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 12月31日(水)

本年もお世話になりました。今年は大分更新が不定期になってしまいました。
実は読書量自体はここ2年と変わらないのですが(180冊強)、シリーズ物のまとめ感想、読む時期の集中、感想書かない本の増加、などでペース落ちました。
来年もこんな感じで不定期な気もしますが、読書量落ちない限りは続けるつもりなので、よろしければ引き続きおつきあいくださいませ。

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続いて年末振り返り。今年は少年向けに久々に少し戻った年でした。エスケをはじめ、気になる作品に結構手を出しました。(この辺りは感想書いてないものも多い)。電子書籍でのセールでホイホイされたのが大きかったです。KindleとBookWalker罪深い。

そんなわけで例年のように、各ジャンルで面白かったものピックアップです。シリーズ開拓が多めの年でした。

2014年小説私的10選

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王女コクランと願いの悪魔 (入江 君人/富士見L文庫)

L文庫から突如現れた傑作。王女と悪魔の軽妙なやりとり、王女の強さと孤独、切なく苦しく美しい物語。少女小説読みとしての琴線に思いっきり触れてきました。迷いましたが今年のマイベスト小説で。
新潮nexよりL文庫に惹かれる作品が多いので、来年もL文庫応援します。

シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精王 (三川 みり/角川ビーンズ文庫)

完結を期に一気読みした本シリーズ、「なんで積んでたの!」と叫ぶ面白さでした。焦れ焦れドキドキの恋愛要素も良かったですけども、アンが職人として一歩ずつ成長していく様子や、職人たちの仕事に対する姿勢の格好良さなど、お仕事物としても強く印象に残る物語でした。

おこぼれ姫と円卓の騎士 恋にまつわる四行詩 (石田 リンネ/ビーズログ文庫)

今年も鉄板だった、というかむしろ進化したのでは? 本編最新巻とこの短編集で、そんな思いを抱きました。レティ以外のキャラも魅力的に書くのが上手くなったのか、話の運び方が上手くなったのか、両方ですかね。アイリーチェ格好良かった。本編のレティの恋の行方も楽しみです。

流血王の初恋 (宇津田 晴/ルルル文庫)

安心、安定の宇津田さん印の中で、久々にスマッシュヒットだった本作。政略結婚からの甘さ全開・楽しさ全開の展開にニヤニヤが止まりませんでした。変人な側近など物語を彩る脇役も完備、一冊完結の甘々ラブコメとして完璧でした。そろそろシリーズ物もまた読みたいですね。

精霊歌士と夢見る野菜 紅色の祝祭 (永瀬 さらさ/角川ビーンズ文庫)

なんで3巻で終わっちゃったのか、返す返す残念でならないシリーズ。頑張る女の子の真っ直ぐさ、鈍感少女と腹黒天才の恋愛、友達とのほのぼの、野菜育成という独特の世界設定、と良い要素が一杯詰まってて、この2巻とかほんと大好きなんですけど……。次回作に期待します。

エスケヱプ・スピヰド 七 (九岡 望/電撃文庫)

王道の1巻から綺麗に再スタートし、そこから寄り道なしに最後まで熱く駆け抜けた名作。熱量も伏線回収も半端無かったです。恋愛的にもおいしいシーンがあり、少女小説脳も満たされました。最終巻の九曜さんほんと破壊力ある。
お勧めされなかったら、おそらく完結後に手に取るくらいだったと思うので、お勧めに感謝です。

童話物語(下) 大きなお話の終わり (向山 貴彦/幻冬舎文庫)

こちらもお勧めいただいた作品。いじめられて人間不信な女の子が、旅を通して少しずつ優しさを知り、不器用ながら優しく、そしてたくましくなっていく様子が力強くてとても眩しかった。人の成長、人との繋がりをしみじみと感じさせてくれて、世界観も緻密に形作られていて、素敵なファンタジーでした。
こうした古きよき名作でまだ積んでるものもあるので、来年こそは手をつけたいです。

ウィザーズ・ブレイン VIII 落日の都 〈下〉 (三枝 零一/電撃文庫)

シリーズが佳境を迎え、一つの転換点を見せつけられた本シリーズ。彼ら彼女らは一体どこに向かうのか、ハッピーエンドは待っているのか。ラノベ読みはじめの頃からずっと付き合っている作品、来年も1冊は読めますように。

デルフィニア戦記 (茅田 砂胡/C★NOVELSファンタジア)

一気読み面白かったですね! 魅力的なキャラクター達と、様々な危機を乗り越えていく物語が、ぐいぐい引っ張ってくれました、さすが名作。シェラかわいいよシェラ。スカーレットウィザードは来年手を出す予定です。予定は未定です。

東京レイヴンズ9 to The DarkSky (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)

ほとんど感想書けてませんが最新刊まで読み終わりました。さすがあざのさんですね! 陰陽師苦手なためにあざのさん過去作に比べるとマイナス補正かかってるし、ヒーロー&ヒロインも過去作に比べるとそんな惹かれないんですが、それでも盛り上がるところの爆発力は凄いです。伏線回収や仲間集結の熱いことといったら! これから迎えるだろう2部の山場は何を見せてくれるのか楽しみ。


ここからは面白かった漫画とゲームのリストアップ。

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今年はじめて読んで「これ好きだなー!」となった漫画が、左の2冊。人の繋がりの暖かさや小さな勇気が素敵な「今日の恋のダイヤ」と、年の差の恋模様を地に足着けて描いた「マイ・フェア・ネイバー」。
「暁のヨナ」はアニメ化おめでとうございます! 毎週楽しんでます、ハクかっこいい。最新刊のハクが切なくて、3人の関係をここからどう描くのか気になります。
去年あげたシリーズ物は今年もどれも良かったんですが、1冊だけ挙げるなら「うそカノ」かな。特に3巻がかわいすぎておかしかった。
最後はゲームから一作、「図書室のネヴァジスタ」。女の子出てこないミステリ&サスペンス、という普段手を出さないジャンルながら、見事にはまりました。伏線の上手さと、悩み苦しむ子供たちの愛しさ。紹介のような感想はこちら。全ジャンル含めた今年のマイベストはこれです。


<最近読んだ本>

聖鐘の乙女 スイーツをめぐる冒険 (本宮 ことは/一迅社文庫アイリス)amazon
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ネイトさん甘かった!!!!

無事完結を迎えた「聖鐘の乙女」後日談は、トールディとマデリーンの結婚式編でした。アティーシャが2年経ってまだ結婚してないのはちょっと意外でしたが、ネイトさんの心中見て、そう踏みとどまる気持ちもあるよなあと納得。
でもネイトさんのデレ見てると「それ結婚してるようなもんだから!」と言いたくなりました。素直になったネイトさんがここまでアティーシャにメロメロ(死語)になるとは。直球で「かわいい」って、陰険眼鏡のネイトさんはどちらに消えたんですか? こっ恥ずかしくて電車内読みを諦めました。
2人については特に波乱もなく、甘々ごちそうさまでした。幸せになるのは間違いないので思う存分人生楽しんでください!

他のキャラクターも大体オールスター出演、マデリーンが本編での出番の割にはメイン張ってましたね。割と理不尽な目にあっていた気がしますが、結婚おめでとう! トールディへの溢れる愛が伝わってくる良い子でした。
学園同年代組だと、メルエルとの邂逅が楽しかったです。そりゃバレないわけがない。いい友達でしたねえ、正体バレて再会できてよかった。

舞台の先輩組は、リキシス先輩はサディ=アティーシャには気づかないんでしょうね。面影を感じて頭がグルグルして、でも手を出すという選択肢がないから苦しむ。あれ、これかなり酷いような……。いや、きっと全部知ってるクロセがサポートしてくれるはず。カルランはアティーシャが歌えば正体や色恋なんて何も気にしないでしょうきっと。
そしてサリアン様……癒やしが足りてない……誰か素敵なお嬢さんを! 名前が出てきた中だと、一応三の姫は候補でしょうか。ミニBOOKで補完されるといいです。

評価 ☆☆☆☆(8)



東京レイヴンズ12 Junction of STARs (あざの 耕平/富士見ファンタジア文庫)amazon
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何冊かすっ飛ばしてますが、レイヴンズ最新刊。散り散りになっていた仲間が集結する展開が熱かった! 前巻でそれぞれの戦いを描いていた分、集結の喜びもひとしお。冬児が駆けつけるタイミングが完全にヒーロー、強さも想像以上でかっこよかったですね。不穏なことになりかけてた鈴鹿も無事合流できてよかった。地味ポジションだった天馬も1部終わり以降見せ場たっぷり(特に11巻)だし、一人一人が活躍してチームとなっている空気がとても良いですね。

この巻で印象的だったのは春虎と大友先生。ドンピシャなタイミングで助けにきた先生に対して冷静に指摘する洞察力は、昔の春虎とかけ離れていて、春虎の変化を実感しました。しかし先生はショックだったろうなあ……。洞察のとおり、変質していってしまうんでしょうか。

初顔の十二神将がどんどん出てきてるのは、やがてくる大決戦に向けての布石な感じがあってワクワク。三善さんいいキャラしてる。今の状況だと全員敵に回ると頭数不足な気がしますが、戦況どう動くんでしょう。

評価 ☆☆☆☆(8)



勇者イサギの魔王譚2 それすらも幸せな日々だと気づかずに (みかみ てれん/エンターブレイン)amazon
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なろう発の勇者→魔王なファンタジー。web版既読なので大体の展開は分かっているわけですが、プレハの過去エピソードに「おっ」となりました。この物語の軸はプレハだと思っているので、ここでプレハとの出会いが描かれ、イサギの想いに重みが生まれることで、グッと物語が締まる印象を持ちました。イサギはただの中二病じゃないんだと見せつけてくれます(←)。いや、冒頭の中二病がなかなかだったので……。
プレハが濃くなった分、リミノの印象が若干薄かったかも。web版と出番はそんな変わってないと思うんですが、サブヒロインの色が強まったからでしょうか。

リヴァイブストーン関連の描写はやっぱり残酷でえげつない。プレハとイサギくんはただ少し盲目なだけだったのに。これが当たり前になっている冒険者の戦い方に凄い歪んでて、ひいてはこの世界自体も歪んでるんだなあと今回読んでて感じました。この状況で魔族と人間の道を模索するんだから、険しいに決まってますね。離別した後を今度はどう描いていくのか、先も楽しみ。

評価 ☆☆☆★(7)