青薔薇伯爵と男装の執事 番外篇 ~完璧な大団円、しかしてその後の百花繚乱は~ / 和泉統子

2017年8月1日(火)

青薔薇伯爵と男装の執事 番外篇~完璧な大団円、しかしてその後の百花繚乱は~ (ウィングス・ノヴェル)青薔薇伯爵と男装の執事 番外篇 ~完璧な大団円、しかしてその後の百花繚乱は~
和泉統子
ウィングス・ノヴェル
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幸せな後日談でした、読めてよかった!

口が悪い伯爵様と、善良を地で行く執事(男装)が主役の、主従ラブファンタジーの番外編。本編は本当に素晴らしい大団円を見せてくれまして、大好きなシリーズです(→当時の感想)。本誌に掲載された番外編も楽しんで読んで、これで終わりだろうなあと思っていたら、まさかの番外編発売。勝手に諦めちゃいけないですね。

本の構成は、本誌掲載分が2話と書き下ろし1話。前半の本誌掲載分は、アッシュと使用人の面々がお互い大好きなのにホッコリします。アッシュがこんなに口が悪くても、ひねくれた優しさが伝わっているのが素敵。一話目の最後の台詞も、二話目の終わり際の「来てくれ」と言えない不器用さも好きです。まあ、何割かはアンのおかげなんでしょうね。アンは凄い。使用人個々の話の中では、ベンの過去にかなり驚かされました、本編では全く察することができず。ベンにとって家族だったであろう暮らし、容易に想像できて胸がじんわり。

後半の書き下ろしは、ここまでキャラクター全員幸せにしてくれるなんて! と叫びたくなるくらいのてんこ盛り。そして全員に触れたくなります。プリムローズ夫妻は、息子と一緒で素直じゃないですけど、ようやく心が通じ合うのを見てニンマリ。アッシュが良い後押しで、アンが凄い(2度目)。オリーブ達は本編でほぼ落ち着いたかと思ったら素直じゃなさすぎてハラハラしました、イラスト見てホッと一息。

グラヴィス女王がね、また良かったんですよ。波乱万丈な登場人物達の中でも相当辛い道を歩んできていて、そんな彼女が胸を張れる人生だったと誇る姿を見れて嬉しかったし、そんな彼女はロザリンドがいうとおりにとても美しかったです。今回のメイン2人以外では一番好き。その後のロザリンドには驚かされましたけどね、女傑の行動力を思い知らされましたね。リアノンは、リアノン視点でのアッシュのずるさに笑いました。ナッシュ、いい男ですよねえ。

で、メインのアンとアッシュです、素晴らしかったです。アンが涙して怒るくらいのアッシュの優しさ、そのことに涙できるアンの優しさ、どちらも尊くて、怒る手前からの一連のシーンが大好き。口癖を封印したアッシュの丁寧で優しい言葉にじんわり。最後の11年後のシーン、結局アンもアッシュもたまに口癖出るのは変わってないし、お互いのこと好きすぎるのも変わってないし、幸せそうで読者としても幸せ。

最後のSS、アッシュ視点で改めて読んでもアンが格好よすぎてもう。アッシュにとってはこんなのプロポーズですよね。回りくどい自覚、さすがにあったんだなあ……。あと無事入手できた特典SSについても少しだけ。アッシュの宿命の重たさと、アンの存在の大きさを実感。アンは凄いですね(3回目)。

 

本当、1巻読んだときにはここまで好きになるとは思っていなかったです。良いシリーズでした。

おこぼれ姫と円卓の騎士 新王の婚姻 / 石田リンネ

2017年7月22日(土)

おこぼれ姫と円卓の騎士 新王の婚姻 (ビーズログ文庫)おこぼれ姫と円卓の騎士 新王の婚姻
石田リンネ
ビーズログ文庫
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完結おつかれさまでした、素敵なシリーズでした!

終わっちゃったんだなあ……というのが読み終わって最初に浮かんだ気持ち。いつの間にか、少女小説で読んでいる唯一の長期シリーズになってしまっていたので、余計に寂しくなりました。最初から最後まで、レティが格好良くて素敵な物語だったと思います。感想は折りたたみで。

(さらに…)

2017年上半期つれづれ

2017年7月14日(金)

前回の更新:謹賀新年

これはひどい。お久しぶりです。
Twitterの方では普通に生息してましたが、お仕事やら諸々要因やらで読書量が落ちた結果、更新リズムがぶっ壊れました……。
でも、今週にはおこぼれ姫最終巻が出るのにこのままではいかん、と浮上。ついでに上半期を軽く振り返っておきます。謹賀新年の次が振り返りって!

1.  ソシャゲは悪い文明(訳:FGOはじめました)

はい、更新停止の半分くらいはこいつが原因です。ソシャゲが時間泥棒なのは承知していたので極力手を出さない主義だったのですが、お正月に皆が楽しそうなのを見て、うっかり手を出してしまったのが運のつきでした。最近はType-Moon作品ご無沙汰でしたが、月姫やFateあたりは通ってるので、転ぶ下地は十分に整っていたのです……。

ストーリーが面白くて、ストーリーに出てきたサーヴァントが欲しくなるのが大変ずるい作り。今のところは実質無課金(福袋のみ課金)で来てますが、十二分に楽しませてもらっているので、そろそろ課金しそうです。イベントを全部頑張るのはそろそろ諦めたので、下半期はもう少し余裕できる、といいな。

 

2. 京都寺町三条のホームズシリーズと京都旅行

京都寺町三条のホームズ (双葉文庫)

個別エントリにしそこねたのでここで。去年後半あたりからTwitterでよく名前を見かけ、「これ好みだと思いますよー」とお勧めいただいていたシリーズ。読んだところ、見事にバッチリ好みでした!

最初の頃は、イケメン、頭脳明晰、スマートと格好良すぎる青年なホームズさんが、京都弁で素を見せる姿にときめき、葵ちゃんの可愛らしさにほのぼのとして。それが巻が進むにつれて、ホームズさんが葵ちゃんにベタベタに惚れていくのにニヤニヤし、葵ちゃんが目覚ましく成長を遂げていく様子に驚かされ。
といった感じで、変わっていく関係性を楽しめました、恋や経験が人を変えていくんだなあというのがよく分かる物語でした。6.5巻のお花畑状態なホームズさんはなかなかインパクトありました。

また、溢れんばかりの京都プッシュもこのシリーズの特色で、スポットや食べ物1つ1つの描写が本当に丁寧。京都に行きたいなと思わされます。元々、気に入った作品の舞台を訪れるのは好きなので(これまでの例:金星特急→アルハンブラ宮殿、NGライフ→ポンペイ)、善は急げと先月に京都行ってきました。

京都訪問は大体3年ぶりくらいでしたが、訪問する度に新たな発見がありますね。久々の清水寺やはじめての南禅寺などあちこち観光したり、生まれて初めてゲストハウスに泊まったり、と色々ありましたが、今回の一番の収穫は植物園。広大な敷地に美しい花、珍しい花々などがたくさん。植物詳しくないですが、綺麗な花々をボーっと見て回るのは好きなんです。これが200円で楽しめるなんて、そりゃホームズさんが勧めるのも納得。ちなみに地味に印象に残ったのが、温室内でのサトイモ科の花々の怪しさ。この花気持ち悪さあるなーと思ってから名前見ると、半分くらいサトイモ科でした。サトイモに何があるのか。

旅行の写真もまとめようと思ってたんですが力尽きました……。写真ツイートだけまとめたのでリンク貼っときます。なお、食べ物ばかりに見えますが、今回の旅はホームズさんを真似て観光したりカフェ巡りをしたりが目的だったので、何もおかしくはないのです。Angel Libraryは素敵空間でしたし、パティスリーエスさんのケーキ大好き。秋くらいにまたケーキやパフェや和菓子食べに紅葉を見に訪れたいです。

 

3. ファタモルガーナの館はやっぱり傑作

ファタモルガーナの館 -COLLECTED EDITION- - PS Vita

これも個別エントリにしそこねたのでここで。

ファタモルガーナの館という傑作があります。去年プレイして、昨年のマイベスト認定するくらいに好きな物語なんですが(→当時の感想)、今年出たVita版で過去編と現代編をプレイしてまたボロボロと泣かされました。

本編はかなり心が抉られる展開が多くて、過去編と現代編もその傾向はあるのですが、過去編からは切なさが増量されていて、ロマンチックで苦しくて泣かされます。特にとある青年と少女の関係が大変に良いのです。青年の方の不器用さが!!! ときめく!!!!

ネタバレ回避のために説明しづらいのですが、鬱も大丈夫だよドンとこい、という少女小説読みや乙女ゲーマーな方には是非ともプレイしてほしいと思う物語です。上で挙げた青年と少女をはじめ、ハマるポイント多いと思うのです。春先に開催されたファタモルライブでも、男女比率が3:7か2:8くらいでしたし。

お勧めポイントを改めてザックリ書いておきます。

  • 謎が謎を呼ぶ読み応えある物語。何度も突き落とされたり驚かされたりします。
  • 登場人物たちのリアルな心理描写。特に負の気持ちが身近で重い。
  • ロマンチックな側面もあります。重いだけじゃありません、素晴らしいときめきも!
  • 物語にマッチしていてハイクオリティの音楽。聞くだけで場面が思い浮かぶ音楽が何曲も。歌つきもたくさんあって、本編1000円そこそこで買えるゲームとは思えません。

また、これから遊ぶ場合は、

  • まず手をつけてみたい場合 → PC版か3DS版が安くてお勧め(体験版もあり)
  • 最初からどっぷり遊ぶ気な場合 → 全部同梱のVita版(現代編はVita版のみ収録)

もっとファタモルが広まりますように!

 

4. QUARTET NIGHTのライブに行きました

これまた個別エントリにしそこねたもの。

うたプリ、なんだかんだで長年ライトなファンを続けています。あまりサイトで言及したことはないですけど、数年前からライブ大体行ってますし、曲も買ってますし、恋戦記の次くらいにはお金使ってますし。メンバーたちが段々と変わっていく様子や、彼らがファンと一体になって作り上げている空気を眺めるのが好きでして。ツイッターが稼働しているときなど、反応はしてないですがとても楽しんでます。

で、うたプリの中でも好きなグループがカルナイ。最初は藍ちゃんだけでしたけど、4人がどんどんグループらしくなっていくにつれて、どんどん好きになっていった。そして初の単独ライブ、とりあえず申し込んでみたら、10倍はありそうな抽選をくぐり抜けて当たりました。今年の運はやっぱりここで使い果たしたのだと思います。個別曲の感想もメモは残ってますが、いまさら書いてもあれなので一言だけ。見に行けて幸せでした。

 

5. 天冥の標、再開しました

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
何年か前からの課題図書だった天冥をようやく読み進めてます。現在7巻まで読了してますが、さすが小川さん! という展開。最初から全10巻構想だっただけあってスケールが凄い! 絶望をつきつけてくる展開も凄い! 6巻は本当にしんどかった。7巻読んで一旦休憩中ですが、そろそろ8巻に進みます。