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夏空のモノローグ 科学部大感謝祭

2017年8月24日(木)

夏空のモノローグという名作があります。繰り返す1日の中での賑やかな日々と切ない物語がとても心に残っていて、今でも夏が来るたびに思い出すゲーム。発売して7年経っていて、決して爆発的ヒットをしたわけでもないのに、毎年何らかの動きがあって、製作者とファンの両方に愛されているのを感じられるのが素敵。

今年もスマホ版が出たり、新作ノベライズが出たり。そして、発売7年目にして単独イベントですよ! 凄い! これは行くしかない、と参加してきました。そして最高のイベントだったので、簡単なレポというか感想を。

 

まずは開始前。階段をあがるとフラワースタンド。先日参加した夏空コンサートでの企画からは、ツリー型のスタンドが贈られていました、綺麗!

2017夏空イベント_フラワースタンド

そして入場したら、以下のツイートにあるようなセットを見て、「目の前に科学部がある!」とテンションアップ。宇宙服まで再現! しかも左側には大きなツリー。ワクワクです。

 

愉快なアナウンス、いつ見ても気持ちいいオープニングムービーを経て、最初はトークコーナー。ここでは、昼夜両方参加者の多さにびっくり。半分以上はいました、みんな夏空への愛が深い。でもそれだけの価値あるイベントだったと思います。あと、阿部さんの挨拶の「日替わり定食が日替わらない」に噴きました、そこ持ってくるんですか!

続いては朗読劇。上のセットで行われる朗読、そのまんま科学部です! 部長が無茶言っていじられたり 高橋さんもいじられキャラ?な分、部長 会場の1人1人が科学部員という設定も嬉しかったなあ。好きだったシーンは、いつも通り先輩への愛を語るカガハルに対しての、篠原くんのツッコミ。「先輩かわいそう」を繰り返すテンポと間が最高でした。

 

お次はバラエティコーナー。高橋さんと水口さんが司会で、他のメンバーが科学の問題にフリップで答えていく形式でしたが、皆の高橋さんいじりがひどかった。回答にならぶ「しんやさん」の文字に爆笑。キャラクターではなくても、科学部のワイワイガヤガヤ賑やかな光景がありました。笑いすぎてお腹痛かったです。

印象に残っているのは、回答のフリに応えて水の中からニュ~っと出てくる高橋さんと、作ったアイスで「アーン」をする代永さん。「アーン」ずるい。

 

朗読劇後半は、「ロケットに願いをのせて飛ばそう」という部長の発案で、各人が願いを1人1人朗読していく流れ。夏空の各キャラクターが、願いを語るんです。そんなの泣くに決まってるじゃないですか。一番明るいカガハルでさえ、科学部への愛を語る姿に胸暖かくさせられたんです。他のキャラ、もう駄目です。会場全体からすすり泣きが聞こえてきました。

浅浪兄弟、特に翔くんの達観してしまっているやるせなさと強さもかなりじわりときましたが、一番胸にきたのは篠原くん。「忘れたくないなんて、何十回も何百回も願ってきた!」と叫ぶ彼が、「それでも、今日この日だけは忘れたくない……!」と吐露する。その想いの深さが、声からひしひしと伝わってきて泣けました。代永さん自身も泣いてたかも。

最後の挨拶では、キャスト陣の夏空愛が伝わってきました。代永さんはオトパも出れなかったし、本当に嬉しかったんだろうなあ。7年経ってからの単独イベント開催は本当に奇跡だと思います。締めは皆で「明日はきっと」のかけ声に『良い日だから!』。最高のイベントでした。

これで終わりかと思いきや、終了後のアナウンスで、篠原くんの「カガハルは最高の友達だ」という不意打ちが! この2人大好きです!

 

終わり際、「一度できたから次も」みたいな話があって。さすがに7年経つし、ジョーさんのどこかで区切りをという発言もあるし、現実的には厳しそうな気もしますけれど、願えば叶うを実現してきたのが夏空。これからも応援していきます。

 

青薔薇伯爵と男装の執事 番外篇 ~完璧な大団円、しかしてその後の百花繚乱は~ / 和泉統子

2017年8月1日(火)

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幸せな後日談でした、読めてよかった!

口が悪い伯爵様と、善良を地で行く執事(男装)が主役の、主従ラブファンタジーの番外編。本編は本当に素晴らしい大団円を見せてくれまして、大好きなシリーズです(→当時の感想)。本誌に掲載された番外編も楽しんで読んで、これで終わりだろうなあと思っていたら、まさかの番外編発売。勝手に諦めちゃいけないですね。

本の構成は、本誌掲載分が2話と書き下ろし1話。前半の本誌掲載分は、アッシュと使用人の面々がお互い大好きなのにホッコリします。アッシュがこんなに口が悪くても、ひねくれた優しさが伝わっているのが素敵。一話目の最後の台詞も、二話目の終わり際の「来てくれ」と言えない不器用さも好きです。まあ、何割かはアンのおかげなんでしょうね。アンは凄い。使用人個々の話の中では、ベンの過去にかなり驚かされました、本編では全く察することができず。ベンにとって家族だったであろう暮らし、容易に想像できて胸がじんわり。

後半の書き下ろしは、ここまでキャラクター全員幸せにしてくれるなんて! と叫びたくなるくらいのてんこ盛り。そして全員に触れたくなります。プリムローズ夫妻は、息子と一緒で素直じゃないですけど、ようやく心が通じ合うのを見てニンマリ。アッシュが良い後押しで、アンが凄い(2度目)。オリーブ達は本編でほぼ落ち着いたかと思ったら素直じゃなさすぎてハラハラしました、イラスト見てホッと一息。

グラヴィス女王がね、また良かったんですよ。波乱万丈な登場人物達の中でも相当辛い道を歩んできていて、そんな彼女が胸を張れる人生だったと誇る姿を見れて嬉しかったし、そんな彼女はロザリンドがいうとおりにとても美しかったです。今回のメイン2人以外では一番好き。その後のロザリンドには驚かされましたけどね、女傑の行動力を思い知らされましたね。リアノンは、リアノン視点でのアッシュのずるさに笑いました。ナッシュ、いい男ですよねえ。

で、メインのアンとアッシュです、素晴らしかったです。アンが涙して怒るくらいのアッシュの優しさ、そのことに涙できるアンの優しさ、どちらも尊くて、怒る手前からの一連のシーンが大好き。口癖を封印したアッシュの丁寧で優しい言葉にじんわり。最後の11年後のシーン、結局アンもアッシュもたまに口癖出るのは変わってないし、お互いのこと好きすぎるのも変わってないし、幸せそうで読者としても幸せ。

最後のSS、アッシュ視点で改めて読んでもアンが格好よすぎてもう。アッシュにとってはこんなのプロポーズですよね。回りくどい自覚、さすがにあったんだなあ……。あと無事入手できた特典SSについても少しだけ。アッシュの宿命の重たさと、アンの存在の大きさを実感。アンは凄いですね(3回目)。

 

本当、1巻読んだときにはここまで好きになるとは思っていなかったです。良いシリーズでした。