインストリームの裏で戦っているのに、腹黒さだけじゃなくて青臭さもあるのがいいです、こういう子の戦いは応援したい。なので続きも読むかもです。 評価 ☆☆☆(6) ◆ 純愛を探せ! (速水 秋水/GA文庫) 【amazon】 《あらすじ》 虚言と姦淫を司り、大天使をも倒す力を有す魔神・カルマ。無敵の彼に最大のピンチが訪れていた。それは魔王陛下の愛娘レイナ王女からの求愛である。誰もが恋い焦がれる魔界きっての美貌の持ち主だが、その性格には少々……いや、大きな難があった。カルマの誕生日にペットの「触手生物」を送って来るくらいに……。己の貞操に危機を感じたカルマは、かねてからの思惑もあり魔界を家出した。そう、そんな心配の要らない、真実の愛を探すために! そうして赴いた人間界で一人の少女と出会えたのだが、彼女と愛を育むには様々な障害が待ち受けていた。カルマの純愛は成就するのか!? 変わった設定が目をひいて発売当時から気になっていた、今年のGA新人さん作品。すでに主人公は心を入れ替え終わってるのもあって案外普通な話でしたが、奥手な魔神の初々しいラブコメとして楽しく読めました。カルマとリビエラのずれた主従関係が結構好き。 カルマの「姦淫をつかさどる」設定が恋愛に絡んでこなかったのは残念、シリーズ化されてることを考えると続きで活きてくるのかな? カナデがちょっと出来すぎな子に思えたので、嫉妬したり嫌がったりする場面があるといいです。 評価 ☆☆☆(6) |