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このラノ2027の投票記録

2026年10月25日(日)

投票してから一ヶ月も空いてしまいましたが、今年もサイトの生存報告も兼ねて、このライトノベルがすごい!の投票記録をこちらに。

一番推したい女王の化粧師は、文集文庫だしカテエラと判断して投票を控えました。一般文芸だろうとライトノベルと判断すれば投票しているんですが、女王はビーズログ文庫で出てたとはいえ、一般でもおかしくない物語なので。

リライト・ライト・ラスト・トライ1(雨咲はな/ヒーロー文庫)

この1年の個人的目玉はリライト・ライト・ライト・トライの書籍化でした!
現代日本から異世界転移をした少女が、毎回死んでしまう護衛の青年を救うためにやり直しを続けた、そのループの最後の1回を描く物語。
まず、主人公だけがループの記憶をもっていることで想いに大きな偏りがあるという状況がとても切ない。今回が最後のループであり、周りには何も告げずに絶対に救うという覚悟も相まって、非常に魅力的な設定に仕上がっています。
それでいてシリアス一辺倒ではないのがこの物語の特徴。ハードモードな異世界転移を何十回もループすることで主人公がたくましくなっていて、時には拗ねてヒーローを振り回したりといったコミカルなシーンも結構あります。異世界転移は重くなりすぎることもありますが、この物語はハードさを感じつつも楽しく読めて、良いとこどりをしています。
ヒーローの格好良さも外せないポイント。ループの記憶はなくとも、朴訥さや融通の利かなさ、そして主人公を守る強い意思を見せる姿に、過去周回と変わらないことを感じさせられてグッときます。また、ヒーロー視点から見ると主人公が変てこな行動をとっているように見えるのも面白い。ループしているがゆえに主人公の内面と行動のギャップが大きい分、主人公とヒーローの2視点進行が良い味出してるんです。
ファンタジーな少女小説好きな方にはもちろん、特に行動的な主人公やループ物が好きな人には全力でお勧めです。2巻も今月発売!

最強以外ありえない1(てんぞー/HJノベルス)

ハーメルン書籍化からチョイスその1。
現代が舞台のモンスター育成ゲームの世界へと転生した主人公の物語。シンプルに現代でのモンスターバトルの仕組みや描写が面白いというのがまずあって、それに加えて転生知識を活かして初期からLv100クラスのインフレを目指す様子や、インフレしてもどうにもならなそうな世界のヤバさなども描かれ、先の展開にワクワクさせられます。
そして個人的にはそれ以上に、人間として壊れ気味の主人公をヒロインが更生させていく物語として気に入っています。視点が変われば乙女ゲーになれるポテンシャルがある。Web版からの加筆で、久遠の格好良さがマシマシになっていたのが良きでした。

転生爺のいんちき帝王学 日の目を見ずに生きてきた最強爺、隠居間際で弱小王女に拾われる(嶋野夕陽/Kラノベブックス)

ハーメルン書籍化からチョイスその2。これは主人公のグレイのキャラ造形が素晴らしいんです! 一言で表すなら、憎めないクソ爺。長い隠遁生活の中で捻くれきっていて、飄々とした態度で意地悪なことを言うのは日常で、何かあればすぐ暴力も辞さない態度を見せたりもして、少なくない登場人物からクソ爺認定を受けているくらい。でも、根っこの部分にはちゃんと善性があって、見ていて嫌な気持ちにはならない。このバランスが絶妙です。
そして、もう1人の主人公である王女クルムが、勝気でまっすぐでとても好感が持てる子で、意地悪な爺様と反骨心あふれる王女との打てば響く会話が楽しく、少しずつ師弟らしくなっていく様子ににんまりします。他では見ないタイプの大好きなコンビ。Web版はちょうど大詰めなので、読み始めるなら今!

Unnamed Memory Extra 奇跡のような嘘をあなたと (古宮九時/電撃の新文芸)

アンメモもとうとう完結間近。長いお祭りの終わりみたいな心境で寂しいです。

今回の期間は無印とateの短編集だったので、迷って無印の方をチョイス。この物語ならではの消滅史の、喜怒哀楽の色んな気持ちを胸に残してくれるのが好きなんですよね。収録作だと特に「虚ろ月」「零れた灰を嘆くとも」あたりが刺さりました。ラザルずっと好きなんです……。

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと (依空まつり/カドカワBOOKS)

外伝が順調に刊行されていて何よりのサイレント・ウィッチ。相変わらず加筆や追加エピソードもたっぷりで嬉しいです。加筆分だとルイスVSアドルフの知恵比べ的なバトルが面白かったですね。モニカがより師匠らしく振る舞おうとしているのにはほっこりしましたし、アイクの頑張りが見れたのも良かった。そして12巻のラストのイラストの表情が……。こういうとき、書籍化によるイラストの力を感じます。
しかし、書き下ろしを出しつつ、ハイペースで2作連載して、さらにカースナイトの書籍化もあってと、依空さんの仕事量おかしくないですか? アニメ2期まだー?と言いたいんですけど、この仕事量だとしばらく無理? あと関連作の白翼のハルピュイアが素晴らしい完結を迎えそうなので、こちらも書籍化をいつか……。

かくして少年は迷宮を駆ける (あかのまに/MFブックス)

ここ何年か毎年投票しているファンタジー、巻を経るごとにインフレしていく絶望と主人公の覚悟が素晴らしいんです。こういう理不尽や絶望に抗う主人公、好きなんですよね。今回の投票ラインナップや、最近のダークファンタジーについての論争を見ていて、改めて思いました。

ここからもどんどん面白くなるので、刊行される限りは投票しつづけるかなと思います。ちょうど数日前に発売された5巻は全部書き下ろしらしいので期待。

隣人がVTuberです VTuber黎明期に死に戻ったリーマン、大手事務所を作る(関係ないよ/電撃の新文芸)

ハーメルン書籍化からチョイスその3、概ねサブタイトル通りのお話で、事務所を立ち上げて成功させていくVTuber小説。これはシンプルにお仕事+VTuber物としてお気に入り。箱を一から作って大きくしていくステップがディテールしっかりしていて面白かったです。知識無双もありますが、一部の要素を除けば将来の人気ライバーの囲い込みくらいですし、気にせず楽しく読めました。

本編とは関係ないですが、あとがきで2018年頃のVTuberへの想いが物語の原動力であることを語っていました。別の大好きなVTuber小説でも同じことが述べられていて、そこまで言わせる当時の空気に全く触れてこなかったのを少し悔しく思いました。

稼ぎの少ないオカルト事務所所長、VTuberになる (酉柄レイム/オーバーラップノベルス)

去年も投票したVTuber小説、続いてくれて良かった。先月発売の3巻も読みましたが、やっぱり主役のニコの明るさといじられキャラっぷりが見ていてとても楽しい。特に、たっぷりの書き下ろしパートでの邪神のいじりが邪悪で、ニコを光らせてました。どのIFも良かったですけど、やっぱり月宮さんのエピソードが好き。

TS衛生兵さんの戦場日記(まさきたま/KADOKAWA)

スローライフでもおかしくないタイトルに反して、絶望に足を突っ込んだ戦争が描かれる物語。Web版からずっと楽しんでますが、味方と敵が入り乱れるこの辺りからしんどさも面白さも一段増したなあと、6巻7巻と読んでいて思いました。特にアルガリア砦での戦力差100倍の絶望を前にしての、トウリの葛藤や戦争の描写は圧巻。Web既読だし電車内で読んでいたのにもかかわらず、感情が揺れて大変でした、とりわけヴェルディさんの慟哭が……。

書籍版独自要素の未来描写も、情報も大分揃ったはずなのに全貌がまだ見えてこず、どう着地するんでしょう。

アルマーク(やまだのぼる/MFブックス)

大好きな武術大会編が刊行されたこちらを最後に。アルマークにはクラスや学校全体での全員それぞれにスポットがあたる群像的な魅力があって、その良さが最初にはっきり描かれたのが武術大会なので、電子限定にはなりましたが読めてよかったです。展開知っているのに、モーゲンにまた泣かされました。

電子限定で順調に続いていて、このまま魔術祭編も読みたいですね、ロズフィリアとルクスが見たい。