(書籍感想)女王の化粧師4 / 千花鶏

2022年4月26日(火)


 女王の化粧師4
 千花鶏
 ビーズログ文庫
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祝、序幕完結!!! 4巻発売ありがとうございます!!!!!

Web版既読者の全員が発売を祈っただろう4巻が無事刊行されました。初読時に惚れ込んだ女王選のあのシーンやこのシーンを本で読むことができて感無量です。ビーズログ文庫の皆様もありがとうございます。ついでに過去のあれこれでの打ち切りでのモヤモヤも合わせて浄化されました。

そして、これで本からの読者が、マリアージュ様の演説や叫びたくなるあの場面を読めるんですよ!! 4巻を読んで女王の魅力の沼にダイブして終幕まで駆け抜けて周りにプッシュする読者が増えることを願っています。この物語にはそれだけのパワーがあると今も昔も信じています。

内容の感想にいきましょう。4巻までとWeb版序幕のネタバレを含みます。

まず冒頭からしんどいんですよね!! 女王選の日々がどれだけ輝かしいものだったかを分かっている読者ほど刺さる文で、まず叫びました。

本編は全面リライトでしたが、やっぱり3巻と同様にまずはマリアージュ様ですよ。あれだけ成長すれば行動も変わりますよね、ということで流れが同じなのに別物に。経験が違う、というのもあるんですけれど、それによるダイに対する信頼感も違うんですよね。序盤の化粧のシーンも柔らかいですし、平民街行きの過程もしっかり考えて説明して理解の下で進んでる。その変化に応じて、ダイもマリアージュ様のことを女王としてはっきり望むようになっていて、より一層主従らしくなっていたのが4巻のぶっ刺さりポイントでした。そこの化粧シーンもまた良かったんですよね、『主人に光を与える』という表現が綺麗で好き。

演説の流れも結構変わっていましたね、「あんたの化粧が〜」が手前にきたのはビックリしましたが、これもダイとの日々がより濃密になったからですね、優しい笑顔が尊い。序幕を初めて読んだときは、男装好き&敵同士になる恋愛物好きという嗜好なのもあって、ダイとヒースへの注目7割、ダイとマリアージュ様への注目3割、くらいで読んでいた気がするんですが、このニュー序幕から入った人は、5:5か、もしくはマリアージュ様重視になるのではないでしょうか。それくらい、「女王の化粧師」というタイトルによりぴったりな物語になっていたと思います。

ヒース周りはそこまで大きくは変わっていませんでしたが、変化なくてもぶっ刺さるに決まってるんですよ!! 雨の2人のシーンとかは2桁回数は読んでいると思うんですが、先を知る毎に刺さり具合が変わりますからね、しんどい。細かい伏線増加もプチ刺さりしましたね、マリアージュ様の相手役にならないヒースを見て、「そりゃそうだよね!!」と叫んだりしてました。これなら初読の人も最後まで読む前に察するんでしょうか。自分は気づかなかった……はず(さすがに記憶が朧げ)

あ、狸度合いは上がっていた気がしますね、「言えません」じゃないんですよ!! 女子会?でマリアージュ様にぼろくそに言われても仕方ないヒースですよこれは。でも貸しは大事だし、その後の甘いシーンも強化されていたので許さざるをえない。

そして何よりも、メイン3人全員の関係を象徴する「我が麗しの女王陛下」のシーン、相変わらず最高でした。「あんただけ」に込められた想いの重さ、わかたれた2人を対比する描き方。幕引きでもあり、プロローグでもあり、本当に美しい名場面。ここまで書籍化ありがとうと言いたいです。今回は麗しい挿絵も加わって、さらに魅力アップ。女王らしいマリアージュ様に目がいくのはもちろんですが、ヒースも顔が良くてにくたらしい。

メイン3人周辺以外では、この先に関わるような伏線の加筆も結構ありましたね。これで続きが刊行されても安心! 仮に終幕までいくとしたら何巻になるんだ問題はありますが、このパワーアップした主従が一幕以降どう立ち向かっていくのかを本で読みたいじゃないですか。この先もできる範囲で応援します。

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